『アラン使道伝』その2~‘鬼神 귀신 クィシン’④~ | ruriのブログ 韓国ドラマ独り言(혼잣말)

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韓国のドラマが好きで、俳優のイ・ジュンギ氏のファンです。韓国ドラマについて感じた事などを中心に独り言を書きます。ネタバレもあります。

八卦


 韓国の国旗で大極とともに描かれている四つの図は易の八卦で、『易』は本来陰陽の原理に基づく占いの書でしたが、孔子と関わりをもつとされ、儒教の経典とされました。

長い一本の線を「陽爻 ようこう」、短い二本の線を「陰爻 いんこう」と呼び、これを3つずつ組み合わせたものが、乾(けん)・兌(だ)・離(り)・震(しん)・巽(そん)・坎(かん)・艮(ごん)・坤(こん)の八卦になります。


八卦は自然では天・地 雷・風・水・火・山・沢、方角では西北・西南・東・東南・北南・東北・西、属性は健・順・動・入・陥・麗(つく)・止・説(よろこぶ)、動物では馬・牛・龍・雞(けい)・豕(ぶた)・雉(きじ)・狗(いぬ)・羊、身体では首・腹・足・股・耳・目・手・口、家族では父・母・長男・長女・中男・中女・少男・少女などを現すとされました。

この八卦を組み合わせて六十四卦ができます。

八卦は易者の「当たるも当たらぬも八卦」という八卦ですが、「卦」という字に「け」では無く「か」とふりをふっている本もあります。

「乾坤一擲(けんこんいってき)の大勝負(運命をかけてする勝負」という時の乾坤という言葉はここから来ています。

参考文献1・2・3・4・5)


韓国の国旗で四隅に描かれている卦は左上が乾、右下が坤、左下が離、右上が坎で、各々天、地、火、水を現すということです。

参考文献6)



『アラン使道伝』のオープニングにも八卦図が出ています。また、ウノの後ろに2枚の旗がひるがえっています。

手前の旗の図形は、中央が対極、その外側に八卦、一番外側には白○を線で直線状、ジグザグにつないだ図形が配され、奥の旗の中央は見えませんが八卦の図が見えるその外側に白○、およびそれを線で長方形につないだ図形が配されています。2枚の旗の一番外側の図形は、洛書のように思えます。


洛書とは、1から9までの数字を配した図形で、縦・斜め・横のいずれの数を足しても15になるという魔方陣の一種である。

伝説では夏王朝の禹(う)王が大洪水を治めた時に、洛という川から背中にこの模様を書いた亀が現れ、それが中国の政治の規範になったということだが、素性ははっきりしない。

こうした魔方陣の同じものをいくつも並べてつなぐと唐草文様が出来、アラビア数学がそれをヨーロッパに持ち込んだことからそれをアラベスクと呼んでいる。

参考文献7)


洛書は奇数(陽の数)を白○、偶数(陰の数)を黒●で表しますが、旗の図形は全て白○である点が違っています。また、手前の旗は○の数の多いものはジグザグにつながれていますが、「洛書 図形」でネット検索して出て来る図には、ジグザグにつないだものは見当たりません。

また、洛書は通常1の○を上か下に向けて描くようで、後ろの旗のように1の白を右に配置するものも見当たりません。

洛書をアレンジしたオリジナルの図形なのかもしれません。


参考文献

1坂出祥伸1994 『「道教」の大事典―道教の世界を読む』 新人物往来社、

2高田 淳1988 『易のはなし』 岩波新書

Books Esoterica 4 『道教の本』 1992  学研

Books Esoterica 6 『陰陽道の本』1993 学研

Books Esoterica 26『儒教の本』2001 学研

6 『世界がわかる国旗の本』 2003 学研

7『日本を知る事典』 1971 社会思想社



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八卦



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洛書