必殺シリーズ余話 | 映画屋のおすすめ 山田秀哉

映画屋のおすすめ 山田秀哉

古今東西、映画のトピックあれこれ。

必殺シリーズが企画された際、東映京都が制作するか、松竹京都となるか、テレビ局上層部で意見が割れました。

 

結果、東映よりスタジオセットもオープンセットも、ひと回り規模の小さい松竹に決定。

 

理由は都市伝説です。

セットの数と規模にかなわない松竹は、シネライト一本だけの照明にメインキャストのアッブ、歩く姿に長く伸びる影など、劇画タッチの撮影を試しました。

 

結果的に前述のとおりの映像の連続の仕上がりとなりました。

この映像の美しさが、視聴者を掴む事になりました。

 

もし東映だったなら、いかにも時代劇といった映像になっていた筈です。

 

金が無いので知恵で勝負した松竹に軍配、といったところ。

テレビ映画用の16ミリフィルムで35ミリ並の美しさを構築した松竹。

現在はハイビジョンになりましたが、筆者は影と光のフィルム時代の必殺が一番です。必殺余話、今回はこのへんで。