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buspirone 大量服用中に意識変容状態を呈した全般型社会不安障害の一例*


【抄録】
 本邦では未発売になっているbuspirone を個人輸入し、buspirone の代謝を阻害する物質であるグレープフルーツ・ジュースなどとともにbuspirone 一日100~400mgの大量服用を続け、その服用中、意識変容状態の夢幻状態(dreamy state)からもうろう状態(twilight state)を頻発した症例を経験した。
 症例は高校3年時に社会不安障害を発症。罹患歴は21年に及ぶ。抗うつ薬をインターネットより購入し、日本で認可されていないものも含め多種類試したがほとんど効果はなかった。そしてbuspirone を服用中であった。

【key words】buspirone、confusional state、dreamy state、
twilight state、generalized social phobia

【はじめに】
 全般型社会不安障害、それは孤独との闘いである。社会生活を全うに送ることは重症の全般型社会不安障害では容易ではない。また、paroxetineなどSSRIs が奏功することが多い故に、セロトニン系の関与する疾患と考えられている37,43,46) 。        
 fluvoxamine、moclobemide、milnacipran、paroxetine、fluoxetine、sertraline がほとんど効果が無く、buspirone を服用中、意識変容状態を呈した症例を経験した。
 buspirone は1986年にアメリカのFDAから全般性不安障害に対する治療薬として認定を受けた。buspirone は抗不安薬に分類されるがベンゾジアゼピン系薬物などの抗不安薬と作用メカニズム、構造式は全く異なり、セロトニン5-HT1AレセプターおよびドーパミンD2レセプターと結合し作用を発揮することから部分的5-HT1Aアゴニストに分類されている28)。精神緊張を和らげ不安を昇華させる効果が有る。副作用も少ない。しかし次第に、うつ病性障害3)など他の疾患にも効果が有ることが解ってきた。パニック障害3,9)、強迫性障害3)、社会不安障害3,4)、心的外傷後ストレス障害9)、性的偏奇10)、身体醜形障害3,36)、注意欠陥多動障害9)、行動傷害3)、小脳性運動失調2,11,16,47)、筋緊張性頭痛32)にも効果が有り、喫煙願望抑制効果3)も有ることが解ってきた。
 buspirone はその効果が現れるまで少なくとも1週間を要するとされ、その充分な効果が現れるまでは少なくとも3週間を要するとされる。ベンゾジアゼピン系薬物と異なり依存性が生じることは無いため、欧米では広く使用されている40)。
 buspirone の副作用として、目眩、眠気、頭痛、倦怠感、頭部光気感、倦怠感、吐気、神経過敏、不眠、嘔吐などは頻繁に起こる副作用とされているが、昏迷状態、精神病様状態に陥ることは極めて稀とされている。また、意識変容状態の夢幻状態およびもうろう状態に陥った記載は見当たらない。
 
