驚くべき?タガログ語と日本語の共通性 | MATTのブログ ~ 政治・経済・国際ニュース評論、古代史、言語史など ~

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元新聞記者。 アメリカと日本を中心にニュース分析などを執筆します。

 

 

きょうは昨日に引き続き、インドネシアの隣のフィリピンで使用されているタガログ語と日本語の共通性について書きます。タガログ語もやはりオーストロネシア語系なので、日本語との共通性が少なくないのです。タガログ語はフィリピンで、約1,700万人が第一言語として使用しています。

 

タガログ語の「アワ」は哀れ、慈悲の意味。「カワワ」が「かわいそう」、「スカ」が酢、「イノム」が「飲む」、「フカイ」が「(深く)掘った穴」、「クスコス」が「こする」、「ガスガス」が「(ガサガサと)ひっかく」、「ナク」が悪い知らせを受けた時の感嘆詞。「ハバ」が幅、高さ、広さのことで、「マタ」が「まなこ」「目」です。

 

タガログ語で「ゲレン」は、「ばか」と人を罵るときの言葉なのですが、沖縄の言葉でも「ゲレン」は「ばか」を意味しています。ついでに日本語(やまと言葉)にも「ケレン」という言葉があり、これはど派手な演出で観客の度肝を抜く歌舞伎役者を指して使うものです。さらに日本語には「ケレン味」という言葉があり、これは「はったりやごまかしを効かせたさま」という意味で、当然、歌舞伎の「ケレン」とは同じものです。たとえばある映画を「けれん味のない作品だ」と言う場合、「正統派の落ち着いた作品だ」といって誉めていることになります。

 

「キモナ」が女性の緩い上衣(着物)、「モチ」が緑小豆のあんが入った生菓子、「カバン」が「かばん」ですが、これらはひょっとすると、もともとのタガログ語ではなく、安土桃山時代の交易を通じて、もしくは太平洋戦争時の占領中に日本人が教えたものである可能性もあります。

 

一方、タガログ語の母音はア、イ、ウ、エ、オの5つだけで、子音は日本語にRとLの区別を加えた程度ですから、日本人にとって発音は大変容易です。

 

しかし、タガログ語は、サンスクリット語(インド北部)やスペイン語、英語からも多くの影響を受けているため、日本語とは似ても似つかない単語も多いようです。古代に使われたタガログ語の文字は、サンスクリット語に近いものだったようです。

 

タガログ語は、インドネシア語やマレー語とは当然よく似ているのですが、それよりも台湾の高山地帯に住む先住民(高砂族)や台湾南東沖の蘭嶼の先住民が話すタオ語がきわめて類似しているということです。