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buspirone 大量服用中に意識変容状態を呈した全般型社会不安障害の一例*


【抄録】
 本邦では未発売になっているbuspirone を個人輸入し、buspirone の代謝を阻害する物質であるグレープフルーツ・ジュースなどとともにbuspirone 一日100~400mgの大量服用を続け、その服用中、意識変容状態の夢幻状態(dreamy state)からもうろう状態(twilight state)を頻発した症例を経験した。
 症例は高校3年時に社会不安障害を発症。罹患歴は21年に及ぶ。抗うつ薬をインターネットより購入し、日本で認可されていないものも含め多種類試したがほとんど効果はなかった。そしてbuspirone を服用中であった。

【key words】buspirone、confusional state、dreamy state、
twilight state、generalized social phobia

【はじめに】
 全般型社会不安障害、それは孤独との闘いである。社会生活を全うに送ることは重症の全般型社会不安障害では容易ではない。また、paroxetineなどSSRIs が奏功することが多い故に、セロトニン系の関与する疾患と考えられている37,43,46) 。        
 fluvoxamine、moclobemide、milnacipran、paroxetine、fluoxetine、sertraline がほとんど効果が無く、buspirone を服用中、意識変容状態を呈した症例を経験した。
 buspirone は1986年にアメリカのFDAから全般性不安障害に対する治療薬として認定を受けた。buspirone は抗不安薬に分類されるがベンゾジアゼピン系薬物などの抗不安薬と作用メカニズム、構造式は全く異なり、セロトニン5-HT1AレセプターおよびドーパミンD2レセプターと結合し作用を発揮することから部分的5-HT1Aアゴニストに分類されている28)。精神緊張を和らげ不安を昇華させる効果が有る。副作用も少ない。しかし次第に、うつ病性障害3)など他の疾患にも効果が有ることが解ってきた。パニック障害3,9)、強迫性障害3)、社会不安障害3,4)、心的外傷後ストレス障害9)、性的偏奇10)、身体醜形障害3,36)、注意欠陥多動障害9)、行動傷害3)、小脳性運動失調2,11,16,47)、筋緊張性頭痛32)にも効果が有り、喫煙願望抑制効果3)も有ることが解ってきた。
 buspirone はその効果が現れるまで少なくとも1週間を要するとされ、その充分な効果が現れるまでは少なくとも3週間を要するとされる。ベンゾジアゼピン系薬物と異なり依存性が生じることは無いため、欧米では広く使用されている40)。
 buspirone の副作用として、目眩、眠気、頭痛、倦怠感、頭部光気感、倦怠感、吐気、神経過敏、不眠、嘔吐などは頻繁に起こる副作用とされているが、昏迷状態、精神病様状態に陥ることは極めて稀とされている。また、意識変容状態の夢幻状態およびもうろう状態に陥った記載は見当たらない。
 
【症例】
<症例>39歳、男性。
主訴:対人緊張
診断:社会不安障害(全般型、重症)
家族歴:2人兄弟の第2子。精神科的遺伝負因なし
血液生化学的所見:特記すべき所見なし
神経学的所見:特記すべき所見なし
頭部CT:大脳の軽度の萎縮が認められる
脳波:特記すべき所見なし
アルコール歴:父と祖父は一日6合ほど飲酒する酒豪であったが肝機能異常などを来したことは一度もない。症例も23歳の頃、一年間近く毎日5合ほど飲酒していた時期があるが肝機能異常などを来したことは一度もない。症例のその飲酒は小説を書くために試験的に行っていたと言う。ここ10年以上はほとんど機会飲酒。
性格:母親の家系譲りの努力家的性質が強い。他に、優しい、凝り性、真面目、内気、熱情家、飽き性。真面目さが目立ち、性格の障害は全く感じられない。
生育歴:特記すべきものなし
既往歴:幼少時より吃音あり。小学校低学年のとき、夕方になると頭がぼんやりし現実感が低下するというエピソードにしばしば襲われていた。また、同じく小学校低学年のとき、夜、食事中、ぼんやりとなり、箸を握ったまま動きが停止するというエピソードにしばしば襲われていたが、両親はこれがてんかん発作の一種とは考えず、悪い癖とのみ捉えており、叱咤するのみであった。病院受診は行われなかった。
 中学時代より痙攣性発声障害(疑)に罹患。様々な医院を受診するも喉頭炎とのみ診断された。
