ここ最近仕事が遅くまで、休みもまばらでクタクタです。
でも、見たい映画がここ最近連続で公開されたのでレイトショーなどで観に行っております。
まず、最初は「ドリーム」。
これはずっと見たかったんです。
TBSラジオ「たまむすび」の町山さんのコーナーいつも聴いているんですが、日本公開が決まっていないときに紹介されて、町山さんの話聞いてすごい見たかったんです。
1960年代、まだ人種差別が激しい時代、NASAに勤める計算係の黒人女性三人が差別や偏見と戦いながら「マーキュリー計画」の成功に貢献した物語です。
「差別と偏見と戦う」と書くと、何かすごく堅苦しい感じがするけど、そう感じさせない良い演出。
自然と登場人物に感情移入できるようにしてるのが良いです。
トイレのシーンなんか、ある意味コミカルに描いていたりするんだけど、見ているうちに「これはつらいよな~」とシンパシー感じるんです。
三人のうちの一人の旦那さんがキング牧師の公民権運動に傾倒、黒人差別に対して異を唱えているのに、自分の妻がエンジニアとしてバリバリ働くことをあまり快く思っていなかったりするんです。
人種だけでなく、女性に対しての差別も受けるし、旦那さんからも理解を得られない……これは切なくなりました。
溜飲を下げるようなシーンもあるし、ストーリーの締めくくりもスカッとするし感動的です。
「差別や偏見を受けてたって、能力さえあれば大丈夫なんだ!」
とだけ思ったらそれまでだと思うんです。
本当は、能力あるなし関係なく、人様の人種とか出自で差別や偏見の対象にすること自体愚かなんですよね。
彼女たち三人は、科学史に残る偉業に貢献したことで差別や偏見の不条理さを証明してみせた。
でもその裏には、それだけしないと不条理であるということを証明できない悲哀があるというわけですから。
驚くことに、彼女たち三人の偉業がアメリカの多くの人たちに知られるようになったのは、わりと最近の話なんだそうで。
「ドリーム」、私は最近見た中でベストです。
お子さんがいらっしゃる方は、お子さんとご覧になるのも良いかも。
続いて、
「アウトレイジ最終章」。
これはお子さんと一緒にご覧になるのはNG(笑)
元々レイティングでダメか(笑)
「アウトレイジ」シリーズ好きなんですよ~。
私は、「仁義なき戦い」シリーズはじめ東映実録路線の大ファンです。
アウトロー映画となると、どうしても東映実録路線と比較してしまうんですよね。
「アウトレイジ」の一作目見たときは、最初「なんだこれ?」でした。
自分の感覚のアウトロー映画と比較して違和感を感じてしまったわけです。
でも、北野監督の映画って、私はですが、一回見ただけではすぐに良さがわからず、何度か見ていくうちに気づく点が出てきてハマっちゃうんです。
「アウトレイジ」シリーズもそういう類です。
素晴らしいのがキャスティング。
豪華というだけでなく、アウトローやらなそうな人を徹底的なアウトローに仕立てるでしょ。
これが素晴らしい。
大島渚監督が、「映画の良し悪しはキャスティングで半分決まるんだ」と言っていました。
北野監督自身も出演した「戦場のメリークリスマス」なんか、大島作品のキャスティングの妙技の最たる例ですよね。
デヴィッド・ボウイ、坂本龍一、ビートたけし。
「この3人が出てどんなことやるんだよ!」と思わせた時点でもう勝ちって感じ。
「アウトレイジ」はそういう大島監督の妙技を北野監督なりに体現してますね。
俳優陣もそうだけど、チャン会長の金田時男さんなんか最高でしたよ!
北野監督の昔からの知人の一般の方だそうですが、圧倒的存在感。
2作目ビヨンドに続いての出演、本当最高でした。
「アウトレイジ」シリーズは、2作目まである意味北野作品らしくない部分がありました。
私の印象ですが、北野監督の作品って、抽象的かつ絵画的なんですよね。
表現が正しいかわかりませんが、目を覆うようなバイオレンスシーンも含めてエンターテインメント性を前面に出していたなと。
それまでの北野映画のバイオレンスシーンとは若干毛色が違いました。
3作目の「最終章」は、前2作より北野作品っぽさがあったように感じます。
「ソナチネ」との共通点を指摘する人も多いです。
情景の見せ方、登場自分物同士のやり取りとか、かつての北野作品ぽさがふんだんにあったなと感じました。
あと、北野監督はやっぱり漫才師、お笑いの王者だなと作品を見ていて痛切に感じます。
間の取り方なんかそうだし、ナンセンスと不条理、笑いと狂気、悲劇は表裏一体であると言いたげな表現なんか特にそう。
「アウトレイジ最終章」、実は自分の中でどう捉えて良いかまだわかっていない部分あります。
また観に行きたいなと思っております。
続いて、
「バリー・シール アメリカをはめた男」。
面白かったです!
バカ映画ですね~。
正確にはおバカさんの映画か。
CIAに利用され、欲出して麻薬組織メディシン・カルテルにも利用され。
サブタイトルの「アメリカをはめた男」は間違ってますよね。
「はめられた」のが正しいと思う。
主人公のバリーには特に信条がない、空っぽ。
それをテンポよく描き、主演のトム・クルーズがアンポンタンな主人公、痛快に演じてます。
私、この映画見て、一本の映画を思い出しました。
マーティン・スコセッシ監督の「グッドフェローズ」。
この作品のレイ・リオッタ演じる主人公も、これまたおバカさんで信条が特になく空っぽ(笑)
まわりに流されて、利用されて、欲出したら詰んでしまって、痛い目に遭う、バリーとそっくりです。
かつて自分世話してくれた人たちを裏切っちゃうあたりも同じ。結局自分もボロボロになるとこも。
バリー・シール、凄腕のパイロット。
主演のトム。・クルーズの代表作の一つが「トップガン」、凄腕の海軍パイロットを演じてました。
この作品で、「トップガン」のオマージュか?ってシーンありました。
「トップガン」の冒頭で、同僚のクーガーがミグとの空中戦でパニック状態に。
トム・クルーズ演じるマーベリックが無茶な方法で救出、ってシーンがありましたが、そのオマージュというかパロディ?と思わせるようなシーンあって、ちょっと笑ってしまいました。
そういや、「トップガン」も30数年を超えて続編が作られるんでしたっけ?
こっちも見たいな~。
次は「ブレードランナー2049」観に行こうかな。
35年ぶりの続編!
「ブレードランナー」大好きなんですよ~。
ではでは。