映画屋のおすすめ 山田秀哉

映画屋のおすすめ 山田秀哉

古今東西、映画のトピックあれこれ。

日本映画の公開前。

PRイベントの女性MCが、イベントに呼ばれたキャストに,

「撮影は皆さん、和気あいあいの雰囲気で終わったわけですね?」

嘘言っちゃいけません。

映画の撮影なんて昼飯の開始が15分遅れただけで照明部は大声出すわ、録音部はだらだらし始める。

言っときますけど現在、映画の撮影なんて、一触即発の雰囲気で毎日進みます。

若い監督の画コンテに文句つける撮影部。

全く野卑なもんで、とにかくクランクアップまで我慢我慢の連続。

『劇場用映画』この特別な品格を持った映像は、スタッフ・キャストの渋顔の汗によって作られています。

勇気を持って暴露しました。

映画制作、最後の作業、ミックスダウン。このミックスダウンを何回もスタッフに命じる。たったこれだけの理由で干され続けられている長谷川和彦監督。

『青春の殺人者』『太陽を盜んだ男』この2本だけで数十年干されている長谷川監督。両方の作品、エネルギッシュで破天荒な仕上がりは、ホームドラマ映画ばかりが流行っている、今の日本映画界に一石を投じる傑作。このままでは韓国に抜かれる。いや、とっくに抜かれている。今、日本映画に必要なものは、エネルギッシュ、破壊的バワー、転じて恐ろしいほどの静寂な迫力。他は似たりよったりのホームドラマ。映画なんだから興奮させないでどうする。とにかく長谷川監督に一本任せろ。絶対に下手うつような事はしない。

日本で唯一、月給制の劇団があります。

 

座員全員に一般人と、ほぼ同じ金額が毎月支払われています。

これほど裕福な劇団は他にありません。

 

カラクリがあります。

この劇団は米国ブロードウェイのヒットミュージカル、ハリウッドのヒット映画などを翻訳し、日本語版で舞台劇化したものをメインに公演しているのです。

 

全ての翻訳劇は全てヒットしています。

座長が書いたオリジナルの舞台は一本も黒字になっていません。

 

外国劇翻訳専門劇団と言っても良いでしょう。

 

そうすることで座員の生活を保証しています。

このような劇団は日本ではただひとつです。

定年もあるそうです。入団して退団するまで、

一度も日本人の役を演じずに。

 

私の意見です。日本を舞台にしたオリジナル芝居を一回でよいからヒットさせてみろ。

 

ですが、この劇団の座長は近年死去しました。その後に企画された芝居ですがやはり外国の翻案ものでした。

 

絶対に地上波では、衛星放送ですら放映されないであろう、野村芳太郎監督、そして松竹の金字塔。

 

松本清張氏作の映画化ですから、犯人と被害者が登場するのですが、その謎解きを作品の『芯』とせず、犯人の幼年期。作品の山場。ハンセン病に侵された父親との『放浪生活』をオーケストラ音楽と、敢えてセリフを聞かせないサイレント映画的構成で魅せた悲劇は圧巻。

 

幾度もTVリメイクされていますが、そちらをご覧の方々は是非ともこのオリジナル映画を観て下さい。

 

感動とか傑作とか語る余裕さえ与えない名作。

 

稚拙な映画ばかりの今の松竹は恥ずかしくないのか。

ひと目見て分かるように座頭市は金髪。

 

この理由です。出島で働く娼婦とオランダ商人との間に生まれたハーフ。

娼婦の手から道場を持つ僧侶に引取られた。

これが金髪の理由なんですが、映画の中では語られていません。

 

こんな重要な点すら省略してしまう、北野演出。

 

シナリオや演出に自身がなければ、出来る芸当ではありません。

 

北野映画の娯楽の頂点、北野版座頭市。まだまだエピソードはつきません。

必殺シリーズが企画された際、東映京都が制作するか、松竹京都となるか、テレビ局上層部で意見が割れました。

 

結果、東映よりスタジオセットもオープンセットも、ひと回り規模の小さい松竹に決定。

 