 大学時代、自転車競技中に接触転倒し、頭蓋骨骨折・5日間の外傷後健忘を起こす。このとき自転車競技用のヘルメットを被っており頭部に外傷は無し。極めて強い打撲のみであった。これ以来、記銘力障害に悩むようになる。
 22歳時、精神科初診後、症例は脳波検査を10回ほど受けているが、ベンゾジアゼピン系薬物服用に依る速波が認められるのみで、その他に異常なところは発見されず、正常と診断されてきた。
 32歳時、昼食中、おかずが入った入れ物を斜め上に捧げ、10分間ほどそのままの状態を保つというエピソードがある。それは風邪を引いており、風邪薬を極めて多量に服用して出社したときであった。「自分は薬に強いので有るだけ飲んだ」「前夜は眠れなかった」と言う。10分後には全く何もなかったように食事を再開した。本人はこのエピソード関してに全く記憶が無く、上司より神経科受診を勧められて始めてこのようなエピソードが起こったということを知った。上司よりそう告げられても信じ難く、他の目撃者数名より、そのようなことが実際にあった、と告げられ、始めて納得がゆく。翌日、神経科を受診。知能検査、記銘力検査、脳波検査などが行われた。学生時代の5日間の外傷後健忘を来した頭部打撲に依ると推定される強い記銘力障害と脳波にベンゾジアゼピン系薬物服用に依る速波が認められたが、他に異常は認められなかった。                                                                                                                                                                                                                                                                  
現病歴:高校3年時、大学入試2次試験直前、社会不安障害(全般型)を発症。大学へは二次試験のとき強く緊張し合格確実であったものの現役時、不合格。結局、一浪して大学のランクを下げ、他の大学に入学。しかし浪人時代より競輪選手になる夢を持っており、浪人時代より毎日5時間前後の自転車競技の鍛錬を行う。競輪選手になることは親が許さず、大学入学とともに自転車競技部に入部。世界選手権にも出場する。しかし、症例は大学時代の自転車競技中の転倒事故のこと、および、その事故のことを親が心配することもあり、大学の自転車競技部の退部とともに自転車競技を行わなくなる。大学卒業後、社会人になってからは小説書き、健康法・精神医学の研究と仕事に没頭するようになる。
 症例は自転車競技に没頭していたためか社会不安障害という疾患に罹患していることに気付かず。22歳時、自転車競技部の退部と時を同じくして、吃音を苦にして大学病院の耳鼻科、神経内科を受診するが結局、精神科受診を勧められ精神科受診。このとき初めて社会不安障害(全般型)という疾患に罹患していることを知る。このときよりbromazepam、cloxazolam などのベンゾジアゼピン系抗不安薬を継続服用。これらベンゾジアゼピン系抗不安薬は、吃音には劇的に奏功したが、社会不安障害に対する効果は不充分であり、症例は社会不安障害に最も悩み苦しむようになる。
 社会不安障害に悩み苦しみながらも熱心に宗教を行い、宗教を心の支えにして生きる。
 星状神経節ブロック療法、気功法、ヨガ、絶食療法、玄米自然食、整体、鍼、森田療法18,19)、歯の噛み合わせで病気を治す治療法であるテンプレート療法など、数多くの治療法を受け、また実践してきた。唯一、効果を強く実感できたのは星状神経節ブロック療法であった。星状神経節ブロックを13回施行したが、仕事が多忙となり、星状神経節ブロック療法に通うことが出来なくなる。星状神経節ブロック療法中止後、寛解に近いほど軽症化していた社会不安障害は星状神経節ブロック療法施行前と同じ程度に重症化する。また、夜の当直を始め、以前、星状神経節ブロック療法を行っていた医院に通う時間的余裕が出来たが、その医院は医師が代わり、星状神経節ブロック療法を行わなくなっていた。症例の住んでいるところは田舎であり、他に星状神経節ブロック療法を行う医院は無かった。
 5年半前、頭部CTを希望して本院初診。それ以来、筆者が主治医となり、ベンゾジアゼピン系薬物(flunitrazepam、bromazepam、etizolam、flutoprazepam、clonazepam など)の処方を行う。この頃、すでに症例は催眠鎮静薬として処方されていた flunitrazepam を昼間服用し、それが対人緊張に劇的に効くことを知っており、不眠が存在しないにも拘わらず強い不眠が存在すると訴え flunitrazepam の最高量投与を初診時より要求した。また、調節しやすいようにと1mg錠を要求した。初診時の投薬内容は、flunitrazepam 1mg 錠を4錠/日、bromazepam 5mg 錠を4錠/日、etizolam 0.5mg 錠を6錠/日、flutoprazepam 2mg 錠を2錠/日、omeprazole 20mg 錠を1錠/日。
