SUNNY GARDEN

SUNNY GARDEN

ESTUDIO EL HOMEOSUTASU.

VAMOS A MIRAR Mi JARDIN.

 

南米熱帯アンデス山脈が原産地、アカネ科キナノキ属の樹木。

 

https://www.tokyo-shoyaku.com/ohana.php?hana=104

 

Chin.は、この樹木の樹皮を乾燥させた「キナ皮」を原料にします。

 

「キナ皮」の主成分キニーネは、マラリア原虫を死滅させることから、マラリアの特効薬として有名で、かつては、日本薬局方にも、収載されていました。

 

「キナ皮」は、元々は、アメリカ先住民が大切にしていたもので、「キナ」という名前は、インカの言葉で「熱を防ぐ皮」を意味するKinkinaに由来します。

 

18世紀以降、マラリア特効薬としての評判がヨーロッパで広がると、乱獲により、野生のキナの木は枯渇してしまいました。

1930年代にはジャワ島の高地での栽培に成功し、世界のキナの90%が生産されるようになりました。

近年は、合成品が作られるようになり、生薬の需要は激減しました。

でも、ペルーの先住民たちは、今でも解熱、消化器系症状、感染症、強壮剤として使っているそうです。

 

ハーネマンは、1755生まれ。

当時のヨーロッパは、植民地政策により熱帯地方に進出する必要があったためマラリアの特効薬「キナ皮」は、大人気の特効薬でした。

瀉血中心の医学に絶望して医者として働かず、薬効書の翻訳をしていたハーネマンが「キナ皮」の記述に疑問を持ち、自分で飲んでみたことから「類似の法則」を発見したのは、ホメオパシー界では、あまりにも有名な話です。

 

Chin.は、一番最初に誕生したレメディです。

 

マラリアは、今の日本では、ほとんど見られない病気ですが、かつて太平洋戦争で南方方面に兵士として出かけた人の多くが罹って亡くなっています。

 

マラリアの症状は、40度近い高熱、悪寒、頭痛、関節痛、嘔吐、下痢、発汗です。

そして、一旦回復したかに言えても、症状が何度もぶり返すという間欠性の病気です。

 

私は、授業ではいつも、「もし、あなたが熱帯雨林のジャングルで、このような病気にかかったなら?」という質問をしてみます。

 

高熱と痛みで苦しめられ、嘔吐、下痢、発汗という症状でからだの水分を失っていくと?

 

マラリアに罹る人は、今の日本にはいないけれど、こういった症状は、コロナでもインフルエンザでも、肺炎や気管支炎、腸炎、肝炎、胆のう疾患、出血性の疾患、などでも起きることはありそうです。

 

Chin.の中心は、脱水による衰弱です。

身体の循環を担う「水」を失うというのは、命の力を失うということです。

多量の分泌物の排出、排膿、下痢、嘔吐、発汗、出血、授乳などから、極度の疲労、衰弱、頭痛、消化不良、貧血などの症状を発症します。

 

病気は消化器に持ちやすく、鼓腸のレメディでもあります。

 

胆石症にもよく使われるレメディの1つです。

胆石発作の苦しみを味わった人は多いと思います。

私の夫も10年ほど前に経験しました。

いくつかのレメディに助けてもらいましたが、彼の場合は、最終的にChin.が一番良かったと思います。

あるとき、発作を起こして、トイレに駆け込み、冷汗をかき、血の気のない顔色で、下痢と嘔吐と痛みにもがき苦しんでいました。

トイレからのヘルプで、私は、Chin.200c. を持っていきました。

暑さと、寒気と痛みで、まるで熱帯雨林のジャングルでもがき苦しんでいるような状態だったそうですが、レメディを口に含んだ瞬間、温帯の日本のいつもの自分に戻ったそうです。

胆石症って?

胆のうにできた石が、胆道に引っかかる痛みだそうですが、あの時は、なぜ、痛みがなくなったのでしょうか?

その後の検査では、まだ、石は残っているという結果が出ました。

いまだに謎です。

主人の場合は、Chin.があるという安心感と、食事療法で、だんだんに胆石の恐怖からは自由になりました。

ここ数年は、発作を経験していません。

 

脱水感が身体的な中心ですが、精神的な脱水感にもつながるのでしょうか?

いい加減なものでは満足できません。

最高のものを望みます。

芸術的な人。

とても気難しく、人との付き合い方も、深い触れ合いや友情を求めます。

そして、身体的にもこの点では共通していて、ささいな接触は嫌がり、きつい圧迫の方を好みます。

 

Chin.の人が住んでいる間違った病的な世界~ これは、精神の妄想の症状で表現されます。

 

MIND; DELUSIONS, imaginations; persecuted, that he is

迫害されているという妄想

MIND; DELUSIONS, imaginations; pursued, he is

追われているという妄想

MIND; DELUSIONS, imaginations; pursued, he is; enemies, by

敵に追われているという妄想

MIND; DELUSIONS, imaginations; tormented, he is

苦しめられているという妄想

MIND; DELUSIONS, imaginations; unfortunate, he is

不幸であるという妄想

 

太平洋戦争で東南アジアのジャングルでマラリアに罹ってしまった兵士は、きっとこのような気持ちだったのでしょう。

 

でも、日本にいて、マラリアにはかかっていなくても、

体内の大切な水分を不当に奪われるような状態に周期的に襲われたら、だれでも、このような気持ちになりそうです。

 

そして、このような病気の状態に対して類似の法則が働いて元の自由な状態に戻してくれるのがChin.です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あけましておめでとうございます。

