先日の初級コース、マテリアメディカの授業で、私はAur.を担当しました。
このレメディの原材料は、金です。
ホメオパシーレメディの中で「鉱物」のレメディは大きな存在で、周期律なども理解の手掛かりにしていきますが、1年次では、まだ勉強しません。
初級コースでは、硫黄、鱗、水晶、プラチナ、金、銀など現物質の特徴がつかめやすくイメージしやすいレメディから学びます。
授業では、まずは、「金」について、知っていることを言ってもらうことから始めました。
“青い色だけを吸収する。貴金属の代表。永久に酸化しない。展性・延性にすぐれ加工しやすい。電気・熱伝導に優れている。 錬金術では、水銀の隣。
オーラム:金、暁、光り輝くという意味を持つ。
ゴールド:輝く、という意味を持つ。
金歯。神の皮膚と言われている。“
などでした。
では、これらのことから感じるイメージは?
“強壮。万能。完璧。王様。高貴さ。地上に届いた太陽。一匹狼。「どうよ、私を見なさい。」
大切に扱われる。“
そのあと、金でできたものの画像を見ていただきました。
金塊。仏像。金箔。エジプトピラミッドの埋葬品。金の器。奥州藤原氏の中尊寺金色堂。
雪の降る京都金閣寺。などなど・・・。
そのあと。Aur.の症状を想像していきました。
生徒さんたちが想像した症状は?
“孤独。ピークにいる。かまってほしい。愛に飢えている。自意識が高い。懐疑的。うつ。
重要な臓器にトラブルを持つ。“
マテリアメディカにでてくるAur.の最も有名な症状は、自殺傾向です。
でも、Aur.の人は、必ず自殺傾向をもつというのではありません。
また、レパートリーを引くと、他にもたくさんの自殺傾向のあるレメディが出てきます。
CHKで使っているレパートリーでは、
Aur.は、一番の高得点で記載されています。
MIND; SUICIDAL disposition
自殺傾向
そして、サブルブリックスとして、
MIND; SUICIDAL disposition; throwing himself from; height, a
自殺傾向:高いところから身を投げる。
MIND; SUICIDAL disposition; throwing himself from; windows
自殺傾向:窓から身を投げる。
ここにも、Aur.は記載されています。
金の人は、自分が高いところにいるという意識があり責任感がとても強いので、飛び降り自殺となるのではないかという話を、何かで読んだか、だれかに聞いたことがあります。
恐怖、怒り、反対されること、いらだたしさ、傷つけられた名誉、財産の喪失、過度の責任感などが原因で病気を発症してしまうような人。
超勤勉で、義務感が強く、過剰な罪の意識を感じ、祈ります。
自信がなく、見捨てられたような感覚を持っています。
MIND; CONFIDENCE; want of self
自信がない
MIND; FORSAKEN feeling
見捨てられた感覚
これらは、自信がなくて、はずかしがり屋の、Puls.(プルサティラ/西洋翁草)やLyc.(ライ子ポディウム/日陰の蔓)Sil.(シリカ/水晶)でまずは学ぶルブリックス(症状)です。
症状は同じでも、レメディによってその症状の背景にあるエネルギーが全く違うのだということ。
これは、とても面白いと思います。
人も、同じで、似た傾向があっても、それぞれ、その人の背景は違っています。
授業では、マッパムンディを使って、このレメディの全体像を感じてみました。
Aur.の人の持つ症状は、四大元素のどの部分に偏っているのだろうか?
冒されやすい部位は、精神、血管系、神経、心臓、骨、腺、肝臓、腎臓、目。
悪化要因は、夜
好転要因は、冷たさ、暖かさ、歩行、休息。
マッパムンディでは、
神経、心臓、血管、生殖器、高血圧、目、などFIREに入る要素が多くあります。
また、夜の悪化、自殺、耳・鼻、冬の悪化、音楽の過敏さなどがAIRに入ります。
Aur.の人は、「FIRE火」の要素と、「AIR空気」の要素に集まっているのがわかります。
ですから四元素では「火」と「空気」の縦の軸を作っている人だと理解できます。
四つの気質から見ると、「胆汁質」と「憂鬱質」の二つにまたがっているように見えます。「胆汁質」は、ダイナミックで説得力がある人です。
決断力、爆発的な激怒、反対されることに耐えられない、ため込みやすい、勇敢、活動的。
「憂鬱質」は、内気で閉鎖的な人。
厭世的、憤慨している、抑圧されている、控えめ、醜く無価値に感じる、損失への恐怖、仲間を避ける、哲学的、内省的、思慮深い、孤独が好き。
ホメオパシーの特徴は、全体性を見ることと、個別性をみるというところです。
身体的に困っていることだけでなく、困っている人の持つ精神的なところもまとめて、より類似したレメディこそがその人を楽にしてくれます。
そして、楽になるというのは、悩んでいる体の症状だけではなく、心もまとめて楽になるということです。
また、身体の症状も心の症状も、その人らしさ、個別性が大切。
同じ病名を持っていても、その人に必要なのは、みなそれぞれ違っていて、その人の個別性にあったレメディを必要とするのです。