 症例はベンゾジアゼピン系薬物、社会不安障害、精神医学、医学に関し非常に良く勉強しており、すでに初診時より耐性の問題を考え、これらベンゾジアゼピン系薬物を対人緊張で困るときの前のみに口腔内溶解して服用していた。また、対人緊張で困ることが無い休日は服用しないようにしていた。処方分の半量ほどのみ服用するだけであったが、手持ちが少なくなると不安になることから、このように比較的多量処方を要求していた。
 fluvoxamine 発売と同時に fluvoxamine の投薬を強く希望し開始する。fluvoxamine 一日150mg の服用にて強い倦怠感を自覚する。その倦怠感は仕事にも支障を来すほどであったが、症例は社会不安障害を治したい一心で隠し続け、効果をほとんど自覚しないにも拘わらず投与を強く希望し続ける。
 症例は昼間に fluvoxamine を服用すると倦怠感に襲われ、仕事を行うことが極めて困難になる故、就寝1時間前に一日量150mgを服用する。また症例には fluvoxamine の一日量150mg が服用できる最大量であった。一日量150mg を超えると症例は朝、倦怠感のため起床できず、起床しても昼間の仕事中の倦怠感に耐えることができなかった。頑健な身体をした症例は fluvoxamine に敏感であった。しかし、症例は社会不安障害を治したい一心で筆者にはそれを隠し、効果をほとんど自覚しないにも拘わらず効果が有ると主張し、 fluvoxamine 投与を強く希望し続ける。社会不安障害にはSSRIs の投与により効果が認められたならばそのSSRIs の1年以上の継続服用が推奨されている4)。
 このとき症例の幼い頃からの悩みの一つであった重症の吃音は fluvoxamine の服薬を続ける途上で寛解に近いほど劇的に軽症化した。症例は、しかし、その�d度の吃音より遙かに社会不安障害に苦しみ悩んでいた。『社会不安障害に比べると吃音なんか何でもない』と症例は主張していた。極めて悩んでいた社会不安障害には全く無効であり、15ヶ月後、milnacipran の発売と同時にmilnacipran に変薬する。
 milnacipran の投与を開始。milnacipran も fluvoxamine と同じく激しい倦怠感を感じる。しかし、症例はその激しい倦怠感を隠し続け、服用し続けた。milnacipran の服用は paroxetine 発売まで続く。
 paroxetine の発売と同時に paroxetine の投与を開始。服用1日目は劇的に効果を自覚。しかし、2日目、3日目と急激に効果が弱くなるのを自覚。そして4週間に亘る服用で「効かない」と服用を症例自身より中止する。
 症例自身、社会不安障害に強い効果が有るとインターネットより情報入手した moclobemide を個人輸入し、社会不安障害を治したい一心で一日量600mgを11ヶ月間に亘り服用する。しかし無効であった。また fluoxetine、sertraline をも個人輸入し服用したが無効であった。          
 症例はインターネットより buspirone が社会不安障害に効果が有るという情報を得る。buspirone を個人輸入し、一日最高摂取量60mg とされているところを、一日100~400mg 、しかもbuspirone の代謝を阻害する物質とともに服用することを開始する。これはbuspirone が今まで服用してきた抗うつ薬と異なり、症例に対して副作用が極めて少なかったこと、大量に服薬すると早く社会不安障害が寛解するのではないかと考えての行動であった。
 眠前および休日にbuspirone (100~400mg)をbuspirone の代謝を阻害するグレープフルーツ・ジュース、エリスロマイシン、そしてNefazodone とともに服用することを開始する。
 日中の仕事中、buspirone の30mg 前後をbuspirone の代謝を阻害するエリスロマイシンとともに服用する。しかし日中の服用は眠気や倦怠感を来すため5回ほどで少なくとも勤務中は中止することを決意する。しかし、その後も時おり、早く社会不安障害を治したい一心で、勤務中の昼間にbuspirone を少量ながら服用することを行う。     