いよいよ、2024年が始まりました。

昨年について言えば、11月と12月の2回にわたって妊娠出産のコラボセミナーをしたことが一番印象に残る行事だったと思っています。

 

最初は、11月23日。

出張さんばステーション聖護院 海(まある)助産所をされている、助産師の宮川友美さんに来ていただきました。

やってくる新しい命を、あふれる愛情で受け止めてくれる、経験豊富な宮川さん。

 

お話は、妊娠の土台となる女性の月経周期から始まりました。

知っているようで、知らない。

とても大切なことなのに、あまり気にも留めず、外に向きがちな私たちの意識。

女性の体は、男性とは全く違うことを、パートナーに伝え、理解してもらうことの大切さ。

そんなことを教えていただきました。

 

そして、女性の体は、受胎と共にドラマチックに変わっていく母体となります。

出産はそのクライマックス!

自宅出産の動画を見せていただきましたが、涙が止まりませんでした。

昔、お産が家で行われていた頃は、母親になる人はみな、命を張って見せる、ドラマの主役だったんだ。

 

2回目は、12月23日。

今回は、宮川さんから、バトンをうけとって、「妊娠出産」の時に、ホメオパシーでは、どのようなお手伝いができるかというセミナーになりました。

女性とお母さん、子供たちの強い味方、人気ホメオパスの松本美紀さんと一緒に担当させていただきました。

 

妊娠すると、つわりが始まります。

時には、不正出血があって、びっくり。

妊娠すると、ほとんどの人は、貧血になります。

これで、あこがれの助産院出産をあきらめる人も多いのです。

早産。

逆子。

なかなか進まない陣痛。

出産後の回復促進。

産後の鬱。

授乳のトラブル。

これらについて、私はホメオパスとして個人的に経験した等身大のお話をさせていただきました。

 

そして、こういった場面にいつも登場する女性のための3つの大レメディについては、少しだけ、詳しくお伝えしました。

 

まずは、シミシフガCimicifuga racemosa.(Cimic)

アメリカ先住民が女性の特有の不調に使っていた薬草が原料です。

このレメディは、主に神経と子宮の筋肉に作用してくれます。

 

レメディの原料には、この植物の根を使いますが、その「根」の写真を見ていただくのがこのレメディの理解には、役立ちます。

もじゃもじゃな、黒いワイヤーのような姿をしています。

有名な精神症状があって、

MIND; DELUSIONS, imaginations; wires, is caught in  妄想:ワイヤーに捕まえられた。

赤ちゃんの世話にかかりきり、かわいいけれど、家に閉じ込められ、社会から切り離されて産後の鬱状態になっていく人にマッチするレメディです。

 

また、赤ちゃんは、流産や早産にならず、適正な時期にきちんとした陣痛が来て、適正体重で出てきてくれるのが理想ですが、なかなか順調にいかないのが現実。

大切なのは、適切な子宮の筋肉の、緊張と弛緩です。

順調な妊娠に必要なのは、子宮の筋肉が、赤ちゃんの成長に合わせて、全体は柔らかく膨らんでくれるけれど、入口はしっかり絞めておいてくれること。

そして、いざ、出産となると、入り口は柔らかく開いて、赤ちゃんが外に出ていくようにある部分は収縮してくれる。

Cimicは、子宮の筋肉の調和的な収縮に力を貸してくれるレメディです。

ですから、早産、流産、出産時だけでなく、鬱的状態まで、広くカバーしてくれるのです。

 

 

次は、セピアSepia officinalis(Sep)。

コウイカの墨を原料にする、女性のための代表的なレメディです。

皆さんは、コウイカが、スーパーの魚売り場に並べられている姿を見たら、まるで、子宮の形のそっくりなのに驚かれると思います。

料理をするなら、まず、足と内臓をごっそり引きずり抜かなければなりませんが、このレメディにマッチする人は、「押し下げられるような痛み」を持つのが特徴です。

 

イカは、敵に襲われそうになると、墨を吐いて身を守ります。墨には、敵の活動能力を低下させ脱力させる成分が含まれています。

また、イカは、身体能力が高く、すごいスピードで泳ぎ、海のハンターと言われています。

 

このレメディは、本来は、有能で、活発に活動できるのだけれど、疲れ果て、どんよりと無気力で無関心になってしまっている状態にマッチします。

外で生き生きと激しく活動していた女性が、妊娠出産、育児をしていく中で、徐々にどんよりと、鬱的になっていく姿と重なります。

家族を愛しているんだけれど、身動きのとれない現実に苦しみ、嫌悪感を持ってしまいます。

仕事で疲れていても、早く帰って休むよりも、ジムによって、身体を動かして発散したいタイプです。

 

 

最後にご紹介したのは、Pulsatilla (Puls.)プルサティラ。

レメディの女王といられるほどに、女性の多様な適応症状を持っています。

原料は、西洋翁草。全草が老人の白く柔らかい毛におおわれているところから名付けられました。

ヨーロッパの涼しい地方原産で、春一番、寒風の吹くところで元気に咲きます。

水はけのよいやせた土地に咲き、風を好みます。

風に吹かれるままに柔軟に花の向きを変えるので、ウインドフラワーとも呼ばれます。

地上では、背丈の低い可憐な姿をしていますが、根っこが発達しているので、丈夫で、水も栄養もさほど必要としません。

このレメディを体質的に必要とする人は、粗食好みで、喉が渇かず、案外丈夫です。

でも、子供なら、親の注意を引く程度の病気をよくします。

「ママ、お耳が痛いの。」「お腹が痛いの。」「お鼻が詰まって、苦しい。」

 