【症例】
<症例>39歳、男性。
主訴:対人緊張
診断:社会不安障害(全般型、重症)
家族歴:2人兄弟の第2子。精神科的遺伝負因なし
血液生化学的所見:特記すべき所見なし
神経学的所見:特記すべき所見なし
頭部CT:大脳の軽度の萎縮が認められる
脳波:特記すべき所見なし
アルコール歴:父と祖父は一日6合ほど飲酒する酒豪であったが肝機能異常などを来したことは一度もない。症例も23歳の頃、一年間近く毎日5合ほど飲酒していた時期があるが肝機能異常などを来したことは一度もない。症例のその飲酒は小説を書くために試験的に行っていたと言う。ここ10年以上はほとんど機会飲酒。
性格:母親の家系譲りの努力家的性質が強い。他に、優しい、凝り性、真面目、内気、熱情家、飽き性。真面目さが目立ち、性格の障害は全く感じられない。
生育歴:特記すべきものなし
既往歴:幼少時より吃音あり。小学校低学年のとき、夕方になると頭がぼんやりし現実感が低下するというエピソードにしばしば襲われていた。また、同じく小学校低学年のとき、夜、食事中、ぼんやりとなり、箸を握ったまま動きが停止するというエピソードにしばしば襲われていたが、両親はこれがてんかん発作の一種とは考えず、悪い癖とのみ捉えており、叱咤するのみであった。病院受診は行われなかった。
 中学時代より痙攣性発声障害(疑)に罹患。様々な医院を受診するも喉頭炎とのみ診断された。
 大学時代、自転車競技中に接触転倒し、頭蓋骨骨折・5日間の外傷後健忘を起こす。このとき自転車競技用のヘルメットを被っており頭部に外傷は無し。極めて強い打撲のみであった。これ以来、記銘力障害に悩むようになる。
 22歳時、精神科初診後、症例は脳波検査を10回ほど受けているが、ベンゾジアゼピン系薬物服用に依る速波が認められるのみで、その他に異常なところは発見されず、正常と診断されてきた。
 32歳時、昼食中、おかずが入った入れ物を斜め上に捧げ、10分間ほどそのままの状態を保つというエピソードがある。それは風邪を引いており、風邪薬を極めて多量に服用して出社したときであった。「自分は薬に強いので有るだけ飲んだ」「前夜は眠れなかった」と言う。10分後には全く何もなかったように食事を再開した。本人はこのエピソード関してに全く記憶が無く、上司より神経科受診を勧められて始めてこのようなエピソードが起こったということを知った。上司よりそう告げられても信じ難く、他の目撃者数名より、そのようなことが実際にあった、と告げられ、始めて納得がゆく。翌日、神経科を受診。知能検査、記銘力検査、脳波検査などが行われた。学生時代の5日間の外傷後健忘を来した頭部打撲に依ると推定される強い記銘力障害と脳波にベンゾジアゼピン系薬物服用に依る速波が認められたが、他に異常は認められなかった。                                                                                                                                                                                                                                                                  
現病歴:高校3年時、大学入試2次試験直前、社会不安障害(全般型)を発症。大学へは二次試験のとき強く緊張し合格確実であったものの現役時、不合格。結局、一浪して大学のランクを下げ、他の大学に入学。しかし浪人時代より競輪選手になる夢を持っており、浪人時代より毎日5時間前後の自転車競技の鍛錬を行う。競輪選手になることは親が許さず、大学入学とともに自転車競技部に入部。世界選手権にも出場する。しかし、症例は大学時代の自転車競技中の転倒事故のこと、および、その事故のことを親が心配することもあり、大学の自転車競技部の退部とともに自転車競技を行わなくなる。大学卒業後、社会人になってからは小説書き、健康法・精神医学の研究と仕事に没頭するようになる。
 症例は自転車競技に没頭していたためか社会不安障害という疾患に罹患していることに気付かず。22歳時、自転車競技部の退部と時を同じくして、吃音を苦にして大学病院の耳鼻科、神経内科を受診するが結局、精神科受診を勧められ精神科受診。このとき初めて社会不安障害(全般型)という疾患に罹患していることを知る。このときよりbromazepam、cloxazolam などのベンゾジアゼピン系抗不安薬を継続服用。これらベンゾジアゼピン系抗不安薬は、吃音には劇的に奏功したが、社会不安障害に対する効果は不充分であり、症例は社会不安障害に最も悩み苦しむようになる。
 社会不安障害に悩み苦しみながらも熱心に宗教を行い、宗教を心の支えにして生きる。
 星状神経節ブロック療法、気功法、ヨガ、絶食療法、玄米自然食、整体、鍼、森田療法18,19)、歯の噛み合わせで病気を治す治療法であるテンプレート療法など、数多くの治療法を受け、また実践してきた。唯一、効果を強く実感できたのは星状神経節ブロック療法であった。星状神経節ブロックを13回施行したが、仕事が多忙となり、星状神経節ブロック療法に通うことが出来なくなる。星状神経節ブロック療法中止後、寛解に近いほど軽症化していた社会不安障害は星状神経節ブロック療法施行前と同じ程度に重症化する。また、夜の当直を始め、以前、星状神経節ブロック療法を行っていた医院に通う時間的余裕が出来たが、その医院は医師が代わり、星状神経節ブロック療法を行わなくなっていた。症例の住んでいるところは田舎であり、他に星状神経節ブロック療法を行う医院は無かった。
 5年半前、頭部CTを希望して本院初診。それ以来、筆者が主治医となり、ベンゾジアゼピン系薬物(flunitrazepam、bromazepam、etizolam、flutoprazepam、clonazepam など)の処方を行う。この頃、すでに症例は催眠鎮静薬として処方されていた flunitrazepam を昼間服用し、それが対人緊張に劇的に効くことを知っており、不眠が存在しないにも拘わらず強い不眠が存在すると訴え flunitrazepam の最高量投与を初診時より要求した。また、調節しやすいようにと1mg錠を要求した。初診時の投薬内容は、flunitrazepam 1mg 錠を4錠/日、bromazepam 5mg 錠を4錠/日、etizolam 0.5mg 錠を6錠/日、flutoprazepam 2mg 錠を2錠/日、omeprazole 20mg 錠を1錠/日。
 症例はベンゾジアゼピン系薬物、社会不安障害、精神医学、医学に関し非常に良く勉強しており、すでに初診時より耐性の問題を考え、これらベンゾジアゼピン系薬物を対人緊張で困るときの前のみに口腔内溶解して服用していた。また、対人緊張で困ることが無い休日は服用しないようにしていた。処方分の半量ほどのみ服用するだけであったが、手持ちが少なくなると不安になることから、このように比較的多量処方を要求していた。
 fluvoxamine 発売と同時に fluvoxamine の投薬を強く希望し開始する。fluvoxamine 一日150mg の服用にて強い倦怠感を自覚する。その倦怠感は仕事にも支障を来すほどであったが、症例は社会不安障害を治したい一心で隠し続け、効果をほとんど自覚しないにも拘わらず投与を強く希望し続ける。
 症例は昼間に fluvoxamine を服用すると倦怠感に襲われ、仕事を行うことが極めて困難になる故、就寝1時間前に一日量150mgを服用する。また症例には fluvoxamine の一日量150mg が服用できる最大量であった。一日量150mg を超えると症例は朝、倦怠感のため起床できず、起床しても昼間の仕事中の倦怠感に耐えることができなかった。頑健な身体をした症例は fluvoxamine に敏感であった。しかし、症例は社会不安障害を治したい一心で筆者にはそれを隠し、効果をほとんど自覚しないにも拘わらず効果が有ると主張し、 fluvoxamine 投与を強く希望し続ける。社会不安障害にはSSRIs の投与により効果が認められたならばそのSSRIs の1年以上の継続服用が推奨されている4)。
 このとき症例の幼い頃からの悩みの一つであった重症の吃音は fluvoxamine の服薬を続ける途上で寛解に近いほど劇的に軽症化した。症例は、しかし、その�d度の吃音より遙かに社会不安障害に苦しみ悩んでいた。『社会不安障害に比べると吃音なんか何でもない』と症例は主張していた。極めて悩んでいた社会不安障害には全く無効であり、15ヶ月後、milnacipran の発売と同時にmilnacipran に変薬する。
 milnacipran の投与を開始。milnacipran も fluvoxamine と同じく激しい倦怠感を感じる。しかし、症例はその激しい倦怠感を隠し続け、服用し続けた。milnacipran の服用は paroxetine 発売まで続く。
 paroxetine の発売と同時に paroxetine の投与を開始。服用1日目は劇的に効果を自覚。しかし、2日目、3日目と急激に効果が弱くなるのを自覚。そして4週間に亘る服用で「効かない」と服用を症例自身より中止する。
 症例自身、社会不安障害に強い効果が有るとインターネットより情報入手した moclobemide を個人輸入し、社会不安障害を治したい一心で一日量600mgを11ヶ月間に亘り服用する。しかし無効であった。また fluoxetine、sertraline をも個人輸入し服用したが無効であった。          
 症例はインターネットより buspirone が社会不安障害に効果が有るという情報を得る。buspirone を個人輸入し、一日最高摂取量60mg とされているところを、一日100~400mg 、しかもbuspirone の代謝を阻害する物質とともに服用することを開始する。これはbuspirone が今まで服用してきた抗うつ薬と異なり、症例に対して副作用が極めて少なかったこと、大量に服薬すると早く社会不安障害が寛解するのではないかと考えての行動であった。
