打倒SJ4000! 新参中華アクションカメラ GitUp Git1 レビュー | 東京備忘録

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備忘録です。

今回は先日書いた中華アクションカムの大御所、SJCAMブランドとその製品SJ4000の話題に引き続き、アクションカメラネタです!

ついこの間の7月末に発足したばかりの中国のNEWメーカーで製品レビューの募集があり応募したところ製品をゲットすることが出来ました。
NEWブランドの名称は『GitUp』、深センに本社を構えています。
公式サイトはコチラ

ここだけの話、Vから始まるSJシリーズ等を扱う卸売業者が立ち上げたブランドです。


GitUpは現時点で『Git1』という1製品しか発売していませんが、『Git2』の発売も告知しています。
日本はもちろん世界的にも極めて知名度はゼロに近いですが、これからSJCAMの対抗馬となり定番になっていくのか中華製品に埋もれて消えるのか正直謎なところです。本家GoProではなくSJCAMをライバル視するあたりは少し変な感じもしますが・・・製品はかなり好印象ですので詳しく見ていきたいと思います。

<ここで差を付ける!>
SJ4000およびSJ5000等の定番商品にどういうアドバンテージで対抗するかで明暗を分けるわけですが、SJ4000自体が90ドルを割るか割らないかというアクションカメラとしては超破格設定ですので価格競争はこれ以上できなさそうです。
そこで機能面で差をつける方針で作られたGit1はありふれたの中華アクションカメラに比べ、2点ほど特徴があります。

1つ目はRCウォッチと呼ばれる、腕時計タイプの遠隔コントローラーです。


これは一応オプションという扱い(後述)ですが、これがあるのとないのでは雲泥の差でしょう。
GoProにもWiFiリモートという小型LCD付きの腕時計タイプのリモコンがありますが似たようなものです。ただ、中華アクションカメラにおいてリモコンを持つものはかなりレアです。

2つ目は外部マイクへの対応です。


こちらは完全なオプションとなります。SJ4000をはじめとする中華アクションカメラでは音声の録音には内臓の米粒ほどのモノラルマイクが使われています。このため音質は絶望的でした。


風が直接流れる場所、特にオートバイや自転車、運動中の人に取り付けた場合、風切り音しか録音することが出来ず、YouTube上のアクションカメラ動画の大半は録音音声は削除しBGMを付ける小細工がされています。
その問題を解決するため、外部入力のマイクに対応しました。

その他、FPVケーブルを接続すると自動的にAV出力モードに切り替わるなど、細かな工夫もされています。

Git1には通常モデルGit1と拡張モデルGit1 Proの2タイプがあります。カメラ本体は全く同じですが、アクセサリーの種類が異なりしたがって価格も異なります。

現在購入可能なサイトのひとつ、GearBest.comではスタンダードは89.9USD、Proタイプは109.9USDとなっています。この点では他製品と大差はないですね。

スタンダードはカメラ本体とケーブル、マニュアルくらいしか入っていないので本当に最低限のパッケージとなっています。ハウジングすら入っていません。
一方Proバージョンは上に加え、30m防水ハウジング、各種フラット・カーブドマウントベース、バーマウント、各種長短コネクター、長短固定ネジ、場合によってはRCウォッチ等が含まれています。
ただ、ProバージョンにRCウォッチが含まれている場合とない場合があるようです。確認して下さい。

正直、単品30USD弱のRCウォッチがあるだけでProバージョンを選ぶ理由になりますのでよほどのことがない限りこちらがおすすめです。

<Nexus7のパクり?!開封編>
それでは送られてきた製品を見ていきたいと思います。
右半分のアクセサリーはオプションですので、Proバージョンを注文した場合、左の箱のみが届きます。

製品梱包は丁寧でSJシリーズと比べるまでもありません。なんかNexus7 2013の開封してるみたい・・・


箱裏面には製品スペックが記載されていました。背景の人のせいで何が書いてあるのかほとんど読めませんが要所々々で以下にまとめてみました。

レンズ:160°ワイド
LCD:1.5インチ液晶
映像解像度:1080P 30fps/960P 30fps/720P 30fps/WVGA 120fps
写真解像度:12MP/8MP/5MP/3MP
映像出力:Micro HDMI / Mini USB
Gセンサー:サポート
Wi-Fi:サポート
ストレージ:最大64GBまでのmicroSDカード
バッテリー:900mAhリチウムイオンバッテリー(付属バッテリーは950mAhでした)、FHD1080Pレコードで90分(もちろん90分は流石に持ちません)
カメラ重量:64g(ハウジング無し) / 154g(ハウジング有り)
サイズ:59x30x41mm