Pulsの特徴は、「変化」と「見捨てられたくない気持ち」です。

逆子のレメディとして有名です。

逆子は、第2子や第3子に多いような気がするのですが、お母さんは、上の子の世話に追われて、お腹がどんどん大きくなっていくのにあまり気が向かないことが良くあります。

そんな時、おなかの赤ちゃんは、「見捨てられたくない気持ち」が働いて、逆子になるケースに良く出会います。

Puls.200c.で、よくなったケースは何度も経験しています。

お腹の赤ちゃんに呼びかけること。

そして、身体を冷やさないこともとても大切なようです。

 

 

妊娠出産時のお助け三大レメディは、現物質情報から立ち上げて、少し詳しくお話をしました。

すると、女性性について、何だかよりわかる気がしました。

女性は、生理周期を持っている。

母であること、妻であること、娘であることは、家族からの期待が大きい。

その縛りは辛いなあ。

妊娠、出産、育児中はとりわけ、状況の変化が激しい。

そうでなくても、刻々と変化していくホルモンに身体だけでなく心も、ものすごい変化にさらされている。

男性からの、理解と、いたわりは、やはり、欲しいな。

 

そんな気持ちになりました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

先日、CHK専門コースの4年生の授業で、このレメディをとり上げました。

 

このレメディの原料は、ヨウシュチンチョウゲです。セイヨウオニシバリともいわれています。一般的な英名は、mezereon. 種小名のmezereum.は、古いペルシャ語の「殺す」という意味の言葉が由来です。

「殺す」とか、「西洋鬼縛り」とか、なんだか怖い名前がついています。

 

 

 

 

ヨーロッパからコーカサス地方、トルコ原産。森や低木林、雑木林などに自生し、広く庭木としても栽培されています。

 

開花期は早春。

枯れ枝から、春まだ冷たい風が吹くころに、まず、ピンク色の花が開きます、そのあと葉が出てきて、赤い実をつけます。

なんだか、桜に似ていると思いませんか?

桜も、春を知らせるように、枯れ枝から一斉に花が開いて、散りかけたころから葉が出てくる。そのあと、赤いサクランボの実が膨らみます。

 

果実や小枝には、ダフネトキシンという猛毒が含まれています。

 

レメディには、この植物の樹皮を使います。

 

この毒は、皮膚を刺激し、炎症を引き起こします。発赤や疱疹ができます。

また、なめると、下痢と嘔吐を引き起こします。

これらの作用から、「植物の水銀」と呼ばれています。

 

なぜか、私は、ホメオパシーを勉強するようになって、早春に桜の花が咲き始める景色を見て、「Eruption」という言葉が浮かんでくるようになりました。

枝から、花弁が噴出してくるのを見て、皮膚から発疹がでるイメージがわくようになってきたのです。

この言葉には、

1. 火山の噴火;溶岩・間欠泉などの噴出:(医)発疹、皮疹、(歯牙)萌出

2. (怒り・笑いなどの)爆発:病気:戦争などの突発

といった意味があります。

 

Mez.もEruption 発疹のレメディで、以下のような皮膚の症状を持ちます。

Skin; ERUPTIONS; crusty  皮殻質の

Skin; ERUPTIONS; crusty; bleeding  皮殻質で出血した

Skin; ERUPTIONS; crusty; moist  皮殻質で湿った

Skin; ERUPTIONS; desquamating  落屑した

Skin; ERUPTIONS; discharging  粘液などを排出する

Skin; ERUPTIONS; dry  乾燥した

Skin; ERUPTIONS; eczema  湿疹

Skin; ERUPTIONS; herpetic;  ヘルペス

Skin; ERUPTIONS; itching 痒い

Skin; ERUPTIONS; rash  発赤

Skin; ERUPTIONS; urticaria; nodular  蕁麻疹

 

水銀を原料とするMerc.は、皮膚のレメディといったイメージはないのですが、これらの症状をすべてカバーしています。

調べてみて、びっくりしました。

皮膚症状で有名なRhus-t. :ルストクス(ツタウルシ)やArs.:アルセニカム(砒素)も続きます。

 

Ars.は消化器の症状が有名で、焼けるような感覚や、下痢と嘔吐のレメディでもありますが、Mez.もそういった症状を持ちます。

Ars.と同様、すごい寒がり。

STOMACH; ANXIETY  胃で不安を感じる

この症状は、Ars.の代表的な症状ですが、Mez.も入っています。

Mez.の人は、何か心配すると、胃が空っぽになった感覚になり、胃潰瘍になりがちです。

一人になるとさらに悪くなり、つまらないことでイライラしてしまいます。

Ars.にそっくりです!

 

あと、このレメディの特徴的な症状に

EXTREMITY PAIN; LOWER LIMBS; Leg; tibia; night

脛骨(むこうずね)の痛み、夜に悪化する

というのがあります。

この症状を持つレメディで有名なのは、Aur.(金)のレメディです。

金といえば、重い貴金属ですが、それを原料とするAur.は、重い責任感に苦しみ、その苦しみに耐えられず、自殺傾向を持ちます。身体的にも、脳、心臓、目、骨など奥深く、上の方にあり、頭蓋骨や肋骨、筋肉などで大切に守られている臓器に病気を持ちやすい人です。

 

Mez.は皮膚症状のレメディとして有名なだけでなく、Aur.のように「夜に悪化する骨の痛み」も持っています。

 