 眠前および休日にbuspirone (100~400mg)をbuspirone の代謝を阻害するグレープフルーツ・ジュース、エリスロマイシン、そしてNefazodone とともに服用することを開始する。
 日中の仕事中、buspirone の30mg 前後をbuspirone の代謝を阻害するエリスロマイシンとともに服用する。しかし日中の服用は眠気や倦怠感を来すため5回ほどで少なくとも勤務中は中止することを決意する。しかし、その後も時おり、早く社会不安障害を治したい一心で、勤務中の昼間にbuspirone を少量ながら服用することを行う。     
 服用開始5日目、日中にエリスロマイシンとともに buspirone を60mg 服用したとき、強い倦怠感を覚え、会社のベットに2時間就寝していたことがある。しかし、2時間ほどの就寝でほとんど倦怠感は消失した。この日、ほぼ毎日の仕事が終わってからのジョギングも平常どおり行うことができた。
 服用開始12日目、この日は休日であった。早朝に buspirone 100mgの摂取をグレープフルーツ・ジュース、エリスロマイシン、少量の Nefazodone とともに行ったとき、傾眠がちとなり昼まで傾眠が続いたことがある。
 服用開始19日目、この日も休日であった。午後1時、 buspirone 100mgの摂取をグレープフルーツ・ジュース、エリスロマイシン、少量の Nefazodone とともに行ったとき午後は傾眠がちとなり、また夜のジョギングが倦怠感のためできなかったことを経験する。
 これらの経験は全てbuspirone を服用開始した頃のことであり、以後、これらのこともありbuspirone の摂取は会社での勤務の日が昼間のときは夜以外は行わなくなる。しかし、休日の日および夜からの勤務の日は昼間にも行い続けた。
 また、当時、離婚問題に悩み、重度の不眠性障害を発症していたが、buspirone の眠前大量服用故と思われるが、不眠性障害は寛解する。
 服用開始29日目、社員採用の面接を代わりに行ってくれるよう上司より頼まれる。このとき若い女性を6人ほど面接したが、履歴書の文字が浮き上がって見え、困惑する。     
 このときより書類の文字が浮き上がって見える幻視が時おり発生するようになる。これは全て夕刻に起こる。症例はこれを「発作」と呼んだ。
「発作」が起こり、自らの異常性に気付いたとき、症例は会社の人に気付かれるのを怖れ、『具合が悪い』と言い、すぐに会社のベットで睡眠を取った。睡眠を取ると回復していた。「発作」を怖れ buspirone の服用を休日の日と夜の当直の日を除いては夜間のみに限定した服用30日後からは、勤務中にはほとんど起こらなくなる。
 buspirone 服用開始2ヶ月後、夜の当直の時、朝より具合が悪く、会社に到着するなり医務室にて、自ら希望して血液検査のための採血を行った。肝機能、白血球、LDH、CPKのみ測定された。肝機能、白血球は正常範囲内であったが、LDHが220(基準値 112~213)、CPKが358(基準値 57~284)と僅かながら正常値を越えていた。
 服用開始2ヶ月半後、会社の近くに位置する家具店の駐車場に停めてあった同じ会社の先輩の車と接触するエピソードを起こす。何故、家具店に入ったのかは症例も全く見当が付かないと言う。このとき、症例の意識は不鮮明であった。駐車中の車と接触したこと、出てきた人が会社の上司であったこと、しばらくして会社の同僚が集まってきたこと、そして会社の同僚が会社まで連れて行ったことは途切れ途切れながら記憶している。これは夕刻に起こった。この日は夜の当直の日であり、朝からマンション探しなどに没頭しており疲労が重なっていた。(この日、午前の記憶は有るが、午後からの記憶が欠如している。また、この頃、夜の当直の日に於いては、昼食代わりに大量の buspirone と大量のグレープフルーツ・ジュースの飲用を行うことが頻繁にあった。)この夜、会社のベットで起床したとき、この会社の建物は実際は2年前に新しく場所を変えて建設されたものであるが、建物がテレビか本で見たことのある物語の中の極めて古い煉瓦造りの建物で、煉瓦と煉瓦の間から接着剤が多数垂れており、幽霊が出るような建物に見えたという鮮明な記憶がある。
 この夜、『自分は何故ここに居るんだ!自分は誰なんだ!』と何度も叫んだ。しかし、症例は中学時代より痙攣性発声障害(疑)に罹患しており、また、山奥の建物の真夜中の出来事であり、誰にも聞こえなかった。
 この夜、午前0時頃、空腹に我慢できなくなったとき、車の停めてある場所に行くと、車の停めてあった場所は普段停める通常の場所であり、その中から午前中に妻とともに買ったグレープフルーツ・ジュースの新しい洒落た包装のものが1本だけ後部座席に載っているのを発見し、いつもは2本残すのが常であったが、何故か1本だけしか載ってないのか不思議であったという記憶がある。5本買ったはずの新しい洒落た包装のグレープフルーツ・ジュースであった。その1本を持ち出し、buspirone 数錠とともに空腹を癒した。
 1ヶ月以上経ち、前部座席の下にもう1本グレープフルーツ・ジュースが転がっているのを発見した。それ故、妻か自分が、2本だけ残し、後の3本はアパートに置いたのだろうと考えた。
 翌日、会社の医務室で採血をされたが、肝機能を始め、異常を呈したものはなかった。
 この「発作」以来、休日でないときは、ほとんど眠前にのみbuspirone を服用するようになる。
 これ以降、「発作」はこの4日後、起こった。この日は休日であった。午後5時頃、マンションのセールスマンがアパートに訪問に来たとき、購入直前になっていたマンションを現在の結婚を反対する親戚によって不可能となったなどとそのセールスマンに様々な困難性を半ば感情的に述べた。しかし症例はこの出来事を僅かしか憶えていない。このときの記憶が僅かしか存在していないことを考えると、軽度の意識混濁が起こっていたと考えられる。また、このとき、保証人の欄に7人の署名捺印が必要であり、その最後の一人の欄に現在の結婚に反対する親戚の署名捺印が成されていたが、その文字と捺印が浮かんで見えた。しかし症例のマンション購入は未だ予定の段階であり、保証人が必要な段階ではなかった。また、保証人が7名も必要であることは考え難い。また、症例は極めて温厚な性格であり、感情的に物事を述べることは通常では考え難い。この日、休日であったため、昼食代わりに、大量のbuspirone と大量のグレープフルーツ・ジュースを同時摂取した可能性が大きいと言う。
 症例は疲労が強いときに「発作」が起こるらしいと推測し、疲労がほとんど存在しないときは夜の当直のときも午後9時頃、大量のグレープフルーツ・ジュースとエリスロマイシン、少量の Nefazodone とともに buspirone を200mg摂取することが頻繁にあった。それらのとき「発作」が起こったことはない。却って不安・焦燥感が劇的なほど消失していた。
 服用3ヶ月目より明らかな左側のみの顔面チックが顕著になった。症例は以前より非常に強いストレスが掛かったとき、左側のみの顔面チックが起こっていたが、今回はストレスがほとんど存在しないときに現れており、buspirone 服用の副作用と思われた7,11)。しかし症例は buspirone の服用量をそのために減ずることはなかった。また、走るとき、軽いパーキンソン失調を自覚したが7)、症例はこのために buspirone の服用量を減ずることは行わなかった。症例はbuspirone についてインターネットで丹念に検索し、日本語での説明文はほとんど発見できなかったため英文でbuspirone の副作用および服用の仕方などを詳しく勉強していた。
 服用4ヶ月目を迎える頃、症例は妻と新聞の広告に掲載されていた中古の一戸建ての住宅を見学に行く。そして何軒かの中古の住宅を見学したが、芳しいものは無かった。その数日後、妻の兄が症例と妻が購入する可能性があるマンションを見学に来る。妻の兄は妻とともにマンションを見学して夕刻に症例のアパートに来る。そして夕食となったが、アルコールに強い症例が極く少量のアルコールで「発作」に陥った。畳が湖水に見え、先日、見学した住宅が所々に浮いており、また知人のアパートも端の方に浮いていた。また、症例が書き溜めた小説を症例は症例の部屋から見つけ出し、義兄に見せた。このとき小説の文字が浮いて見えたことを症例は鮮明に記憶している。この夕食のときの記憶は夢のようではあるが明確に症例に有る。
 また、この頃、妻とマンションを見学に行った帰り、夕暮れから夜に差し掛かろうとしていたとき、マンションの見学に疲れたのか、車を運転しながら最軽度の意識混濁を起こし、複雑な慣れない道でもあり、何回も迷いながら国道に出ることが出来た、しかも国道に出てからも妻に「頭が少しおかしい。眩しい。」と言い続けたエピソードがある。
 服用4ヶ月目より「発作」は1日の時間に関係なく出現するようになる。夜の当直の翌日、自宅にて昼、睡眠から目覚めたとき、自分が誰なのか、何故ここに居るのか解らず『自分は誰ですか?』とごく親しい知人に2度、電話したことがある。そして電話したことを憶えてはいるが何を言ったかは憶えていなかった。後に知人より知らされ、同じ日に2度も、しかもほとんど同じ内容を電話したことを知らされ愕然としている。1度、電話したことのみ憶えていた。これは最初に電話したときは軽度の意識混濁に在り、2度目に電話したときは最軽度の意識混濁に在った故と思われる。
 服用4ヶ月半後、出社直後、普段より諍いを起こしていた同僚より目が据わっていると言われ、それを上司に告げられ、上司より直ちに精神科の病院へ行くように言われる。症例は極めて温厚な性格であり、誰からも好かれていたが、ただ一人、その同僚とは仕事上のトラブルより、その同僚が一方的に症例を憎んでいた。(この日、車を運転して来社して来たが、症例にはその記憶が無い。また症例は「この状態のまま精神科に行ったら大変」と車を運転してそのまま自宅に帰り、精神科受診は行っていない。)これ以降、症例は buspirone の服用を中止する。buspirone の服用中止とともに症例の言う「発作」は起こらなくなる。社会不安障害は buspirone 服用中および服用中止直後は軽快またはほぼ寛解と自己判断していたが、結局は軽度軽快したのみであることが自覚された。    