以上がスペックです。ここに付け加えると、センサーはSONY Exmor IMX322でチップセットはNovatek 96655になっています。
最新のSJ5000Wi-Fiとチップセットは同じなので信頼性は確かなものであることがお分かりいただけると思います。
ちなみにSJ5000シリーズはすべてPanasonic製のイメージセンサを使用しています。

詳しいスペック等は公式サイト


外装のスリーブ状のケースを抜くと、これまたNexus7 2013を開封しているような感覚です。

どっちがGit1か分かりません。


白い箱を開けるとまるでお歳暮用のアクションカメラのように高級感漂うスポンジにハウジングに入ったGit1が鎮座していました。
何度も言いますが、SJ4000とは天と地の差です。


アクションカメラに限らず、最近の中華製品にはたいていカードが入っています。
ここにはWiFiアプリの件と問い合わせ先が書かれていました。このカードによると、GitUp製品用のWiFiアプリは開発中で今はサードパーティ製を使ってくれとのことでした。ウ~ン。

<外装デザインとモロモロ>


パッと見、至って普通のハウジングですが・・・蓋を開けるギミックが少し変わっています。黒いつまみを矢印方向に回すとロックが解除され冷蔵庫の扉のように横に蓋が開きます。
蓋を閉める際に2アクションあり片手で操作できないSJシリーズのハウジングに比べ非常に扱いやすく好印象!


ハウジングから出た本体です。
四隅を締めるヘックスネジが高級感をアップ!安っぽさが見られず、マットな質感の本体とGitUpのロゴがいいですね。デザインは◎です。


↑これがSJ4000なので似てるっちゃ似ています


背面はこんな感じ。中華アクションカメラでは背面のLCDが当たり前みたいな風潮に有りますが、実は本家GoProでは背面LCDはオプションで別売製品を取り付ける必要があります。
当たり前のようで当たり前でない背面LCDの恩恵は大きいはず。

また、Git1はLCDスクリーンが1mmほど奥に沈んでいます。SJ4000を触ったことのある方はお分かりいただけると思いますが、SJ4000はLCDスクリーン含めてフラットな背面なので、こちらを下にして置くことを躊躇していました。しかしこの構造ならその心配も少ないのではないでしょうか。
右側面にmicroSDスロット、MENUボタン(長押しでWiFiボタン)、上面は録画・停止ボタンです。



こちらが左側面。microHDMIの出力端子、充電用/FPV出力/マイク入力等に使うminiUSB、内蔵マイクの孔があります。


なぜここまでmicroUSB端子が普及した今、miniUSBを採用したのか・・・耐久性の面で勝るなど理由はあると思いますが、持ち運ぶケーブルが増えたのは少し残念です。



これがProパッケージにオプションの外部マイクを加えた内容です。
SJCAMの付属アクセサリーの多さには少し劣りますが、十分揃っている印象です。
もちろんマニュアルは英語。ただ大したことは書いていないので心配不要



少し面白い内容品が・・・


シリコン製のレンズキャップです(スタンダード/Proいずれにも付属) 
ハウジングに入れている限りレンズは安心ですが、ハウジングを使う場面というのは実はかなり限られているので重宝します。

<イイネ!アクセサリー編>
オプション品のアクセサリーが如何にイイネ!か説明していこうと思います。

1.RCウォッチ


名前自体が意味不明というかセンスを感じられませんが製品自体は非常に便利です。
ベルト部はナイロン製、シートベルトのような素材で、”ウォッチ”本体はラバーで覆われています。電池はCR2032で交換可能。


一応防水ですが、カメラ本体のハウジングが30m防水なのに対し、こちらは3m防水とかなり自信がない模様。生活防水程度に考えておいたほうが良さそうです。

4つのボタンが配置されてます。
・WiFiオン/オフボタン
・録画開始/停止ボタン
・写真撮影ボタン
・電源オフボタン

それぞれ説明の必要はないと思いますが、電源オン操作はこの”ウォッチ”からはできません。また他のセッティング等のファンクションを割り当てることも出来ません。
公式によるとFPVへの干渉はなく、制御範囲は5~7mです。レスポンスはかなり速いです。