世の中には、皮膚の症状を持つ人は、とても多いです。

レメディの中にも、皮膚の症状を持つものは多いです。

でも、急性でないかぎり、その人の皮膚症状を癒してくれるレメディは、全体像や特徴的な症状が、マッチしていないと役立ってはくれません。

 

Mezは、皮膚症状のレメディですが、Sulph.のように暑がりで、楽天的な人ではなさそうです。

寒がりで、Merc.(水銀)Aur.(金)Ars.(砒素)に似たエネルギー。

心身ともにどちらかというと暗くて深刻な気質を持った人だと思います。

 

 

 

 

 

 


このレメディはポリクレストレメディの1つです。
多くの組織に起きる様々な症状に対して活かせるレメディです。

全体像がマッチすれば、いろんな不調悩みを抱えてやってくるクライアントさんに
変化をもたらすことができるレメディだと言われていますが、
私には、理解しにくいレメディで、授業でも、自分がこのレメディ学習を担当する際、
いつも苦手だなあと感じていました。
原料は、水酸化カリウムと言われています。
「ハーネマンが独自に調合した化合物由来のレメディで、消石灰と硫酸水素カリウムの混合物」と
臨床家のためのマテリアメディカには書かれていますが、
その原料から立ちのぼるイメージとマテリアメディカに出てくる症状像を重ねることが難しいのです。

例えば、Sulph.サルファ―は硫黄から作られるレメディです。
硫黄が多く含まれている火山のイメージに、Sulph.の症状像は重なります。
また、Acon.アコナイトは、その原料が、強い特性を持つことや、
生息地である高山の環境や花の姿のイメージは、Acon.の症状像と重なります。

どうすれば、消石灰と硫酸水素カリウムのイメージから、Caust.の症状像を重ねることができるのでしょうか?

でも、2018年から3年余り学んだダイナミススクールでジェレミー先生のCaust.の授業を受け、この悩みは解決しました。
そんなこともあり、今年の国際セミナーでも取り上げていただくことにしました。

ジェレミー先生の授業では、このレメディCaust.を作ったときのお話から始まります。
友達とアイルランドの浜辺で、火を焚いて、粉砕した大理石を火に投入し、一晩中燃やし続けたのだそうです。

大理石を一晩中燃やし続けたら?
有機物をすべて燃焼させた後に、最終的にはカリウム硫酸塩と反応させるもののようです。
そこに残っている原材料は、元素的には、Kカリウム、Caカルシウム、S硫黄の要素を持つようですが、
その中心は「燃え尽きたもの」だということ。水分はすべて蒸発し、燃え尽きて冷えている。

Caustの症状像の中心も、そういったところにあります。

ですから、慢性的状態に適したレメディということになります。
100年前のアメリカの医師ホメオパスであるJ.T.ケント博士は、
慢性疾患を持つ衰弱した高齢者のためのレメディであり、急性状態に使うのはまれだと、書き残しています。

通常は、ゆっくりと悪化し、徐々に衰弱していくような人に適します。
筋肉が弱り、やがて麻痺に至るような人。関節、筋肉、あらゆるものが硬くなって弱って行く。
一般的な表現なら、リウマチ・多発性硬化症・デュピュイトラン拘縮などとなります。
筋肉や腱が収縮・拘縮しコントロールできなくなってゆく(麻痺的)状態に適しています。

英国の元首相マーガレット・サッチャーの晩年の状態にマッチすると言う方もおられます。
強い正義感・高い理想・弱者に対する支援への熱意を持つと同時に、その思いが強すぎて、
それに心身ともに着いて行けず、やがて燃え尽きるというテーマを持ちます。

長時間大理石を燃やし続けて作るCaust.は、燃え尽きたような人。
長年の苦痛、多くの問題を抱えてきて、徐々に心は弱り、
時に認知機能が衰えることすらあり、身体は、徐々に冷えて乾燥して行きます。


私は、このレメディを10年ほど前にインドの巨匠サンカラン先生から処方提案されました。
当時の私の悩みは、日常生活には特に支障のないレベルでしたが、
時々足の腱が短くなったような感覚があり、ひどい時には裂けるような乾いた痛みを感じることでした。
日によって時間帯もまちまちに、足のあちこちに痛みを感じていました。

サンカラン先生から、このレメディを提案されたときは驚きました。

当時の私のCaust.への理解は・・・
MIND; IDEALISTIC 理想主義
MIND; INJUSTICE, cannot support 不正に耐えられない
MIND; FANATICISM  狂信的
などの精神症状が印象的で、社会活動家のようなイメージを持っていたのです。

私は、それとは、かなり違います。
自分の生活を日々送るのが精いっぱいの、母であり妻であるごく平凡な存在です。

私は、このレメディを何かにつけて飲むようになって1年くらいは改善がありませんでしたが、
3年くらいたったある日、足の症状がすっかりなくなっていることに気が付きました。
言われてみれば、私は、体質的には、燃え尽きた大理石のように、乾いて冷えて、活力
がないのが特徴です。とても喉が渇きます。寒がりなのに冬でも冷たいものをごくごく
飲みたい。人の痛みには同情しがちで泣き虫。自分はどうであれ、家族には、必要以上
に心配してしまう。人生に対する様々なところで、意外にも理想は高いかもしれない。
やはり、Caust.かなあ・・・。

今年9月に開催されたCHK国際セミナーでは、ジェレミー先生は、Caust.について、
慢性的な症状を持つ高齢者のレメディとして紹介されましたが、私のような中年女性
にもいますし、子供にもとてもよく見られます。ポリクレストレメディですから。

また機会があれば、いろんなタイプのCaust.をご紹介したいと思います。
どうか、お楽しみに。

 

