JR西日本683系4000番台 | 車内観察日記

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鉄道の車内の観察する日記ですよ。目次に記載した「☆お願い☆」をご一読の上、ごゆっくりどうぞ。


北陸新幹線開業の足音が忍び寄りつつあった2009年、485系を置き換える目的で9両12本の683系が増備されました。4000番台で区分されており、これらの増備によりJR西日本に在籍していた485系は全廃、同時に1往復のみ残存していた「雷鳥」も廃止され、大阪発の北陸方面特急列車は全て「サンダーバード」に統一されました。


繁忙期には3両増結した12両編成で運行されます。デザインは将来の地方線区転用と安全性を考慮したオフセット衝突対策構造を取り入れた関係で非貫通先頭車も貫通構造と同じデザインとなっており、貫通路部分は準備工事とした板で塞いでいます。JR西日本がデザイン性を捨てて実用性を追い求めるようになったのはこの辺りからで、件の事故が多分に絡んでいるように思います。


それでは参りましょう、デッキドアです。ブラウンのドアがシックさを演出します。この辺りの色使いは西日本が得意なものですね。


ゴミ箱も備わります。飲料系とその他で分別されており、ステンレスで出来ています。デザイン的に引き立てたかったのと、ゴミによる汚れを落としやすいようにしている点は681系以来伝統的に受け継がれています。


携帯電話の通話スペースです。683系2000番台までは据付の公衆電話となっていましたが、4000番台からは通話スペースとしてデッキとは区切られた部屋となっています。よく「通話はデッキで・・」と言ったアナウンスを聞きますが、実際問題デッキは台車直上で騒音が大きく通話には不向きなことも多いので、このような設備が新設されたのはありがたいですよね。


サニタリースペースです。


洗面台です。鏡に照明を仕込む手法はもはやJR西日本の伝統です。


男性小用です。やはり狭いですね。


バリアフリー対応車両のトイレです。円筒形で大型化されています。


向かいにある洗面台です。カーテンで区切られるようにしています。


その隣には全身鏡もあります。従来車と比べてスペースについて見直しがされているので、以前のように「通路で・・」と言った感じでは無くなっています。


多目的室です。普段は施錠されています。


自動販売機です。車内販売が在来線特急列車から全廃されたのは残念ですが、飲み物は車内で調達することは出来ます。


車内です。これまでグレーとサーモンピンクの座席カラーとなっていましたが、この系列から青色と灰色の2系統を使用したモケットになっています。画像は青系のモケットを有する車内です。


デッキ仕切りです。仕切り窓は細長いもの、ドア上にはLED表示機が備わります。ここはあまり変わりませんね。


天井です。暖色系の間接照明もJR西日本らしいです。


照度を補う為に読書灯が設置されています。


窓です。2席に一枚が割り当てられています。なお、基本的に金沢行きが奇数、大阪行きが偶数の席を取ると柱が視界を遮らない席となります。


座席です。0番台からモデルチェンジが行われています。 0番台と比べると、ヘッドレスト部分がえらく厚くなっているように見えます。 サンダーバードに投入される系列って、新しく登場する度に座席の形状が変わっていってるような…。


画像は灰色系の座席です。付帯設備は681系より伝統となっているシートバックテーブルとインアームテーブルです。ここは座席の形状が変わってもそのままのスタイルです。681系と比べて多少大きくなり、形状も改善されていますね。


こちらは青系の座席です。座り心地ですが、どういうわけかあまり良いとは言えません。ヘッドレストが分厚くなったスペースの問題なのかは分かりませんが座面が短くなっているような気がします。またモケットもリサイクル性を考慮したのか225系のようなブロックパターンで触り心地もプラスチッキーな感じがします。0番台と比べるとえらく安っぽくなってしまったなぁ、という感想を持ちました。一応進歩が無いわけではなく、端から喫煙を考慮していないため、アームレストの肘当て部分が伸ばされて金属部分が少なくなっています。


デッキ仕切り際は大型耐荷重テーブルにコンセントを備えたオフィスシートとなっています。近年JR東日本では全席にコンセントを備えた車両が登場していますが、JR西日本ではあくまでコンセントはデッキ仕切り際のみの設定という方向のようですね。


車椅子対応の1人掛けです。通常指定席車として連結されており、とあるタイミングからでないと発券されません。


全展開の図。窓側には非常ボタンも設置されています。


続いてグリーン車へと参りましょうか。デッキドアは普通車よりも黒っぽい色調となっています。


トイレです。木目調の化粧板となっていますね。


向かい側には男性小用トイレと洗面台があります。


グリーン車内です。0番台までと比べると、色調が明るくなりましたね。


デッキ仕切りです。両側が1人掛けとなったため仕切り扉が中央に来ています。0番台までが紫系の灰色をした柄だったのに対し、えらくシンプルになてしまったなぁと。


窓です。そういえば、荷棚下の読書灯も可動式から普通車と同様の方向固定式となり、柱部分の飾り照明もありません。完璧にやる気を無くしていますね。


さてさて、座席へと参りましょうか。


まずは2人掛け。付帯設備は2面式のインアームテーブル、ドリンクホルダー、角度固定式のフットレスト、ヘッドレストピローとなっています。設備面では0番台と違いありません。


センターアームレストにはコンセントが全席備わります。


続いて1人掛けです。北陸方を向いて右側、琵琶湖や立山連峰を眺められる列となっています。また2人掛けにも1席のみ1人掛けが存在しており、これは4000番台のみの特徴となります。駅の自動券売機でグリーン車の画面を叩くと、そのサンダーバードがどの番台で運用されるかが一目瞭然となります。


そうそう、座り心地ですが、残念ながらこれまでのサンダーバード一族の中でも最低ランクに位置づけられると思います。特に681系や683系0番台に慣れた後だと腰を降ろした瞬間「あ、ダメ」と一発で分かる座面のフッティングの悪さが際立ちます。周囲のお手抜き感を見てみると、低コスト化に血眼になった結果肝心の座り心地を置き去りにしてしまったのでしょうね。エクストラチャージを必要とする車両・座席において一番やっちゃいけないことをやってしまっています。JR西日本の在来線特急の中でもフラッグシップと位置づけられる名門特急列車にしてこの手落ち感はガッカリを通り越して呆れるレベルです。現在4000番台には早くもリニューアルを施された編成が存在しますが、そちらではグリーン席も改座されているとのこと。0番台と同等の座り心地に戻っていることを祈るばかりです。

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