 服用開始5日目、日中にエリスロマイシンとともに buspirone を60mg 服用したとき、強い倦怠感を覚え、会社のベットに2時間就寝していたことがある。しかし、2時間ほどの就寝でほとんど倦怠感は消失した。この日、ほぼ毎日の仕事が終わってからのジョギングも平常どおり行うことができた。
 服用開始12日目、この日は休日であった。早朝に buspirone 100mgの摂取をグレープフルーツ・ジュース、エリスロマイシン、少量の Nefazodone とともに行ったとき、傾眠がちとなり昼まで傾眠が続いたことがある。
 服用開始19日目、この日も休日であった。午後1時、 buspirone 100mgの摂取をグレープフルーツ・ジュース、エリスロマイシン、少量の Nefazodone とともに行ったとき午後は傾眠がちとなり、また夜のジョギングが倦怠感のためできなかったことを経験する。
 これらの経験は全てbuspirone を服用開始した頃のことであり、以後、これらのこともありbuspirone の摂取は会社での勤務の日が昼間のときは夜以外は行わなくなる。しかし、休日の日および夜からの勤務の日は昼間にも行い続けた。
 また、当時、離婚問題に悩み、重度の不眠性障害を発症していたが、buspirone の眠前大量服用故と思われるが、不眠性障害は寛解する。
 服用開始29日目、社員採用の面接を代わりに行ってくれるよう上司より頼まれる。このとき若い女性を6人ほど面接したが、履歴書の文字が浮き上がって見え、困惑する。     
 このときより書類の文字が浮き上がって見える幻視が時おり発生するようになる。これは全て夕刻に起こる。症例はこれを「発作」と呼んだ。
「発作」が起こり、自らの異常性に気付いたとき、症例は会社の人に気付かれるのを怖れ、『具合が悪い』と言い、すぐに会社のベットで睡眠を取った。睡眠を取ると回復していた。「発作」を怖れ buspirone の服用を休日の日と夜の当直の日を除いては夜間のみに限定した服用30日後からは、勤務中にはほとんど起こらなくなる。
 buspirone 服用開始2ヶ月後、夜の当直の時、朝より具合が悪く、会社に到着するなり医務室にて、自ら希望して血液検査のための採血を行った。肝機能、白血球、LDH、CPKのみ測定された。肝機能、白血球は正常範囲内であったが、LDHが220(基準値 112~213)、CPKが358(基準値 57~284)と僅かながら正常値を越えていた。
 服用開始2ヶ月半後、会社の近くに位置する家具店の駐車場に停めてあった同じ会社の先輩の車と接触するエピソードを起こす。何故、家具店に入ったのかは症例も全く見当が付かないと言う。このとき、症例の意識は不鮮明であった。駐車中の車と接触したこと、出てきた人が会社の上司であったこと、しばらくして会社の同僚が集まってきたこと、そして会社の同僚が会社まで連れて行ったことは途切れ途切れながら記憶している。これは夕刻に起こった。この日は夜の当直の日であり、朝からマンション探しなどに没頭しており疲労が重なっていた。(この日、午前の記憶は有るが、午後からの記憶が欠如している。また、この頃、夜の当直の日に於いては、昼食代わりに大量の buspirone と大量のグレープフルーツ・ジュースの飲用を行うことが頻繁にあった。)この夜、会社のベットで起床したとき、この会社の建物は実際は2年前に新しく場所を変えて建設されたものであるが、建物がテレビか本で見たことのある物語の中の極めて古い煉瓦造りの建物で、煉瓦と煉瓦の間から接着剤が多数垂れており、幽霊が出るような建物に見えたという鮮明な記憶がある。
 この夜、『自分は何故ここに居るんだ!自分は誰なんだ!』と何度も叫んだ。しかし、症例は中学時代より痙攣性発声障害(疑)に罹患しており、また、山奥の建物の真夜中の出来事であり、誰にも聞こえなかった。
 この夜、午前0時頃、空腹に我慢できなくなったとき、車の停めてある場所に行くと、車の停めてあった場所は普段停める通常の場所であり、その中から午前中に妻とともに買ったグレープフルーツ・ジュースの新しい洒落た包装のものが1本だけ後部座席に載っているのを発見し、いつもは2本残すのが常であったが、何故か1本だけしか載ってないのか不思議であったという記憶がある。5本買ったはずの新しい洒落た包装のグレープフルーツ・ジュースであった。その1本を持ち出し、buspirone 数錠とともに空腹を癒した。
 1ヶ月以上経ち、前部座席の下にもう1本グレープフルーツ・ジュースが転がっているのを発見した。それ故、妻か自分が、2本だけ残し、後の3本はアパートに置いたのだろうと考えた。
 翌日、会社の医務室で採血をされたが、肝機能を始め、異常を呈したものはなかった。