 

 

今年も、無事、国際セミナーを終えることができました。

 

 

私たちは、CHK設立2年目から、毎年秋には海外の先生をお呼びして、全学年がそろって勉強するということをしてきました。

今年は、16期生を迎えての15回目の国際セミナー。

オーストリアからお二人の先生をお迎えして、初めての国際セミナーをした時の興奮と緊張を思い出すと、信じられないほどに、静かで当たり前の年中行事の1つとなりました。

Zoom受講を選ぶ方が主流になり、大きな会場に大勢が集まり、にぎやかな交流の場という

ものではなくなりました。

でも、Zoomのおかげで、学ぶ機会を得ることができた方も大勢います。

 

ジェレミー先生とのご縁も、これほどのものになるとは思ってもみませんでした。

45年のホメオパスとしてのキャリアを持つ先生の、CHKの生徒さんたちに投げかける暖かく力強い言葉。

ジェレミー先生との強い信頼関係をもち、いつもより良いセミナーになるように、コーディネートしてくださる吉川さん。

素晴らしい通訳をしてくださる藤崎さん。

皆さんには、ただただ感謝です。

 

今回も、オルガノンは、§9をしていただきました。

私が、ジェレミー先生のセミナーに初めて参加したのは、2005年、東京でのセミナーでした。

あの時は、私は、ホメオパシーを学び始めて、3年目。

オルガノン§9を滔滔と美しく歌い上げるような講義に強い衝撃を受けました。

CHKの国際セミナーの講師として、初めて京都に来ていただいたときにリクエストしたのも§9でした。

今回は3回目。

§9は、バイタルフォースの話ですが、健康を表現する最高の文章でもあります。

 

レメディも専門コースの4年間の中で学ぶ大レメディを3つしていただきました。

ホメオパスとしての豊かな経験と、マテリアメディカへの深い理解あってこその素晴らしい講義でした。

 

CHKの国際セミナーは、専門コースの生徒さんが主な対象者ですが、卒業生、ダイナミスで学んでいる方々大勢の方も四条教室で、また、Zoomを通して参加してくださいました。

ありがとうございました。

来年は、どんな国際セミナーができるかな?

どうか、お楽しみに!

 

 

 

 

                                                                                                       

 

 

Con.は、毒ニンジンを原料とするレメディです。

 

毒ニンジンは、ヨーロッパ原産のセリ科ドクニンジン属の植物で、現在はアジア、北アフリカ、北米各地の乾燥した荒れ地に自生しています。

葉の形は人参に似ています、花もそっくり。ふわふわした、白い手毬のような可憐な花を咲かせます。

でも、Con.は食べたら大変!

植物全体に、コニインという猛毒成分が含まれているのです。

 

 

 

 

https://www.ootk.net/cgi/shikihtml/shiki_1603.htm

 

古代ギリシャの哲学者ソクラテスは、処刑されるとき、この毒を飲みました。

 

https://www2.kokugakuin.ac.jp/letters/examinee/zuihitsu/hem.html

 

Con.の毒は、少量摂取では、筋肉の無力化、視覚障害、頻脈、頻呼吸。

多量摂取では、吐き気、嘔吐、下痢、口喝などの胃腸症状に引き続き、神経系の症状が発現します。中枢神経の麻痺は、下肢の方から体の頭の方へ筋肉の麻痺が広がっていきます。

胸部と横隔膜の筋肉が麻痺し、呼吸が止まって死にますが、意識は最期まで明瞭のようです。

 

下肢から麻痺が上がっていき死に至る。

老人のイメージですね。

 

痴呆症のレメディの1つです。

考える力が鈍くなり、記憶が弱くなり、無関心、無感情、内向的になっていきます。

 

高齢者のめまいにも、考慮されるレメディでもあります。

めまいは、回転性で、暗いところで目を閉じじっとしていることで改善します。頭を動かしたり、立ち上がったり、寝返りで悪化します。

 

泌尿生殖器にも症状が出やすいレメディです。

乳腺と前立腺。

癌や腫瘍になりやすいです。

「腺」というのは、「月」と「泉」が合わさった文字です。

泉のように、水分が湧き出る器官。

Con.は、その部分が、腫れたり、硬化したり、石のように硬い癌やしこりを作ってしまう人です。

 

まるで、豊かな泉が枯れて、干からびてしまうようなイメージ。

身体は、徐々に硬化と麻痺と衰弱が進みますが、精神的にも徐々に活動停止になっていきます。

仲間を嫌い孤独になります。

厳格さや儀式主義、強迫観念にとらわれていきます。

過去には、激しい激動の日々があったかもしれないけれど、病気の進展とともに悲嘆、無気力、痴愚へと変わっていきます。

 

性的な抑圧や節制から、Con.の病気になっていく人もいます。

人は誰でも高齢になると性的な生活から遠ざかっていきますが、若くても、パートナーの喪失や宗教的な理由から病気になっていく人。

 

まるで喪に服しているかのように、黒や暗い色を好みます。

光りを嫌悪し、暗闇で好転します。

これは、Stram.のモダリティと真逆です。

 

塩が大好き。酸っぱいものとコーヒーも好きですが牛乳は嫌います。

 

眼瞼下垂(目蓋が重たく落ちていく)は、Gels.  Caust. Sep.が有名ですが、Con.もこの症状を持ちます。

 

眠るとすぐに汗をかく。

これも、すごく変わっていると思います。

100年以上前のホメオパスの話ですが、「昼夜を問わず、眠るとすぐに汗をかく、目を閉じただけで」という症状に着目して、Con.を選び、80歳の片麻痺の男性を見事に直したという記録も残されています。

 

 

 

Lac defloratum. (Lac-d.)