【考察】             
 社会不安障害は大部分、10代から20代前半で発症すると言われている23,50)。本邦に於いては以前、対人恐怖という疾患名が用いられ、本邦に多く、欧米に少ない、本邦の文化背景を基盤とする疾患と考えられていた時期が続いた50)。
 しかし、本邦に於いて最近は欧米に倣い、対人恐怖という疾患名はあまり用いられず、類似の疾患名である社会不安障害あるいは社会恐怖という疾患名が用いられるようになった23)。そして欧米に於いても社会不安障害あるいは社会恐怖に苦しんでいる患者が多数存在することが解ってきた23)。
 対人恐怖と社会不安障害の概念に不一致がある。対人恐怖は、社会不安障害とほぼ等しい緊張型対人恐怖と、関係妄想、前分裂症症状を伴う確信型対人恐怖に分けられる59~61)。
 上記の症例は緊張型対人恐怖であり、社会不安障害のなかでは全般型、びまん型に分類される。
 全般型社会不安障害は重症になるとベンゾジアゼピン系抗不安薬なしには社会生活を正常に送ることは極めて困難である23)。“ひきこもり”に近い毎日からベンゾジアゼピン系抗不安薬を服用し始めると患者は蘇生したように“ひきこもり”を脱し、外向的で明るくなることが頻繁に見られる。
 生来的に神経質な素因の人に、ある種の強度のストレスが懸かったとき、その強度のストレス状態下に於いてある種のトリガーとともに社会不安障害が発症する、または生来的に神経質な素因の人にある種のトリガーとともに社会不安障害が発症する、そして生来的に神経質な素因でない人に社会不安障害が発症しても一時的なものとして寛解してゆく、また確信型対人恐怖の場合は関係妄想の発展・進行とともに社会不安障害が発症・重症化する、以上のように筆者は考える。
 そしてその神経質という基盤が弛むとともに社会不安障害も軽症化してゆく。しかし、一度形成されたその条件反射の悪循環を消すことは生来的に神経質な素因の人には不可能と言えた。しかし現在、精神薬理学の発達により、それは不可能ではなくなってきている。
 buspirone はアメリカで一日最大摂取量60mg と規定されてある。しかも、グレープフルーツ、エリスロマイシン、Nefazodone などはbuspirone の代謝を阻害するとして併用を避けるべきものになっている。それを症例はグレープフルーツ・ジュース、エリスロマイシン、Nefazodone をbuspirone の血中濃度を上昇させるためとbuspirone の効能時間を延ばすために逆に利用した。
 症例は自転車競技の日本を代表する選手であった。それ故に体力は極めて強く、buspirone の副作用に強かったとも考えられる。症例は本院受診中である数年前、苦しみの強い流行性感冒(またはインフルエンザ)に罹患したとき、38℃台の熱が出たが、loxoprofen sodium 10錠摂取で全く効果が無く、diclofenac sodium(25mg 錠) 4錠摂取で不充分に解熱し、diclofenac sodium 5錠で充分に解熱し安静となった。しかし、その安静も5時間程で終わり、再びdiclofenac sodiumを5錠服用しなければ発熱し苦しむ、という経験を持つ。症例は高校1年時、風邪に罹患したことがあるが薬物は全く服用せず、1日の休養で治癒した。以来、発熱性疾患に罹患したことはなかった。
 現在、社会不安障害に対する有効な薬物療法として、phenelzine1,26,27,30,45,55)、 moclobemide55)、paroxetine37,43,46)、fluvoxamine53) 、buspirone13,29,39,54)、clonazepam29,41)などが報告されている。フランスでは paroxetine が社会不安障害の第一選択薬48)となっている。このように社会不安障害はセロトニン系の異常と現在では認識されている48)。
 また phenelzine は社会不安障害に対し最も有効な薬物とされている。他の薬物で効果が無くともphenelzine を投与すると効果が見られることが頻繁にあると言われる1)。しかし phenelzine はMAO阻害薬であり、高チラミン含有食であるチーズ、ビールなどを摂取した場合、高血圧クリーゼを来す27)ため、日本では認可されていない。
 Van Ameringen M は、SSRIs の投与に対し、充分な反応を示さない社会不安障害の患者に対してSSRIs に上乗せするようにしてbuspirone を投与する方法51)を勧めている。しかし、buspirone は比較対照試験に於いて社会不安障害に対する有意な有効性は確認されていない39)。
 ここで意識変容について説明する。意識変容とは意識障害の一つで、意識混濁と対比させられる。  
Jackson は上位機能の喪失による下位機能の解放と説明した。
「発作」が起こったときにおかしく思われないようベットにて仮眠を取る、朝から「目が据わっている」と同僚より言われ上司より「今日は仕事を休んで精神科の病院に行くよう」に言われるが「この状態のまま精神科に行ったら大変」とそのまま自宅に帰っていること、などある程度の判断力、批判力を持っていること。記憶は完全ではないが有る程度残していることが多く、記憶が全く存在しないことも比較的多いこと。その記憶が全く存在しないことは「発作」のほぼ3分の1を占めるようであること。この状態に於いて自動車運転を毎日のように行っているが、真面目な性格であり、もともと安全運転を心懸けていたためか、先輩の車に接触するという軽い接触事故を起こしたのみであること。また軽い接触事故を起こした夜、廊下を歩いていて2年前に新しく立てられた建物であるが煉瓦と煉瓦の間から接着剤のようなものが垂れており物語の中の非常に古い建物に見えたこと。義兄とともの夕食のとき畳が湖水に見え、先日、見学した住宅が所々に浮いており、また同じ住宅地にあるごく親しい知人のアパートが住宅地の端の方に浮いていたこと。これらのとき記憶が欠落していたことも頻繁にあること。それらよりこの患者は「発作」のとき、意識変容状態の夢幻状態(dreamy state)からもうろう状態(twilight state)に在ったと推測される24)。
 症例の「発作」はてんかん発作に於ける夢様状態(dreamlike state)32)も鑑別に入れなければならないと思われるが、Janz21)が夢様状態(dreamlike state)の必須の症状とした「親近感の仮の変容」が存在しない。症例は真面目で熱情家であり、いわゆる企業戦士と言って良く、親近感などには関心がなかったとも考えられるが、性格はまた極めて優しく人情家でもある。
 症例は他の社員が嫌がる夜の当直を自ら進んで行っていた。症例の夜の当直は週3回から4回に亘っていた。これは症例が社会不安障害に苦しんでいたため、社会不安障害に苦しむことのない当直を自ら進んで行っていたと考えられる。社会不安障害患者に頻繁に見られる逃避行為を症例は行っていたと考えられる。
 幻視を主症状とする精神病状態および小発作重延状態4,8)の可能性も考えられるが、これらの「発作」に於いて、また「発作」間歇期に於いても、脳波は全く撮られてない。
 未だ、buspirone 摂取によって、この症例のような状態を呈した報告は見られない。この症例が、小学生時代、主に低学年のとき、夕方になると意識がぼんやりとなり現実感が低下する、また、夕食のとき、食事中、箸を持ったままぼんやりとする、という意識減損発作または小児欠神発作とも考えられるものにしばしば襲われていた、大学時代5日間の外傷後健忘を含む激しい頭部打撲を負っていること、血縁者に精神障害者およびその既往歴を持つ者が存在しないこと、これらを考え合わせると小発作重延状態4,8)の可能性は高いとも考えられる。
 しかし普遍的に考えて、これは薬剤性すなわち「buspirone 長期大量服用による意識変容状態」と考えられる。buspirone を服用始めて1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月と意識変容状態 が頻発化また重篤化していったことを考えるとbuspirone の作用する受容体の変性が考えられる。