 この「発作」以来、休日でないときは、ほとんど眠前にのみbuspirone を服用するようになる。
 これ以降、「発作」はこの4日後、起こった。この日は休日であった。午後5時頃、マンションのセールスマンがアパートに訪問に来たとき、購入直前になっていたマンションを現在の結婚を反対する親戚によって不可能となったなどとそのセールスマンに様々な困難性を半ば感情的に述べた。しかし症例はこの出来事を僅かしか憶えていない。このときの記憶が僅かしか存在していないことを考えると、軽度の意識混濁が起こっていたと考えられる。また、このとき、保証人の欄に7人の署名捺印が必要であり、その最後の一人の欄に現在の結婚に反対する親戚の署名捺印が成されていたが、その文字と捺印が浮かんで見えた。しかし症例のマンション購入は未だ予定の段階であり、保証人が必要な段階ではなかった。また、保証人が7名も必要であることは考え難い。また、症例は極めて温厚な性格であり、感情的に物事を述べることは通常では考え難い。この日、休日であったため、昼食代わりに、大量のbuspirone と大量のグレープフルーツ・ジュースを同時摂取した可能性が大きいと言う。
 症例は疲労が強いときに「発作」が起こるらしいと推測し、疲労がほとんど存在しないときは夜の当直のときも午後9時頃、大量のグレープフルーツ・ジュースとエリスロマイシン、少量の Nefazodone とともに buspirone を200mg摂取することが頻繁にあった。それらのとき「発作」が起こったことはない。却って不安・焦燥感が劇的なほど消失していた。
 服用3ヶ月目より明らかな左側のみの顔面チックが顕著になった。症例は以前より非常に強いストレスが掛かったとき、左側のみの顔面チックが起こっていたが、今回はストレスがほとんど存在しないときに現れており、buspirone 服用の副作用と思われた7,11)。しかし症例は buspirone の服用量をそのために減ずることはなかった。また、走るとき、軽いパーキンソン失調を自覚したが7)、症例はこのために buspirone の服用量を減ずることは行わなかった。症例はbuspirone についてインターネットで丹念に検索し、日本語での説明文はほとんど発見できなかったため英文でbuspirone の副作用および服用の仕方などを詳しく勉強していた。
 服用4ヶ月目を迎える頃、症例は妻と新聞の広告に掲載されていた中古の一戸建ての住宅を見学に行く。そして何軒かの中古の住宅を見学したが、芳しいものは無かった。その数日後、妻の兄が症例と妻が購入する可能性があるマンションを見学に来る。妻の兄は妻とともにマンションを見学して夕刻に症例のアパートに来る。そして夕食となったが、アルコールに強い症例が極く少量のアルコールで「発作」に陥った。畳が湖水に見え、先日、見学した住宅が所々に浮いており、また知人のアパートも端の方に浮いていた。また、症例が書き溜めた小説を症例は症例の部屋から見つけ出し、義兄に見せた。このとき小説の文字が浮いて見えたことを症例は鮮明に記憶している。この夕食のときの記憶は夢のようではあるが明確に症例に有る。
 また、この頃、妻とマンションを見学に行った帰り、夕暮れから夜に差し掛かろうとしていたとき、マンションの見学に疲れたのか、車を運転しながら最軽度の意識混濁を起こし、複雑な慣れない道でもあり、何回も迷いながら国道に出ることが出来た、しかも国道に出てからも妻に「頭が少しおかしい。眩しい。」と言い続けたエピソードがある。
 服用4ヶ月目より「発作」は1日の時間に関係なく出現するようになる。夜の当直の翌日、自宅にて昼、睡眠から目覚めたとき、自分が誰なのか、何故ここに居るのか解らず『自分は誰ですか?』とごく親しい知人に2度、電話したことがある。そして電話したことを憶えてはいるが何を言ったかは憶えていなかった。後に知人より知らされ、同じ日に2度も、しかもほとんど同じ内容を電話したことを知らされ愕然としている。1度、電話したことのみ憶えていた。これは最初に電話したときは軽度の意識混濁に在り、2度目に電話したときは最軽度の意識混濁に在った故と思われる。
 服用4ヶ月半後、出社直後、普段より諍いを起こしていた同僚より目が据わっていると言われ、それを上司に告げられ、上司より直ちに精神科の病院へ行くように言われる。症例は極めて温厚な性格であり、誰からも好かれていたが、ただ一人、その同僚とは仕事上のトラブルより、その同僚が一方的に症例を憎んでいた。(この日、車を運転して来社して来たが、症例にはその記憶が無い。また症例は「この状態のまま精神科に行ったら大変」と車を運転してそのまま自宅に帰り、精神科受診は行っていない。)これ以降、症例は buspirone の服用を中止する。buspirone の服用中止とともに症例の言う「発作」は起こらなくなる。社会不安障害は buspirone 服用中および服用中止直後は軽快またはほぼ寛解と自己判断していたが、結局は軽度軽快したのみであることが自覚された。    