 

動物をレメディの原料とするときは、その動物の一番個性的な部位を使います。

蛇はその毒。

ヒキガエルは、その皮膚から出す毒液。

鳥は、羽根。

哺乳類の場合は、そのお乳を使います。

その中でも、1番有名なのは、犬のお乳のレメディ。

他に、猫、ライオン、イルカ、馬など様々な動物のお乳がレメディとして使われています。

 

Lac-d.は、牛のお乳。スキムミルクを原料とするレメディです。

 

このレメディを学ぶとき、私は「乳牛の一生」というブログを紹介するところから始めます。

 

https://www.hopeforanimals.org/dairy-cow/227/

 

このブログは、現代の乳牛のあまりにも悲惨な一生について書かれています。

Lac-d.は、19世紀に作られたレメディですから、今の乳牛ほどは、悲惨ではなかったと思います。

でも、家畜としての悲しみは、マテリア・メディカの症状に反映していますし、私は、このレメディを学ぶことをきっかけとして、知っていてほしいと思うのです。

ブログを見ている最中に泣いてしまう生徒さんもいます。

私も、この現実を知ってから牛乳を飲むことや乳製品をとることを躊躇するようになりました。

今の牛乳の問題についての本を紹介してくれた生徒さんもいました。

 

「乳がんと牛乳」

ジェイン・ブラント著 径書房

https://www.yodobashi.com/product/100000009001577874/?yclid=YSS.1000206981.EAIaIQobChMIt7WI09bZgAMVzKGWCh2tIgLZEAAYAyAAEgI3uvD_BwE

 

Lac-d.の精神症状には、以下のようなものがあります。

MIND; SADNESS, despondency, depression, melancholy; conversation amel.

悲しみ:落胆、憂鬱、メランコリー;会話で好転

MIND; DELUSIONS, imaginations; convent, will have to go to a

妄想;修道院に行かなければならないだろう

MIND; FEAR; narrow place, in, claustrophobia

恐怖;狭いところ、閉所恐怖症

MIND; FEAR; toilet, in

恐怖;トイレの中

GENERALITIES; FOOD and drinks; milk; agg. aversion

牛乳による悪化、嫌悪

 

牛は、仲間同士で身体を舐めあって、清潔を保ったり、精神的な安定を得る習性があるそうです。このレメディにマッチする人も、悲しみを誰れかと話をすることによって楽に感じます。

また、友人や社会からはなれて、一人ぼっちでいるように感じている人もいます。

乳牛の一番の悲惨さは、母と子があまりにも早く引き離されることにありますが、このレメディを必要とする人も、母親とあまりにも早く引き離された経験を持つ人だったりもします。

狭いところへの恐怖については、と殺場のイメージではないかともいわれています。

 

身体的には、栄養状態が悪く、貧血気味で、歩くだけでもすぐに疲れてしまうような人。

牛乳に対して嫌悪感を持っている。

寒さに弱く、冷え性。

喉が渇いて、尿量が増加し、だるさと疲れやすさを感じ、痩せていく、糖尿病の症状にも重なるものがあります。

 

頭痛のレメディとしても有名です。

数年前、専門コースの授業で、スキムミルクを舐めてみるという超簡易プルービングをしたことがあります。そのとき、頭痛を経験した人が何人かいましたが、その痛みの部分が、ちょうど、牛の角が生えている部分だった人もいました。現代の乳牛たちは、安全のため角を切り落とすのですが、最も安上がりだけれど、牛には苦痛が大きい方法をとっているようです。

 

現代のインドのホメオパシーの巨匠、ラジャン・サンカランもこのレメディのプルービングをしたようです。

彼の著書“Soul of remedelies”にはそのときの経験が書かれています。

・マイルドで優しいが、活発で人を魅了しようとする傾向。おしゃべりで、表情豊か。

・受け入れてもらうために、共同体のために体を使ってとてつもなく働かないといけなと感じている。

・大切な人の喪失。母親を失ったテーマや早いうちに母親と引き離された養子の子供というテーマがあり見捨てられたと感じている。

・自分は汚いという感覚。これは動物レメディに共通するテーマです。

・閉鎖した空間を恐れる。

・自殺を考える。

 

スキムミルクには、ナトリウムが多く含まれていますが、Lac-d.はNat-m.と共通した症状が多くあります。

どちらも、悲しみのレメディです。

Nat-m.も早くに親と死別した心の傷を持っている人にしばしば見られます。

身体面では、大量の水を欲しがる、頭痛、便秘、吐き気、嘔吐、憂鬱、すすり泣き、動悸などがあります。

 

 

 

 

冬になると、可愛い鉢植えのシクラメンが花屋の店先を飾ります。

 

この姿に、皆さんは、どんな感じを受けますか?