【文献】
1) Aarre TF:Phenelzine efficacy in refractory social anxiety disorder: A case series.Nord J Psychiatry 57(4):313-315、2003
2) Andrade-filho AS、Passos-Almeida J、Andrade-Souza VM et al.Buspirone chlorhydrate in the treatment of cerebellar ataxia:Rev neurol. 35(4):301-305、2002
3) Apter JT、Allen LA:Buspirone: future directions.J Clin Psychopharmacol 19:86-93、1999
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A case of generalized social phobia, he did mass intake of buspirone, he showed confusional state during the intake. 


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  宗教に見る精神病理
                                 

【key words】meridian, shiatsu, mild depressive episode, dissociative disorder

【始めに】
『身体が緩めば心も緩む』との考えのもと、不安障害などの治療に整体術を用いた。これは運動療法に適応しなかった、または同意しなかった患者、また運動療法で症状が快方に向かわない患者を対象に行った。
 整体は指圧・手掌圧・肘圧を用いて行った。カイロプラクテック的な方法は採らなかった。
 不安障害などの患者の背中には必ず脊椎起立筋の何処かに硬結がある。そこを揉みほぐす。しかしそれを揉みほぐすことは至難の業であるが、患部でなく、足・股関節・肩関節を強く揉みほぐしていくうちにその硬結が消失してゆくことがある。(それと同時に不安障害も治癒する。)
 この全身を揉みほぐすうちに脊柱起立筋の硬結も消失してゆくメカニズムは東洋医学の経絡の概念で説明可能かもしれない。