このウォッチさえ装備していれば自撮り棒の先やヘルメットの上、車のボンネットに取り付けたGit1の録画開始ボタンをわざわざ押す手間が省けます。

2.外部マイク(純正)


見る限りAmazonで売っていそうな普通のマイクです。内蔵マイクに比べ、指向性が強い印象。端子はminiUSBでケーブル長は1.8m・・・長すぎですね
先端には風防とクリップがついています。おそらく市販のマイク(ただしminiUSB)でも接続可能だと思いますが要検証です。 通常のマイクでも動作するとのことです。


撮影場所の雰囲気全体を録音したいのであれば内蔵マイク、自分の声や特定の音を録音したいのであれば外部マイクと取り付けることでかなり明瞭な録音が可能になります。
当たり前ですが防水ハウジングに入れた状態では使えません。
ネイキッドフレームがあるとかなり便利なので用意するといいと思います。

<色が普通!画質編>
サブタイトルで”色が普通”と書きましたが、なんせSJ4000の色がヤバすぎて普通の色で録画できるGit1が素晴らしく見えます。
SJ4000は大きな欠点として、ホワイトバランス自動にすると青みが強すぎて現実の空や海とはかけ離れた色味の映像が撮れてしまう点がありました。

その点、Git1は”普通”の色、GoProのような非常に!!!ナチュラルな色味の映像を撮ることが出来ます。動画を御覧頂いたほうが分かりやすいと思います。
1080P 30fpsなのはやや残念ですが、十分、期待以上の素晴らしい画質です。この価格帯では群を抜いています。

映像に関しての欠点といえるところは、少し画角が狭く感じることと動画が .movで保存され、後からの取扱いが少し面倒ということくらいです。

以下、暗いところでの撮影も含め、いくつか動画を撮影しましたので是非1080Pに設定していただいた上で御覧ください。




編集時のコマ落ちあります。


縦揺れ・風切音が入っています。後日撮り直します。





<設定編>
Git1の設定は大きく分けて3種類あるので順を追って説明していこうと思います。

1.一般設定
・Data & Time Setting 日付時刻の設定です。
・SystemLanguage 言語設定です。英語/フランス語/スペイン語/ポルトガル語/ドイツ語/イタリア語/ロシア語/日本語/中国語/ポーランド語/チェコ語と日本語を含め多くの言語をサポート。ただ少し拙いです。
・ImageRotation 逆さにカメラを設置した時に画面を逆さにも設定できる機能です。
・Beep ボタン音のONOFF
・OSD Info OSD情報を画面上に出すか出さないか。小さな画面ですので常にOFF推奨。
・Screen Auto Sleep OFF/1min/3min/5min から選択でき、何分間操作がなければスクリーンをOFFにする省エネ機能です。
・Auto Power Off こちらも何分間操作がなければ電源オフと省エネ機能です。
・Car Mode Auto-Start 車にドラレコとして設置した場合、エンジンが掛かり、電源が供給されると自動的にGit1の電源もオンになる機能です。
・Frequency 60Hzと50Hzを選択することができ、信号や蛍光灯のちらつきを避けるものです。
・TV Mode NTSCとPALの選択ができます。TVに出力する際に、信号の種類として選択が可能です。日本ではNTSCで再生が可能です。
・RF Pairing 先ほどのかっこいいウォッチとのペアリング設定です。同時に購入するとペアリング作業は必要ありません。

2.ビデオ設定
・Video Resolution 画質設定です。1080P 30fps/960P 30fps/720P 30fps/WVGA 120fpsが選択できます。
・Loop Recording off/2min/3min/5min/10minから選択ができます。主にドラレコとして使用する場合のオプションですが、設定した時間ごとに録画ファイルを作成し、ストレージが一杯になると古いファイルから上書きが行われる機能です。
・Record Audio 音声の有無です。
・Date Stamp 映像の右下に日付をスタンプするかしないかの設定です。
・Time Lapse タイムラプスの設定です。off/1fps/5fps/10fpsから選択でき、タイムラプス撮影が可能です。
・Self-Timer Mode  5sec/10sec/20sec/30sec/60secとかなり長いものまであるので凝ったポーズでも撮影可能です。
・FOV  ワイドアングル160°とナローアングル120°の設定が可能です。正直あまり変わりません。
・WDR  ワイドダイナミックレンジの設定です。簡単に言うとHDRのようなもので暗いところと明るいところの差を補います。詳しくはググってください。
・EV  露出の手動設定です。
・White Balance ホワイトバランス設定です。Auto/Cloudy/Daylight/Tungsten/Fluorescent/Blue/Light Blue/Red/Light Red/Customから選択ができます。
・Custom White Balance Set カスタムホワイトバランスの手動設定が出来ます。
・Menu Botton Function 本体右側面のメニューボタンのファンクションをオフ/露出固定/ホワイトバランス固定/両方固定/オーディオミュートから選択できます。
・Motion Detection 動体検知すると録画を開始する、監視カメラのような機能です。
・G-sensor ドラレコの衝撃を検知するとその部分を取っておく機能ですが試していないため精度は不明です。聞くところによるとあまり信用はできないそうです。