理由は都市伝説です。

セットの数と規模にかなわない松竹は、シネライト一本だけの照明にメインキャストのアッブ、歩く姿に長く伸びる影など、劇画タッチの撮影を試しました。

 

結果的に前述のとおりの映像の連続の仕上がりとなりました。

この映像の美しさが、視聴者を掴む事になりました。

 

もし東映だったなら、いかにも時代劇といった映像になっていた筈です。

 

金が無いので知恵で勝負した松竹に軍配、といったところ。

テレビ映画用の16ミリフィルムで35ミリ並の美しさを構築した松竹。

現在はハイビジョンになりましたが、筆者は影と光のフィルム時代の必殺が一番です。必殺余話、今回はこのへんで。

 

アドリブ演出が定番の北野映画だが、この作品が時代劇である事も手伝って、当初から正統派のシナリオがあった。

ベネチア映画祭に於いてコンペティション部門に選ばれた際、北野監督は作品内の多量な流血戦に観客の反応に不安をいだいたそうだが、マカロニウエスタンを成功させた国だからと、その不安も消え、見事にグランプリを受賞した。

娯楽のカンヌ、芸術のベネチアと称されている両映画祭だが、本作は見事に『娯楽日本映画』と話題になり、ある評論家は、

「キタノは血のオペラを造り上げた」

と称賛している。

本作を観た山城新伍氏が

「この作品で、自分たちが今まで頑張ってきた『日本の時代劇』と思われては困る」

と評したが、山城氏らの時代劇が正統派時代劇とするなら、本作はマカロニ版時代劇。

そう考えればイタリアでウケた理由もわかる。

北野武自身の殺陣の上手さもあるが、飛び散る血糊にCGの血の飛沫を加えたアイディアは秀悦。

書くネタはまだまだある本作だが、今回はこれまで。

是枝監督の新作がカンヌ映画祭のコンペティション部門に選定。狙うはパルムドール(金メダル)

だろう。

ここ十数年の『劇場用映画』 

テレビの2時間ドラマ枠で放送されるような『小ぶり』な内容のものばかり。

そしてそんなものが内外の映画祭で賞を取る。

『映画的興奮』に満ちた映画の何と少ないことか。あることはあるが、スペクタクル時代劇やSFが多い。つまり『超大作』 大作が映画か?

いやいやそんなことは無い。登場人物2人の作品でも映画的興奮に溢れたものはある。

三船敏郎氏とリーマービン氏2人だけの『太平洋の地獄』はお手本の様に完成度の高い『映画』である。

正反対にテレビのホームドラマ的な映画の何と多い事か。

小生の記憶にある限り『ウォーターボーイズ』から『ホームドラマ』的映画が始まったと思う。

『スイングガールズ』『フラガール』枚挙にいとまは無い。

映画的興奮に溢れたものはどこに行ったのか。

是枝監督の『ホームドラマ映画』

もううんざりだ。

実名を挙げる。『青春の殺人者』『太陽を盗んだ男』の長谷川和彦監督。彼こそが映画的興奮に溢れた作品を世に出している。長谷川和彦監督、両作ともに『えぐい』映画だが、これこそ映画だ。

貴方が、まだ世に出れない理由が分からない。

起爆剤映画監督・長谷川和彦監督の復権を願う。

 

 

 

サンダーバードの再放送を観て驚きました。

 

開巻と同時に画面全体に出た英語表記にカタカナ読みで

『スーパーマリオネーション』

 

サンダーバードは50年以上も前の作品。

 

任天堂は知った上で許可を取った上で、スーパーマリオという表記を使ったのでしょうか。

 

とにかく驚きました。

ビートたけし氏談

 

「早口で喋られなくなったから漫才はもう出来ない。

落語と唄なら出来る気がする」

 

何をおっしゃいます。

 

以前、情報番組で、きよし氏と数分でしたが漫才を披露してましたね。

 

テンポはさすがに劣っていましたが、かけあいの『間』は昔と変わりませんでした。

 

『漫才師ビートたけし』は、まだ健在じゃないですか。