大剛鉄之助とデビル紫 | ミスター・プロレス・アワー

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元プロレスラーの大剛鉄之助氏死去 大相撲から転向

 

昨日の新日本大阪大会の中継でも触れてましたね。

 
東京プロレス、国際プロレスでレスラー、ブッカーを務め、国際崩壊後は新日本のブッカー、海外修行中の新日本の若手レスラーの指南役として活躍しました。
 
現役だと、天山、小島、真壁などが大剛さんの特訓を経験してます。
 
特に天山は、大剛さんの存在があってこそトップレスラーになったと言っても過言ではありません。
 
最初の海外修行でも世話になったし、壁にぶち当たった2003年、大剛さんの元に飛び再特訓。
肉体改造を施し、アナコンダ・バイス、変形バックドロップ(大剛式バックドロップ)といった新技を持ち帰り、G1クライマックスに初優勝しました。
 
私はG1の中で、天山が優勝した2003年大会がベストだと思っています。
大量離脱などのお家騒動、、他の格闘技の人気に押されたりして迷走気味になっていた当時の新日本で、覚醒した天山のG1優勝というのはこれ以上ない朗報でした。
 
そんなこともあって、天山は「大剛さんは恩人」と言ってますよね。
 
大剛さん、現役時代カルガリーに向かう途中、交通事故に遭い、足を切断する大けがを負い引退しブッカーに転身したのは有名な話です。
 
 
その交通事故で、車に同乗していたのがデビル紫。
大剛さんと同じく国際プロレス所属です。
 
ストロング小林が短期間「覆面太郎」に変身したことはありましたが、紫さんは日本マットに上がった日本人レスラー初のレギュラーとしてのマスクマンなんですよね。
 
長くプロレス・マスコミは、マスクマン「デビル紫」の誕生は、大剛さんと遭った交通事故が原因だったと伝えてきました。
 
大剛さんと紫さんが乗った車が、路面状態が悪く立ち往生。
けん引していたトレーラーを外す作業を大剛さんが車外で行っていたときに、後続車が衝突。
大剛さんは足を切断する大けがを負いました。
 
紫さんは当時素顔でファイトしていましたが、
「大剛さんが引退するほどの大けがを負ったのに、素顔のままでは申し訳なくて帰国できない。素顔のレスラー村崎昭男は死んだ。マスクマンのデビル紫に生まれ変わって帰国することを決意した」
と、長くプロレス・マスコミは伝えてきました。
 
しかし、数年前の紫さんのインタビューで、このエピソードは事実ではないと明かしていました。
「マスクマンになったのと、事故は無関係だよ」
むしろクセが強い性格の大剛さんは苦手な先輩だったそうで、入院中ナーバスになる大剛さんに付き添っているのが大変だったとか。
 
えっ? そうなの?と思いました。
仲間のレスラーが大けがで引退したから、マスクマンに変身というエピソード、昔気質レスラーらしいもので格好良いと思ってました。
しかも、「デビル」すなわち「悪魔」ですからね。悲哀が込められているように感じますもん。
 
フィクションであったわけですが、素晴らしいフィクションだなと改めて思いましたよ。
 
デビル紫さん、国際崩壊後現役を引退し、警備会社に就職し定年まで勤めあげました。
重要な日本銀行への現金輸送を任されていたそうで。
 
そのデビル紫さん、
大剛さんが亡くなる約一週間前にお亡くなりになったそうで。
 
 
あの交通事故に遭った二人の訃報に接するとは。しかも、ほぼ同時期に…。
 
 
私は国際プロレスは末期にちょっと見た程度なんですけど、インパクトのある「伝説の団体」と思っております。
その国際プロレスを知るレスラーが二人、天国に旅立っていきました。
 
大剛鉄之助さんとデビル紫さんのご冥福をお祈り申し上げます。