【考察】             
 社会不安障害は大部分、10代から20代前半で発症すると言われている23,50)。本邦に於いては以前、対人恐怖という疾患名が用いられ、本邦に多く、欧米に少ない、本邦の文化背景を基盤とする疾患と考えられていた時期が続いた50)。
 しかし、本邦に於いて最近は欧米に倣い、対人恐怖という疾患名はあまり用いられず、類似の疾患名である社会不安障害あるいは社会恐怖という疾患名が用いられるようになった23)。そして欧米に於いても社会不安障害あるいは社会恐怖に苦しんでいる患者が多数存在することが解ってきた23)。
 対人恐怖と社会不安障害の概念に不一致がある。対人恐怖は、社会不安障害とほぼ等しい緊張型対人恐怖と、関係妄想、前分裂症症状を伴う確信型対人恐怖に分けられる59~61)。
 上記の症例は緊張型対人恐怖であり、社会不安障害のなかでは全般型、びまん型に分類される。
 全般型社会不安障害は重症になるとベンゾジアゼピン系抗不安薬なしには社会生活を正常に送ることは極めて困難である23)。“ひきこもり”に近い毎日からベンゾジアゼピン系抗不安薬を服用し始めると患者は蘇生したように“ひきこもり”を脱し、外向的で明るくなることが頻繁に見られる。
 生来的に神経質な素因の人に、ある種の強度のストレスが懸かったとき、その強度のストレス状態下に於いてある種のトリガーとともに社会不安障害が発症する、または生来的に神経質な素因の人にある種のトリガーとともに社会不安障害が発症する、そして生来的に神経質な素因でない人に社会不安障害が発症しても一時的なものとして寛解してゆく、また確信型対人恐怖の場合は関係妄想の発展・進行とともに社会不安障害が発症・重症化する、以上のように筆者は考える。
 そしてその神経質という基盤が弛むとともに社会不安障害も軽症化してゆく。しかし、一度形成されたその条件反射の悪循環を消すことは生来的に神経質な素因の人には不可能と言えた。しかし現在、精神薬理学の発達により、それは不可能ではなくなってきている。
 buspirone はアメリカで一日最大摂取量60mg と規定されてある。しかも、グレープフルーツ、エリスロマイシン、Nefazodone などはbuspirone の代謝を阻害するとして併用を避けるべきものになっている。それを症例はグレープフルーツ・ジュース、エリスロマイシン、Nefazodone をbuspirone の血中濃度を上昇させるためとbuspirone の効能時間を延ばすために逆に利用した。
 症例は自転車競技の日本を代表する選手であった。それ故に体力は極めて強く、buspirone の副作用に強かったとも考えられる。症例は本院受診中である数年前、苦しみの強い流行性感冒(またはインフルエンザ)に罹患したとき、38℃台の熱が出たが、loxoprofen sodium 10錠摂取で全く効果が無く、diclofenac sodium(25mg 錠) 4錠摂取で不充分に解熱し、diclofenac sodium 5錠で充分に解熱し安静となった。しかし、その安静も5時間程で終わり、再びdiclofenac sodiumを5錠服用しなければ発熱し苦しむ、という経験を持つ。症例は高校1年時、風邪に罹患したことがあるが薬物は全く服用せず、1日の休養で治癒した。以来、発熱性疾患に罹患したことはなかった。
 現在、社会不安障害に対する有効な薬物療法として、phenelzine1,26,27,30,45,55)、 moclobemide55)、paroxetine37,43,46)、fluvoxamine53) 、buspirone13,29,39,54)、clonazepam29,41)などが報告されている。フランスでは paroxetine が社会不安障害の第一選択薬48)となっている。このように社会不安障害はセロトニン系の異常と現在では認識されている48)。
 また phenelzine は社会不安障害に対し最も有効な薬物とされている。他の薬物で効果が無くともphenelzine を投与すると効果が見られることが頻繁にあると言われる1)。しかし phenelzine はMAO阻害薬であり、高チラミン含有食であるチーズ、ビールなどを摂取した場合、高血圧クリーゼを来す27)ため、日本では認可されていない。
