絶対に地上波では、衛星放送ですら放映されないであろう、野村芳太郎監督、そして松竹の金字塔。
松本清張氏作の映画化ですから、犯人と被害者が登場するのですが、その謎解きを作品の『芯』とせず、犯人の幼年期。作品の山場。ハンセン病に侵された父親との『放浪生活』をオーケストラ音楽と、敢えてセリフを聞かせないサイレント映画的構成で魅せた悲劇は圧巻。
幾度もTVリメイクされていますが、そちらをご覧の方々は是非ともこのオリジナル映画を観て下さい。
感動とか傑作とか語る余裕さえ与えない名作。
稚拙な映画ばかりの今の松竹は恥ずかしくないのか。