離婚率は離婚率ではない | cheeronの独言

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ぐち、ぼやき、メモ書き

今はお仕事モード中です。
俺、昔から天邪鬼で、忙しい時ほどアニメ観たりブログ書いたりする。
アホです。

フィリピンとの国際結婚が2006年から激減した理由を探してネットみてたら、
国際結婚の離婚率で、某アジア国を叩いている既知外右翼ページを見た。
それもご丁寧に、アチコチにコピペして・・・
日本の知的レベルが疑われるぞ。


【離婚率とは】
多くの人は離婚率とは「婚姻した夫婦が離婚する割合」と思っているでしょ?
マスコミや右翼が使っている離婚率を式に書けば

0%なら「全員離婚しない」
50%なら「半分は別れる」
100%なら「全員別れる」
こういうイメージだろう。

ここで問題です。

昨年まで100組の婚姻世帯の村がある。
今年は婚姻数10組離婚率50%だった。
この村に残っている婚姻世帯は全部で何世帯か?
※離婚率は上の計算式を使った。

50組と答えた人 → もう一度中学校から勉強して下さい。
55組と答えた人 → もう一度高校から勉強して下さい。
100組と答えた人 → もう一度人生をやり直して下さい。
105組と答えた人 → つまらん人生でしょ?
110組と答えた人 → 今後も人生を楽しみましょう。

正解は105組です

今使っている離婚率は「その年の増減率」に近い数値で、
皆がイメージする離婚率の定義と違う。
数字に騙されちゃダメですよ。

では、皆がイメージする離婚率は

上の村の例では、

5÷110×100≒4.5%

全婚姻世帯でたったの4.5%しか離婚してないわけです。
最初の50%と大きく違います。

こういう数字マジックは、「~平均」「~指数」「~率」とかに多いです。


【普通離婚率】
なぜ、本当の離婚率を出さないのか?
それは、私にはわかりません。お上に尋ねてください。

お上が正式に使っている式は、
厚生労働省のいろいろな計算式一覧にあります。

この式を言葉で表せば
人口1000人辺りで離婚した人の数
になります。これを「普通離婚率」といい全世界共通です。
2011年の日本の普通離婚率は1.87です。
1000人中、1~2人の離婚者がいるって事になります。

しかし、この式の分母は、
未婚の人や結婚期ではない子供や老人等まで入った数字で、
我々の持つ離婚率のイメージと離れてイマイチです。

これとは別に、限られた条件で計算した「特殊離婚率」がある。
特殊離婚率は、各自が好き勝手に計算するもので、
例えば、婚姻後10年目の離婚率とかです。
マスコミ等が使っている離婚率も特殊離婚率の一つです。


【数字に騙されない】
このグラフを見てください。

これは、マスコミが使う離婚率と普通離婚率を並べた物です。
※普通離婚率が2011年までしかなかった。

多少のズレはありますが、この二種類は似た様な形をしています。
推移データとしては、どちらも有効だと言える。

次に、これを見てください。

     
日本 韓・朝 中 国 フィリピン タ イ 米 国 英 国 ブラジル ペルー その他
A方式 34.0 58.3 67.8 107.2 81.9 35.8 26.3 44.0 70.3 63.9
B方式 32.0 48.6 40.1 43.9 36.7 26.3 23.8 24.1 36.0 37.5
これは、共に離婚率ですが、計算方式が違います。

A方式は、マスコミ等の計算式、
B方式は、俺が今考え付いた計算方式です。

A方式では、フィリピンが一位ですが、
B方式では、韓国・朝鮮が一位です。
同じ離婚率なのに、加工方法を変えただけでこんなに違いが出ます
※B方式も1992年以前が無いから正確ではない

しかし、変動が大きいフィリピン世帯を見れば、
半分近くは今でも夫婦として暮らしている様に見えます。
※事実は知らないけど。


【統計データを見る心得】
婚姻数とか離婚件数とか人口数とかは、
物理的な量を直接表した数値で、数値自体に意味がある。

数値を加工・特化した(例えば「~平均」「~指数」「~率(%)」等)は
数値自体に意味はない(別の加工をすれば違う数値になる)。
しかし、同じ条件下での推移(傾向)は正しく表している

という事です。
36%の離婚率は、加工した数値だから
36%を元にした『3組に一組は別れる』は疑わしい。
しかし『推移を見ると現在は下降傾向である』は正しい

これを知っていれば、マスコミ・政府・悪意あるサイト等
データを元に語った嘘に騙される事はないでしょう。
『~%は~』という言葉があれば信用しない方がいいです。

もう一つ、データのバラツキ(精度)という問題もある。
これは、またいつか書くかもしれない。