昨日、帰宅の途中気紛れに「三曲のつどい」というような催し物をちょっと覗いてきた。箏、三絃、尺八に時どき斉唱も交えて、正統の邦楽のほか、唱歌を編曲したものなどを演奏していた。
小学生を中心としたグループが「四季の歌」というような題でメドレー演奏するのを聴いていて、面白いことに気づいた。
初心者用の編曲なので、全体に単純で、間延びしているため、各曲の前奏を暫く聴いても曲名が思い浮かばない。ある部分で、「牧場の朝」だなと思ったら、実は「春が来た」だったので驚いた。
そこで、それぞれの出だしをなぞってみると、確かに同じメロディーだった。何十年も口ずさんできた愛唱歌なのに、昨日初めて気がついた同工異曲だった。
「春が来た」 高野辰之/岡野貞一 明治43年(1910年)『尋常小学読本唱歌』
「牧場の朝」 杉村楚人冠/船橋栄吉 昭和 8年(1933年)『新訂尋常小学唱歌(四)』