【症例】
(症例1)
 年齢40歳。28歳時、一念発起してそれまでのサラリーマン生活から整体術師養成学校に1年余り通い、そののちある中国整体院で5年間修行を積み、妻の故郷である九州で開業する。
 中国整体術は術者の肉体的負担が大きい。頑健な男性の中国整体術師も一日6人の治療が限界であるという。中国では堆拿(ついな)と呼ばれている。カイロプラクテックと異なり全て指圧・手掌圧・肘圧による。そして患者の体全体から揉みほぐしてゆく。外傷性頚部症候群に対しても足から揉みほぐしてゆく。肩痛に対しても同じである。体全体から揉みほぐさないことには効果は一時的であるという考えに基づいている。右利きの中国整体術師は右手を多く使用し、肉体に掛かる力学的左右差は大きい�Bそれにより中国整体術師は頻繁に肉体的不調が生じる。
 開業して6年目の3月、腰を痛める。両側外側大腿皮神経が圧迫されている症状が出現。同時に抑鬱症状も出現。精神科医院に通院し始める。投薬内容は trazodone hydrochloride 25mg/day, sulpiride 50mg/day, alprazolam 1.2mg/day であり、この投薬内容がそのまま4カ月続けられた。しかし症状は改善傾向を見せず、ペインクリニックを受診。ここで腰痛部位へのトリガーポイント注射、大腿外側皮神経ブロック、星状神経節ブロックなどを受ける。また imipramine hydrochloride, alprazolam の投薬も受ける。しかし腰痛および抑鬱状態、および自動車を運転中に起こるパニック発作の改善傾向を認めず。また処方された imipramine hydrochloride に因ると思われる頻尿などの副作用のため imipramine hydrochloride の服薬を自ら中止する。
 著者を受診。遠方からの来院のため1カ月で服薬するようにとsulpilide 100mg/day, alprazolam 2.4mg/day, etizolam 3mg/day, flunitrazepam 4mg/day, trazodone hydrochloride 100mg/day, mianserin hydrochloride 60mg/day を2週間分処方。しかし sulpiride は一回服薬するのみで中止する(服薬すると体が疲労感で一杯になるということであった)。また mianserin hydrochloride は激しい眠気などのため1回服薬するのみで中止する。 trazodone hydrochloride も服薬しようとしない。頑健な体をしているが急激に衰弱傾向を示し、このように薬剤に対し敏感になったものと思われる。鍼治療に1ヶ月前に掛かったときの鍼の跡が今でも赤く腫れ上がっていた。
 現在、alprazolam 1.2mg/day, flunitrazepam 1mg/day(眠前)のみ服薬している。 sulpiride, trazodone hydrochloride, mianserin hydrochloride などに過敏に反応するため、それらを服薬しようとしない傾向は変わらない。
 現在でもまだ軽症うつ病エピソードのまま自宅療養中である。運動を行おうにも腰痛のため運動ができない。散歩程度しかできない。
 中国整体術師であるT氏は主張する。
『整体をしていると腰が悪いので腰を庇うため自然と胸部交感神経節を圧迫してしまう体勢になる。以前、腰が悪くなかった頃はそういうことはなかった。それが現在の私の身体・精神というか、その不調のもっとも大きな理由のような気がする。』

(症例2)
 左半身麻痺にて救急車で来院。年齢50歳。繁華街のスナックで働いている。仕事は夕方から夜遅くまでであり、衣装も派手なものを着用している。吐気有り。しかし嘔吐は無し。神経学上、左半身麻痺有り。現在の日付が解らないなど見当識障害有り。頭部CT上、特記すべき所見なし。しかし脳梗塞は発症直後は頭部CTに映らないためそのまま脳梗塞疑いとして入院となる。右脳梗塞が疑われたが、衣装や仕事、年齢などからヒステリーの可能性が高いと思われた。
 脳梗塞の治療を開始。入院3日目、再び頭部CT施行するも、特記すべき所見なし。血液検査上も脳梗塞は否定的。脳波上、特記すべき所見なし。しかし依然として左半身麻痺軽減せず。また現在の日付が解らないなど見当識障害も改善傾向無し。この見当識障害は、昨日行ったことを取り違える、1時間ほど前に食べた食事の内容を記憶していない、入院して何日が経過かしたかの問い(正解は7日)に『3カ月前?』と言う、現在の日付が解らないなど、強い記銘力障害によって起こっていた。
 入院8日目、キセノンCT施行。右脳灰白質に低環流域有り(写真1)。これが唯一の異常所見であった。入院9日目よりヒステリー疑いとして ethyl loflazepate 1mg 夕食後投与開始。入院13日目より alprazolam 1.2mg 分3追加投与開始。しかし改善傾向は僅かに認めたのみであった。入院17日目より alprazolam 2.4mg 分3に増量。これでも改善傾向ほとんど存在せず。よって入院21日目よりethyl loflazepate 2mg/day 夕食後投与に増量。しかしこれでも左半身麻痺および見当識障害は改善傾向をほとんど示さず。入院28日後、左半身麻痺および見当識障害は軽度軽快のみで退院となる。
 退院後、中国整体術師(T氏)に治療を受け、治療3回目にて左半身麻痺も見当識障害も劇的に全快。T氏によると“寝違い”に間違いないと思われる胸椎第2を中心とした脊椎骨の変位があったという。その変位を矯正するため全身を指圧し治療したが筋肉の硬直は強く、治療3回目にて脊椎骨の変位は元に戻ったという。

(症例3)
 18年来の対人恐怖症。男性。36歳。人格的な崩壊は無い。14年間、 minor tranquilizer を比較的多量に服薬してきた。 minor tranquilizer の比較的多量服薬により、なんとか社会生活を営んできたと思う、と言う。また不眠症も併発している。
 脊椎の左側に脊椎起立筋によるものと思われる“一本棒”が存在する。第2胸椎から第6胸椎に掛けて左側背部に筋肉の攣縮・硬縮が存在する。これは特�ノ第2胸椎に強い。また、これは少なくとも12年前から存在している。12年前に鍼灸院でそのことを指摘されたという。背部の凝り強く、現在まで様々な整骨院・鍼灸院などで治療してきた。しかし全て一時的な効果に終わった。ヨガや気功法も行ってきたが、対人恐怖症などは一向に軽快する傾向が見られなかったという。この10年ほどは様々な整骨院・鍼灸院に通っていた。そして一時的な軽快が得られていたが、一時的(長くても半日ほど)でしかなかった。
 彼は4カ月前、ある中国整体術師(T氏)に施術してもらったところその対人恐怖症が一気に軽快した。しかし50%軽快したのみで未だ50%残っているという。一気に軽快したのはそれまでX線写真には写り難い亜脱臼を起こしていた第2胸椎と思われる脊椎骨が整復されたためではないか、とT氏も彼も考えている。
 