 Van Ameringen M は、SSRIs の投与に対し、充分な反応を示さない社会不安障害の患者に対してSSRIs に上乗せするようにしてbuspirone を投与する方法51)を勧めている。しかし、buspirone は比較対照試験に於いて社会不安障害に対する有意な有効性は確認されていない39)。
 ここで意識変容について説明する。意識変容とは意識障害の一つで、意識混濁と対比させられる。  
Jackson は上位機能の喪失による下位機能の解放と説明した。
「発作」が起こったときにおかしく思われないようベットにて仮眠を取る、朝から「目が据わっている」と同僚より言われ上司より「今日は仕事を休んで精神科の病院に行くよう」に言われるが「この状態のまま精神科に行ったら大変」とそのまま自宅に帰っていること、などある程度の判断力、批判力を持っていること。記憶は完全ではないが有る程度残していることが多く、記憶が全く存在しないことも比較的多いこと。その記憶が全く存在しないことは「発作」のほぼ3分の1を占めるようであること。この状態に於いて自動車運転を毎日のように行っているが、真面目な性格であり、もともと安全運転を心懸けていたためか、先輩の車に接触するという軽い接触事故を起こしたのみであること。また軽い接触事故を起こした夜、廊下を歩いていて2年前に新しく立てられた建物であるが煉瓦と煉瓦の間から接着剤のようなものが垂れており物語の中の非常に古い建物に見えたこと。義兄とともの夕食のとき畳が湖水に見え、先日、見学した住宅が所々に浮いており、また同じ住宅地にあるごく親しい知人のアパートが住宅地の端の方に浮いていたこと。これらのとき記憶が欠落していたことも頻繁にあること。それらよりこの患者は「発作」のとき、意識変容状態の夢幻状態(dreamy state)からもうろう状態(twilight state)に在ったと推測される24)。
 症例の「発作」はてんかん発作に於ける夢様状態(dreamlike state)32)も鑑別に入れなければならないと思われるが、Janz21)が夢様状態(dreamlike state)の必須の症状とした「親近感の仮の変容」が存在しない。症例は真面目で熱情家であり、いわゆる企業戦士と言って良く、親近感などには関心がなかったとも考えられるが、性格はまた極めて優しく人情家でもある。
 症例は他の社員が嫌がる夜の当直を自ら進んで行っていた。症例の夜の当直は週3回から4回に亘っていた。これは症例が社会不安障害に苦しんでいたため、社会不安障害に苦しむことのない当直を自ら進んで行っていたと考えられる。社会不安障害患者に頻繁に見られる逃避行為を症例は行っていたと考えられる。
 幻視を主症状とする精神病状態および小発作重延状態4,8)の可能性も考えられるが、これらの「発作」に於いて、また「発作」間歇期に於いても、脳波は全く撮られてない。
 未だ、buspirone 摂取によって、この症例のような状態を呈した報告は見られない。この症例が、小学生時代、主に低学年のとき、夕方になると意識がぼんやりとなり現実感が低下する、また、夕食のとき、食事中、箸を持ったままぼんやりとする、という意識減損発作または小児欠神発作とも考えられるものにしばしば襲われていた、大学時代5日間の外傷後健忘を含む激しい頭部打撲を負っていること、血縁者に精神障害者およびその既往歴を持つ者が存在しないこと、これらを考え合わせると小発作重延状態4,8)の可能性は高いとも考えられる。
 しかし普遍的に考えて、これは薬剤性すなわち「buspirone 長期大量服用による意識変容状態」と考えられる。buspirone を服用始めて1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月と意識変容状態 が頻発化また重篤化していったことを考えるとbuspirone の作用する受容体の変性が考えられる。

【文献】
1) Aarre TF:Phenelzine efficacy in refractory social anxiety disorder: A case series.Nord J Psychiatry 57(4):313-315、2003
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A case of generalized social phobia, he did mass intake of buspirone, he showed confusional state during the intake. 


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