時が経てば変わるものですね | そっとカカトを上げてみる ~ こっそり背伸びする横浜暮らし

そっとカカトを上げてみる ~ こっそり背伸びする横浜暮らし

大きな挑戦なんてとてもとても。
夢や志がなくても
そっと挑む暮らしの中の小さな背伸び。
表紙の手ざわりていどの本の紹介も。

相互読者登録のご期待にはそいかねますのでご了承ください。

おととい、夏のような陽気のもとで
洗車と草むしりを終えて居間にもどると、妻のサマンサに労いの声をかけられました。
「冷凍庫にたい焼きがあるよ」

疲れたときには甘いもの、とりわけあんこを食べると、ほっとします。

20代のころまででしょうか、若い時分には甘いものはあまり好きではありませんでした。
特にあんこモノは苦手で、まず口にすることはありませんでした。
何かきっかけがあったわけではありませんが、いつのまにか口にするようになり、
いまでは、いまの時季なら柏餅、ふだんでも大福やきんつばを、
自ら好んで手を伸ばすようになりました。


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思いかえすと、こうして特別のきっかけもないのに、
かつては嫌いだった食べものが、いつの間にか好みになったものが他にもあります。

豆類もそう。
私が高校の食堂のチャーハンを食べたあとにはグリーンピースが転がっていたのに、
いまでは春先にはえんどう豆の炊き込みご飯は好物です。
それどころか、毎朝、30~40gの大豆が、カレー風味やタコス風味で、あるいはつぶしてガーリックと胡椒をきかせて、サラダのトッピングで登場します。

カボチャやさつまいものようなホクホクした食感の甘い食材も、いつの間にか好物に転換した仲間です。


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逆のパターンもあります。若い頃は好物だったのに、いまでは進んで口にしなくなったもの。

カレー。市販のルーを使って自分で作ってまで食べていたのに、今では強い脂が苦手で遠ざけています。
わが家の食卓にも時おりカレー風味で煮込んだ鶏が出るくらいです。
もともと、サシの入った牛肉やトロといった。油や脂の強い食べものは苦手で、そこに仲間入りした感じです。

イクラやウニも、若い時分は鮨で手を伸ばしましたが、いまでは苦手です。


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ここまで好き嫌いの入れ替えがはっきりしていないものの、
春巻きやトンカツなど、好みでも献立から揚げ物の回数が減り、
揚げるにしても、ロースよりヒレ、ロースでも脂身をけっこう削ります。

インド料理や唐辛子を多く使う香辛料の強い料理も口にする回数が減りました。

菓子類もクリームをたっぷり使ったケーキは買っても小ぶりのものに、
クリームを使ったケーキに代わり焼き菓子が登場回数を増やしました。


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こうして、あらためて食べ物の好みの入れ替わりを振りかえると、
好き嫌いが入れ替わるとくだんのできごとがあったわけでもないので、
年齢が進んで身体が求めたり拒んだりするものが変わってきたのでしょう。
おそらく、変わっているのは食の好みばかりではないのでしょう。

きょう、身体リスクの定期チェックの結果を聴きにいってきます。
時の経過と加齢は静かながら確実に進みます。

きのうから、ありふれたひとりの女性の人生の40代から晩年を静かに描いた小説を読んでいます。

はたして、年月の流れは彼女にどのように表れるのでしょう。


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