 

先週、3年生の授業で、14期生の皆さんとこのレメディを学びました。

 

シクラメンは、中近東、東地中海地方原産のサクラソウ科の球根多年草です。

その大部分は、北半球の温暖な気候の中で生育しています。

シクラメンの学名は、ギリシャ語のkyklaminosに由来し、「旋回」という意味があります。

 

レメディはこの植物の根を原料にします。

 

婦人科系の病気とも関係の深いレメディで、女性的なレメディの1つです。

 

このレメディはCHKでは、3年生か4年生で勉強します。

この頃になると学んだレメディの数がずいぶん増えてきます。

すると、生徒さんたちから「なかなかレメディが頭に入らなくなってきた。」などというお話をよく聞きます。

 

ですから、私たち講師は、既習レメディの中で似た症状をもつレメディとの比較などをしながら、授業を進めるようにしています。

もちろん、有名なマテリアメディカにもこういった記述は多く、Cycl.は寒がりのプルサティラとか、プルサティラとセピアの中間くらい、と書かれているものもあります。

また、精神的にはナットムール(岩塩)やオーラム(金)に似ていると書いてあるマテリアメディカもあります。

 

精神症状でもっとも特徴的な症状は、

 

MIND; REPROACHES; himself   

自責の気持ち。自分を責める人です。

この症状で有名なのは、ナットムールやオーラムです。

この症状を持つレメディは、責任感が強く、とてもまじめです。

 

鬱的な暗い気分でいることが多く、無口で、孤独を好みます。

 

めそめそしやすい人でもあります。

「泣く」という精神症状の中でも、生理との関係が深く、黙って静かに泣くタイプです。

 

Cycl.は、以下の症状の中にあるレメディの1つです。

MIND; WEEPING, tearful mood; tendency; menses; before

MIND; WEEPING, tearful mood; tendency; menses; during

MIND; WEEPING, tearful mood; tendency; menses; suppression of, in

MIND; WEEPING, tearful mood; tendency; silence, in

生理前、生理中、生理を抑圧したときに泣きます。

泣くときは、静かに、だまって一人で泣くような人です。

 

身体面では、めまいと視覚障害が特徴的です。

 

シクラメンの学名は、ギリシャ語の「旋回」という言葉から来ているようですが、Cycl.は、回転性のめまいで有名です。

VERTIGO; OBJECTS seem; turn in a circle, to  めまい;物が回転して見える。

VERTIGO; TURNING; circle; in, as if    めまい:まるで回転しているかのよう。

 

視覚障害では、めまい、頭痛、生理や胃腸の調子が悪いときに起きやすい人のようです。

VISION; DIM; vertigo; during   視野のかすみ:めまいの時に

VISION; DIM; headache; during   視野のかすみ:頭痛の時に

VISION; DIM; menses; during    視野のかすみ:生理中に

VISION; DIM; gastric complaints, and 視野のかすみ:胃の不調時に

 

視野のかすみ以外では、

VISION; FLICKERING   視野が点滅する

VISION; SPARKS    火花のように飛び散る

 

インドの巨匠、ラジャン・サンカランは、レメディ像を明確に教えるために、ご自分のわかりやすい、まさに、典型的なタイプのケースを示してくれます。

 

彼の名著“Soul of Remedelies “では、「自分が何か悪いことをやってしまったとか、自分がやるべきことをやらず、その結果悪いことが起きてしまったと感じている女性の状況」だと述べています。

そして、その悩みを一人で抱え込み、人と会話せず、一人でくよくよ考えます。

ナット・ムールな感じもしますね。

 

サンかランが紹介しているケースは、足のひどい湿疹に悩む45歳の女性。

大会社でキャリアを積んで成功している人でした。

彼女には精神遅滞で痙攣発作を起こす息子がいました。

彼女は、息子の存在を誰にも言わず、一人で世話をしていたということでした。

仕事以外では、息子の世話を自分一人でしていたので、あらゆる社会的な付き合いはありませんでした。

彼女は、妊娠中、たくさんの便から子供の頭が出てきている夢を見たそうです。

彼女は、その頭を押し戻そうとして、子供が大丈夫ではないことが分かった、ということでした。

そのことを今も彼女は悔やんでいました。

「避けることができたのではないか?」「何かできることがあったのではないか?」

罪悪感を感じていて、犯罪者のように、オドオドと、誰にも明かさずに、一人で罪を贖ってきた人だったそうです。

 

陽の光の少ない、暗く寒い季節。

シクラメンは、小さな鉢の中に、白、赤、ピンク、紫など華やかな色合いで、精いっぱい咲きます。

花の姿をよく見ると、めしべやおしべは地面を向いて、花弁は反り返るように上に突き立てています。

 

誰にも言えない思いを、ひそかに心に持ち、一人で頑張って生きてきたサンかランのケースの女性に、どこか似ているような気がしませんか?

 

 

 

 

 

 

 

先日、専門コースの2年生の授業でこのレメディを担当しました。

 

原料はバイケイソウ(梅恵草)。

白緑色の花が梅に似ていることと、葉が鶏卵ににていることから、バイケイソウという名がついたそうです。

緑色の花が多く、なんだか、奇妙な感じがします。

http://had0.big.ous.ac.jp/plantsdic/angiospermae/monocotyledoneae/melanthiaceae/baikeisou/baikeisou.htm

 

この植物の毒性は強く、交感神経に作用し、各内臓の痙攣をおこします。

激しい嘔吐と下痢から極度の衰弱になります。

顔面蒼白、冷汗がでます。

悪寒で体中が氷のようになり、頭痛がして頭が氷漬けになったような感覚になります。

 

この症状は、コレラにとても良く似ています。

今の日本では、あまりなじみのない病気ですが、かつて日本でも恐れられた病気です。

https://xn--ja-o83a6ioa.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B3%E3%83%AC%E3%83%A9

 

19世紀、コレラが欧州で蔓延した時に、このレメディは、カンファ―(樟脳)、カプラム(銅)とともに、素晴らしい治療効果を上げ、ハーネマンの名声を高めました。

 

衛生状態の良くないところでは、今も蔓延するこの病気は、今まで元気に生きていた人に突然襲い掛かります。

激しい下痢と嘔吐が、人間の大切な命のもとである水分を急激に奪ってしまいます。

 

このレメディの特徴は「虚脱」状態です。

マテリアメディカでは、”Collapse”という言葉で出てきます。

意味は、虚脱、崩壊、倒壊、衰弱、挫折・・・。

 

人間の身体における「水」という存在は、人間の社会的な場面では、どんなものになるでしょうか?

