『アラン使道伝』その2~‘鬼神 귀신 クィシン’⑤~ | ruriのブログ 韓国ドラマ独り言(혼잣말)

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韓国のドラマが好きで、俳優のイ・ジュンギ氏のファンです。韓国ドラマについて感じた事などを中心に独り言を書きます。ネタバレもあります。

日本における陰陽五行説



陰陽五行説は弥生時代には日本に伝わっており、銅鐸(どうたく)や方形周溝墓(ほうけいしゅうこうぼ)という墳墓に陰陽道の影響があるのではないかと考える学者がおり、また、遅くとも古墳時代には確実に伝わっていたようで、邪馬台国の卑弥呼が司った「鬼道 きどう」が、中国の道教ではないかと考える学者が多くいるようです。


『日本書紀』継体7年(513年)に百済から五経博士が奉られたという記事があり、儒教の聖典五経は『易経』・『詩経』・『書経』・『春秋』・『礼記』で『易経』が含まれていることから、この頃陰陽道が広まったのではないかという研究者がいます。

同じく『日本書紀』の欽明天皇の14年(553年)の百済からの援軍要請に関する記事には、百済から医(くすし)博士・易(やく)博士・暦(こよみ)博士など陰陽道の専門家が当番制で日本に滞在しており、また、占いや暦に関する書物を要求したという記述があります。

以後も古代の天皇達は陰陽道を熱心に取り入れ、天武天皇はとりわけ熱心で、「陰陽寮」を設置し、国家の官僚組織に組み込みました。平安時代には怨霊やもののけにおびえる貴族のニーズにこたえて陰陽道が隆盛します。

その後、密教などの仏教と習合し、神道や修験道にも取り込まれ、現在まで命脈を保って来ました。

『古事記』・『日本書紀』などの神話や昔話などにも陰陽五行説の影響が見られます。

桃太郎の話は陰陽五行説の要素のだらけだという研究者もいます。(参考文献 吉野裕子 2007 『吉野裕子全集』5 人文書院)


現代の日本人はほとんど陰陽道を意識していませんが、年中行事や通過儀礼などに陰陽道の影響が多く見られ、枚挙にいとまがありませんが、主なものに節分・ひな祭り・七夕・土用・重陽(ちょうよう)・七五三・大祓(おおはらえ)などがあります。


青・赤・黄・白・黒の五色も信仰や年中行事に関わるものを中心に多く使われ、主なものに相撲の土俵、鯉のぼりの吹き流し、歌にもある七夕の五色の短冊などもあります・




余談



平安時代特に活躍した陰陽師は2000年前後にブームになりました。

私も夢枕漠さんの小説『陰陽師』(文藝春秋社)やそれを漫画化した岡野玲子さんの『陰陽師』(白泉社)、そのオリジナル続編『陰陽師玉手匣 おんみょうじたまてばこ』(白泉社)が好きです。

『陰陽師』は映画やドラマにもなっていますが、映画は特殊メイクやCGなどに不満があります。

映画の主演の野村萬斎さんは好みの顔立ちですが、イ・ジュンギさんならもっと良いななどと思いながら観てしまいます。

ドラマの方は主演の稲垣五郎さんが私のイメージで無かったことしか記憶にないです。

岩崎陽子さんの漫画『王都妖奇譚 おうとあやかしきたん』(プリンセスコミック 秋田書店)も好きで、これもドラマ化されましたが、私のイメージとは違っていたという記憶しかありません。


陰陽五行に関連した漫画にもう一つ永久保貴一氏の『若狭鬼神戦記 倶利伽羅もんもん』(ミステリーボニータ 秋田書店)という作品があります(マイナーな作品ですが)。

永久保貴一氏はホラー作家でグロイ描写もありますが、歴史や民俗に非常に詳しく勉強になります。

『若狭鬼神戦記 倶利伽羅もんもん』は現代によみがえったツヌガアラシト(都怒我阿羅斯等 文明が進み過ぎるとリセットする神)が、原子力を使う人類を危険な存在と判断し滅ぼそうとするのに対し、アメノヒボコ(天日槍 天之日矛)の子孫の女子高生が人類を守るため五行の龍と共に戦うという話です。ツヌガアラシトとその配下の頭には角が生えています。

私はこの漫画で「乾(けん)・兌(だ)・離(り)・震(しん)・巽(そん)・坎(かん)・艮(ごん)・坤(こん)」を覚えました。


アメノヒボコ(天日槍 天之日矛)は『古事記』・『日本書紀』・『播磨国風土記』に、ツヌガアラシト(都怒我阿羅斯等)は『日本書紀』に新羅から渡来したという記載があります。

『日本書紀』ではツヌガアラシトは額に角のある人と書かれており、この神話の解釈はさまざまでさが、一説に新羅から渡来した貴人(地方の小国の王子?シャーマン?)が角のような飾りの付いた冠を被っているのを見た倭人(日本人)が「つのがあるひと」と呼び、それが「ツヌガアラシト」になったというものがあります。

新羅の冠に関しては、角が狩猟民族の名残であるとか、樹木崇拝から木をかたどったとか色々な説があり興味深いです。