Con.は、毒ニンジンを原料とするレメディです。
毒ニンジンは、ヨーロッパ原産のセリ科ドクニンジン属の植物で、現在はアジア、北アフリカ、北米各地の乾燥した荒れ地に自生しています。
葉の形は人参に似ています、花もそっくり。ふわふわした、白い手毬のような可憐な花を咲かせます。
でも、Con.は食べたら大変!
植物全体に、コニインという猛毒成分が含まれているのです。
https://www.ootk.net/cgi/shikihtml/shiki_1603.htm
古代ギリシャの哲学者ソクラテスは、処刑されるとき、この毒を飲みました。
https://www2.kokugakuin.ac.jp/letters/examinee/zuihitsu/hem.html
Con.の毒は、少量摂取では、筋肉の無力化、視覚障害、頻脈、頻呼吸。
多量摂取では、吐き気、嘔吐、下痢、口喝などの胃腸症状に引き続き、神経系の症状が発現します。中枢神経の麻痺は、下肢の方から体の頭の方へ筋肉の麻痺が広がっていきます。
胸部と横隔膜の筋肉が麻痺し、呼吸が止まって死にますが、意識は最期まで明瞭のようです。
下肢から麻痺が上がっていき死に至る。
老人のイメージですね。
痴呆症のレメディの1つです。
考える力が鈍くなり、記憶が弱くなり、無関心、無感情、内向的になっていきます。
高齢者のめまいにも、考慮されるレメディでもあります。
めまいは、回転性で、暗いところで目を閉じじっとしていることで改善します。頭を動かしたり、立ち上がったり、寝返りで悪化します。
泌尿生殖器にも症状が出やすいレメディです。
乳腺と前立腺。
癌や腫瘍になりやすいです。
「腺」というのは、「月」と「泉」が合わさった文字です。
泉のように、水分が湧き出る器官。
Con.は、その部分が、腫れたり、硬化したり、石のように硬い癌やしこりを作ってしまう人です。
まるで、豊かな泉が枯れて、干からびてしまうようなイメージ。
身体は、徐々に硬化と麻痺と衰弱が進みますが、精神的にも徐々に活動停止になっていきます。
仲間を嫌い孤独になります。
厳格さや儀式主義、強迫観念にとらわれていきます。
過去には、激しい激動の日々があったかもしれないけれど、病気の進展とともに悲嘆、無気力、痴愚へと変わっていきます。
性的な抑圧や節制から、Con.の病気になっていく人もいます。
人は誰でも高齢になると性的な生活から遠ざかっていきますが、若くても、パートナーの喪失や宗教的な理由から病気になっていく人。
まるで喪に服しているかのように、黒や暗い色を好みます。
光りを嫌悪し、暗闇で好転します。
これは、Stram.のモダリティと真逆です。
塩が大好き。酸っぱいものとコーヒーも好きですが牛乳は嫌います。
眼瞼下垂(目蓋が重たく落ちていく)は、Gels. Caust. Sep.が有名ですが、Con.もこの症状を持ちます。
眠るとすぐに汗をかく。
これも、すごく変わっていると思います。
100年以上前のホメオパスの話ですが、「昼夜を問わず、眠るとすぐに汗をかく、目を閉じただけで」という症状に着目して、Con.を選び、80歳の片麻痺の男性を見事に直したという記録も残されています。