血液やリンパ液、粘液や漿液、唾液などとなって、身体のスムーズな循環を支えてくれる存在のような役割を、社会において担ってくれているのは、「お金」ではないかしら。

お金は、人の様々な必要をスムーズに満たしてくれます。

 

急激で激しい脱水から虚脱状態になるという現象が、社会的な側面で起きたらどうなるかしら?

 

それが、このレメディの精神症状を表しています。

 

インドの巨匠 ラジャンサンカランは著書“Soul of remedeis”で以下のように書いています。

”社会的地位を失ってしまったというフィーリングがあり、いかなる手段を用いてもすぐそれを回復しなければならず、さもないと自分は終わりだと感じている。

一度に何かを得る方法、たとえばギャンブルとかうそをつくとか詐欺行為とかいった方法を見つけようとする。冨や自分の重要性を示すことがVerat.の際立った特徴であり、これを使って失った社会的地位を埋め合わせようとする。”

 

身体における水分というのは、社会人としての冨や地位かもしれません。

 

サンカランは、このレメディをプルビングしたときに見た夢についても書いています。

“まもなく引退することになった年老いた男性は、引退することで社会的な地位を失うことになっていた。彼はそのことを恐れていて、まだ、自分は重要人物であることを示すために派手なパーティを開いた。”

 

嘘をついてでも、自分の裕福さを示したい。

このレメディを必要とする人は、本人だけでなく、その前の世代が失った場合にも多いそうです。

宗教や政治、ビジネス、などの世界での指導者のなかには、こういった状態の人が結構いるのかもしれません。

 

サンカランと並ぶインドの巨匠サルカー先生は、彼の著書“Just you see”のなかで、

このレメディについて、

 

“アルセニカムとハイオサイマスHyos.(ヒオス)の色合いがあると思う。”と書いています。

“このレメディは主要な急性病レメディの1つとして使えるが、大多数はアルセニカムを代わりに使っている。”

 

アルセニカムの人は、好色、呪う、だます、といったことはしなさそうです。

ヒオスは、しそうですが。

 

Verat.は下痢と嘔吐が同時に起きるアルセニカムと症状が似ているので植物の砒素ともいわれます。

 

私は、このレメディの授業をするときはいつも、渡辺淳一が書いた「遠き落日」という本をご紹介しています。

https://honto.jp/netstore/pd-book_26001244.html

 

野口英世の人生を描いた本ですが、子供のころに読んだ英雄伝記とはまるで違った人物像で、驚きました。

ものすごい野心家で、浪費家、嘘つき、大ぼら吹き。

でも、どこか憎めない可愛い愛すべき人。

 

サンかランも、Verat,は、一緒にいて楽しい人だと書いています。

“おしゃべり、歌い、冗談を言い、陽気である。また、神とつながっているというような愉快なファンタジーを思い描いていた利もする。”

 

「遠き落日」一度読んでみて!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

明けましておめでとうございます。

 

みなさん、どのようなお正月を過ごされたのでしょうか?

 

私は、家族とのゆったりとした時間を過ごすことができました。

 

大晦日は、東京から帰ってきた息子と近くに住む娘の家に行き、恒例の手巻き寿司パーティをしました。

私たち夫婦と息子、娘の家族四人の7人で囲む食卓。

ネタの魚はご近所の腕の良い料理人の魚屋さんから。

予約しておけば、お任せで、そのときどきの良い魚を手巻きずし用にさばいてくれます。

この店は、焼き魚、イワシやマグロの煮つけなどもあり、特に鱧の照り焼きは絶品です。

 

元旦は、家族そろって家から歩いてすぐの三井寺へのお参り。

五歳の孫は、すぐに長い枯れ木の棒を見つけて、地面をつついたり、走り回り、岩をよじ登ったりし始めますが、このお寺の境内はとにかく広くて、やんちゃ坊主にも、とてもおおらかです。

初詣のお参りの後は、三井寺の中にある「長等カフェ」でお茶をしました。

こちらは、静けさと四季折々の庭が楽しめるお寺の中の和空間です。

 

二日は、石山寺にお参り。

まずは、洗心寮でお食事。

瀬田しじみの釜めし、鯉や湯葉など、滋賀らしいお料理です。

食事のあとは、1歳から67歳の家族7人が硅灰石でできた「石の山」の山頂にある本堂まで、階段や坂道を上りました。

 

三日目は夫婦二人に戻りました。

やはり家にいるよりは、四条に出かけたくなりました。

和久傳でお茶をしましたが、私たちがいつも向き合って話し合うことは「さて、これからどうするかな?」

 

そのアイデアの一つとして出てきたのが、CHKサイトの「レメディの使い方ABC」の第二弾を作ろうかなということでした。

「レメディの使い方ABC」は京都に来たばかりの私たちが楽しんだ京都の風物詩と始まったばかりのCHKの学校生活。

そして「基本講座」のご紹介でした。

 

今、私たちは滋賀に住んでいます。

CHKも今年の春は16期生をお迎えすることになります。

これからは、滋賀ライフのつれづれと、専門コースで勉強しているレメディ達をご紹介したら楽しいかもしれないな、と考えています。