3.写真設定(静止画)
・Image Size  画質設定。12MP/8MP/5MP/3MPから選択可能。
・Date Stamp  画像の右下に日付をスタンプするかしないかの設定です。
・Time Lapse  タイムラプスの設定です。off/1sec/2sec/5sec/10sec/30sec/60secから選択でき、タイムラプス撮影が可能です。
・EV 露出の手動設定です。
・Color 色味の設定です。Normal/Black & White/Sepiaから選択可能です。
・White Balance ホワイトバランス設定です。Auto/Cloudy/Daylight/Tungsten/Fluorescent/Blue/Light Blue/Red/Light Red/Customから選択ができます。
・Custom White Balance Set カスタムホワイトバランスの手動設定が出来ます。

設定項目は以上です。日本語設定にすると訳の分からない翻訳になっていたりするので、英語設定のまま使うのがおすすめ。

<他製品との互換性>


(画像はBEEWAYより)

アクセサリーに関しての互換性ですが、基本的にGoPro用アクセサリーと互換性は完璧です。(ハウジング、ネイキッドフレーム等を除く) またSJシリーズのバッテリーも使うことが出来ました。




↑この下2枚の固定では激しい縦揺れと風切り音が録画録音されました・・・失敗例です

SJ4000でも言えることですが、振動によるジョイント部のズレ、滑りは接触部をヤスリでガリガリに削ることで改善されます。
どうせ安モンのカメラなのでガリッガリにしてしまいましょう!

<WiFi機能に関して>


もちろんGit1はWiFi機能がついていますが、上にも書いたとおり、純正アプリは準備中ということでした。その間はサードパーティ製のFinalCamというアプリを使用する必要があります。
ここでFinalCamのレビューになるので省略します。基本的な操作と設定、映像・画像の端末へのダウンロードが可能でした。

純正アプリが出来ていないうちにカメラを発売するのもどうかと思いましたが、急いでほしいところです。

<まとめ!>
少し長めに書いてきましたが、結論としては、機能面、画質面、デザイン面でも癖のない、非常によく出来た作りになっています。
SJシリーズとGit1のどちらを買うか、というと間違いなくGit1を選びます。
正直Git1の天敵は付属品はなくても価格は安くナチュラルな色合いで1080P 60fpsを撮影できるXiaomi Yiです。SJシリーズを今更買うメリットはほとんどなくなりました。

↑中国スマホ最大手のXiaomiがSJブランドに対抗して発売したYi (画像はXiaomi公式より)

細かなことは上に書きましたが、Git1の決定的な欠点はなく、ストレスなく長期間使っていけそうです。
1つ挙げるとすれば、最近の中華アクションカメラでは1080P 60fpsに対応したものが多くある中、30fpsにしか対応していない、という点です。
この点は発売間近の後継機、Git2で少し割高になりますが対応することになっているそうですので気になる方は最新の情報をチェックしてみてください。
また、SJ4000のようにこれからファームウェアアップデートがあると思いますので現在欠点になっている部分も改善される可能性があります。


<さあどこで買う?!購入編>

知名度がないのでSJ4000のようにどこでも買えるわけではありませんが、逆に今のところパチモノもありません。
帰る場所は国内発送だとAmazon、海外通販だとGearbest.comとGitUp公式ページ等です。
AmazonページはGit1はコチラ、Git2はコチラ(正規品確認済み)
個人的にはGit2をおすすめします笑 Git1がよくないという話ではなく、Git2は中華アクションカメラの中でも頭一つ抜けた画質です。

以上、今回はGitUp Git1のレビューでした。YouTubeにたまにGit1動画を上げるかもしれませんのでよければチェックしてみてください。