【考察1】
『体と心は一つである、体が柔らかくなれば心も柔らかくなる。』11)
『神経症・分裂病が発症して間もないものは整体で治すことができる。しかし慢性化し固くなったものを揉み解すのは非常に難しい。』11)
『根が浅いものは1回の施行で治癒させることが出来る。しかし根が深いものは何回やっても駄目なことが多い。』11)
『神経症・分裂症の人は背中に一本棒のように固くなったものがある。それは脊柱起立筋であったり首の奥の方の筋肉であったりする。それは固く、揉み解すのは至難を極める。しかし全身から丹念に揉み解してゆくと何回目かの治療で柔らかくなることが良くある。これは固くなっている局所だけを指圧などしてもまず不可能だ。全身から揉み解してゆかなければならない。そして土台である足が大切だ。股関節と下腿を良く揉み解さなければすぐに元に戻ってしまう。』11)
『たしかに局所だけを治療してもそのとき一時的にせよ非常に効く。しかし数時間で元に戻る。全身から治療しないと数年も数十年も形成されているアンバランスはすぐに元に戻る。』11)
『肉体の左右不均衡が自律神経のバランスを崩すこと、交感神経過緊張が肉体の左右不均衡によって起こることを世間の人はもっと知らなければならない。』11) 
『全身を揉み解すのには2時間掛かる。固くなっているところだけを揉み解しても、すぐに元に戻ってしまう。だから最低1時間は掛けないと治療にならない。』11)
『身体が曲がれば心も曲がる。心を真っ直ぐにしようと思えば身体を真っ直ぐにしなければならない。身体が真っ直ぐになれば自然と心も真っ直ぐになる。』11)
『一つ一つの骨が(下腿や上肢など)その人の身体全体を表しているという考えがある。一つの骨を緩めてゆけば身体全体が緩むという考えになる。骨が緩めば身体も緩み心も緩むということになる。』11)

 不安障害の患者には第2胸椎から第6胸椎に掛けて変位とその側方の筋肉の攣縮・硬直が見られる。そして筋肉の攣縮・硬縮の見られる側に“一本棒”と呼んでいる脊柱起立筋によるものと思われる筋肉の攣縮・硬縮が見られる。
 モアレ写真というものにより筋肉の攣縮・硬縮および椎骨の変位は比較的明瞭に観察できる。X線写真ではむち打ち損傷と同じように椎骨の変位はほとんど表示されない。モアレ写真を所有していれば上記の症例は良く説明できたと思われる2)。
 その“一本棒”は歯の噛み合わせと密接に関連している10)。しかし歯の噛み合わせから矯正することは反作用が生じるはずである。
 症例2ではキセノンCTに示されるように左脳領域に比べ右脳領域が環流量が少なくなっている。これはT氏の指摘のように胸椎第2の変位によるものとも思われる。

 肉体の左右不均衡は椎骨の歪みを生み、様々な病気を起こす。とくに椎骨に付着する交感神経節を刺激し交感神経過緊張症を引き起こす。頭部CTで明らかなほどの頭蓋骨の不均衡があればその人はもし現在健康体であっても将来交感神経過緊張症による病態を起こす可能性は非常に高い。頭部CTで明らかなほどの頭蓋骨の不均衡(それは鼻中隔の歪み、後頭骨の歪みなどとして頭部CTに写ってくる。)があればその人はすでに何らかの自律神経に由来する不調を持っていると考えて良い。 

【考察2】
 人間の身体は大なり小なり歪んでいる。その歪みの強さが弱い人は一般に健康体である。しかし歪みの大きい人は様々な疾患(特に自律神経を媒体とした)に襲われてしまう。この歪みは2歳までに形成されるのがほとんどと思われる。それ以降に形成されるのは大きな交通事故などによるものしか存在しないようである。その歪みは歯の噛み合わせに由来するという理論があり10)、著者の長年の研究の結果、頭蓋骨が大きく変形している人はたしかに歯の噛み合わせが大きく変形している。そしてその変形は頚椎そして腰椎に及んでいる。しかしこの歪みを成人になってから歯の噛み合わせを人工的に操作することにより矯正することは至難を極める。歪みの軽度に人は確かにこの咬合療法で治癒していっている。しかし歪みの大きい人は咬合療法でも治癒させることは至難を極める。
“気の滞まり”が歯の噛み合わせの悪さに由来する脊椎骨の歪みによって起こる。この噛み合わせの矯正はテンプレートという患者自身で脱着可能なもので行われこのテンプレートを装着して運動を行うことによりこのテンプレートを装着したときの噛み合わせに対応した脊椎など骨格の矯正が行われる。しかしこれは30歳以下には用いることが比較的容易であるが、30歳以上には軽度の歪みしか存在しない人にしか用いることは非常に困難である。
“気の滞まり”は自律神経のアンバランスを招き、不安障害などを引き起こす。“気の滞まり”が身体全体の硬直化を招く。未だデータ上、確かめられたことではない。しかし、これは“気の滞まり”による説明なしには不可能と思われる。 
 たしかに長年の不安障害などはその硬結を揉みほぐし消失させることは困難を究める。しかし、患部でなく、下腿、肩関節、股関節などを丹念に揉みほぐすことにより消失してゆくことが多い。

【最後に】
『歪んだ体は歪んだままで一つの恒常性を保っている。それを無理矢理に矯正しようとするのは邪道だ。』との鍼灸師からの反論12)がある。たしかにアメリカ的カイロプラクテックは体の固い東洋人(日本人は東洋人の中でも特に体が固い民族の一つと言われている10)。)には向いていない。アメリカ的カイロプラクテックはアメリカなど西洋の体の柔らかい民族に於いてのみ成り立つ治療法と考える。
 また中国人には中国人に、日本人には日本人に向いた治療法がある。中国においては民族ごとに少しづつ治療法が異なっているが民族ごとに体質が異なるならばそれが本当の姿と思う。日本人には日本人特有の治療法があって当然であるし、それでなければいけないと思われる。
 整体療法は不安障害には劇的に効果がある。しかし気分障害や分裂症にも効果があるか、未だ試みられていないようであり、不明である。整体療法は全身“気の流れ”の円滑化に帰結する。
  

therapy of seitai

【参考文献】
1)本間祥白;  難経の研究; p675, 1983, 医道の日本社
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5)小高修司; 中国医学の秘密;    p209, 1991, 講談社 
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7)首藤傳明;   経絡治療のすすめ;   p259, 1983, 医道の日本社
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10)前原潔; テンプレート療法 p257, 1996, 三樹書房
11)近田耕治氏の手紙
12)近藤文雄氏の手紙

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咬合療法(割り箸健康法)



 骨格、主に背骨の歪みを修正するためにヨガや整体術などがあるが、なかなか良くならない人が多い。そういう人は背骨の歪みを修正するように割り箸を噛んで走ったりなど運動をすると筋肉系から修正されてゆき、整体術では一時的な整骨しか成されなかったのが、永久的な修正が行われる。
 背骨の支点は咬合にある。カイロプラクティックなどでは背骨の支点は仙腸関節にあると言っているようだ。筆者もそれを信じてきた。筆者は交通事故の後遺症などで2年間ほとんど毎日整骨院に通い続けた。整骨してもらって10分間ほどは劇的なほど効いていた。しかし一時的だった。1時間経てばもう元に戻っていた。
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       直径1cmの固い綿を噛んで走ると病気が治る

 正確には“直径1cmぐらいに固く丸めた二つの綿を両奥歯で強く噛みしめて走ったり腕立て伏せなどをすると病気が治る”である。

 背骨が真っすぐで歪みのないことが健康の根元であることはカイロプラクテイックや整骨術などを知っている人にはもう常識になっている。背骨があるところで曲がっている人はその部分に相応した病気を持っている。もうこれは自分が言うまでもなく常識化しつつある。
 でもそれを知らない人が多い。背骨の曲がりの根元は仙腸関節や股関節にあるとかという意見に自分は疑いの思いを抱いてきた。背骨の歪みは歯の噛み合わせにある、自分自身で実験し、それが間違いないことを知った。“背骨の歪みの根元は仙腸関節ではなく歯の噛み合わせだった”自分には衝撃だった。今まで仙腸関節か股関節かと迷ってきた自分にとってこの考えは最初受け入れ難いものだった。しかし自分で体験してそれが本当であることを疑わなくなった。
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 ○○さんへ
 自分は今、佐賀にいますけど、そこで鍼灸師をしている人から『大村の自分の通った鍼灸学校に夕方になると両奥歯に綿を丸めたのを噛んで運動場を走ったり腕立て伏せをしたりしていた人がいた。クオードランド理論…この本に書いてある』
 自分はそのとき自分自身の病気で苦しんでいました。佐賀の仏壇とパソコンしかない古い狭いアパートで。

 自分は2年前、医師国家試験が終わったばかりの頃だと思います。『歯の噛み合わせで病気を治す』という本を読み、大阪のその歯科医院に歯形を宅急便で送ったことがあります。しかしその本は昭和60年の本で、今は20万治療費がかかる、しかもそう言った受付の事務の人の口調がそんな大きな金をかけてまでやる必要はない、といった口調に聞こえましたのでやめましたが今非常に後悔しています。あのときからやっていたならばもう今頃自分の病気は…と思っているこの頃です。
 自分は5月から始めて3ヶ月経ちました。自分には効いています。調整のため週に1回ぐらい、佐賀から山越えで博多の歯科医院まで行っていました。(今はもう2週間に1度で充分だと思います。それに他の遠くに住んでいる人は1ヶ月に1回行っているのか解りません。)

 自律神経失調症には非常によく効いています。また小児麻痺の子供が軽くなっていっているのには驚きます。
 その歯科医院の電話番号を書いておきます。正確に言うと博多ではなくて博多の近くの西陣です。(博多にも1軒あります。)
            tel 092-843-1464 松田歯科 です。�@ 
ついでに自分の佐賀のアパートの電話番号も書いておきます。(tel 0952-26-????)

 佐賀や長崎にはありません。九州には福岡に2軒と鹿児島に2軒ぐらいです。
 近くの歯科医院で歯形をとって大阪までか西陣の松田歯科に宅急便で送ればいいです。
 歯形をとってそれを大阪まで宅急便で送って歯の矯正具が来るまでの8日ほど割り箸の根元を4cmぐらいの長さに切って3本束ね(2本では自分には高さが足りませんでした。)それを2つ作って両奥歯で噛んでいた時期もありました。そしてそれだけでも自分にはよく効いていました。
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始め、テンプレートが来るまで8日ぐらいかかると前原先生が大学まで電話してきて知った。自分は今日にでもまた明日にでもテンプレート療法を始めたかったのでそんなにかかると知って少し落胆した。そして昨夜から始めている割り箸3本療法をテンプレートが来るまでしようと思った。
 あれは夕方だった。いつも掛かってくる外来の患者さんでないことを『○○さんではない。』と言われ誰だろうと思った。僕の親しくしている保険の人だろうか(3年近く前の交通事故の後遺症の賠償金のことで)と始め思った。
 でも2日ぐらい前、歯形を送った大阪の前原先生だった。元気があってとてもハキハキしていた。
 僕はその頃、割り箸療法は3本が最高ラインだろうと思っていたが前原先生が『4本でも…』と言われたときびっくりした。割り箸の根元を4本重ねることなんてその頃の僕には想像もできないことだった。でも今、テンプレート療法を行っている今、4本でも物足りないように感じる。

 八日後、福岡の西陣まで山越えのルートを取ってモアレ写真のある松田歯科に行ってテンプレートを始めてはめた。それまで割り箸療法でもかなり効果があって、眠りすぎるほど眠るようになって、脳腫瘍でもできたのではないかと思い、近くの脳神経外科にCTを撮りに行ったがなんともなかった。それまで一日4時間ほど眠れば充分だったのに一日10時間ほども眠ってしまうことを僕は心配していた。

【参照】
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2)住岡輝明、宮崎正夫、前原潔: 頭頚部痛に対し咬合挙上法(テンプレート療法)を施行し軽快をみた2例. ペインクリニック Vol.8 No.3: 367-370, 1987
3)神田 知、前原 潔、河瀬雅夫:咬合挙上床の運動機能に及ぼす影響について、第45回日本体力医学会大会(抄), 1990.
4)渡辺勝久、井上充博、他:咬合関係と筋力についての実験、第2回日本顎関節学会総会(抄), 1989.
5)若杉分吉『革命的・神経ブロック療法』p200, 1992, マキノ出版
6)前原 潔『テンプレート療法で健康を取り戻す』p230, 1994, 博美館出版
7)Founder AC: The Dental Physician. USA(Ⅲ), Medical-Dental Arts, 93-134, 1980
8)Sergl-HG: Psychological aspect of the time factor in orthodontics:Fortschr-Kieferorthop.27(1):61-5,1966
9)Guzay CM:Quadrant Theorem :a viewable biophysical analysis of prosthodontia, TMJ, disorders, Chicago, DDS Pub, 1952
10)Monson GC: Impaired function as a result of closed bite. J N Dent Assoc 7:979-992, 1920

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