オリーブの木 | イタリア フィレンツェ 田舎暮らしの12ヶ月

イタリア フィレンツェ 田舎暮らしの12ヶ月

動物たちに囲まれた
トスカーナの森の中 自然に寄り添った半自給自足
フィレンツェ 田舎暮らしの12ヶ月

今週 4回目の虹。
アルトゥーロは ちゃんと
おじぃのところに着いただろうか。



ジージャが アルトゥーロのベッドを
クンクン匂っている。
ぼーっとしていると聞こえてくる。

「アルトゥーロはどこにいるの?」

「おじぃのところに行ったのよ」と答える。

「おじぃって だあれ?」

「おじぃは バッボのバッボで
(トスカーナでパパのことをバッボという)
アルトゥーロやジージャのおじぃなんだよ」と答える。

「ふ〜ぅん」と分かったかのように
ジージャが答える。

残念ながら 動物と話せる能力者ではない。

彼女は私の癒やし。
今日も手を繋ぐ。



アルトゥーロの最期に対して
たくさんの反対意見を受けるだろうと思っていた。
どこにもない 正しい答えなんぞ
探し続けていては
あっという間に白髪が増えそうだ。

私は アルトゥーロを心から愛していたし
アルトゥーロもそうだったことを 
私は知っている。

だから それでいいんだなって。

私とアルトゥーロが 知っていれば
それでいいんだなって。

旅立ちの時に側にいる事ができて
幸せだった。

アルトゥーロのオリーブの木。
大きく育ってくれるといいな。



私には ダックスフンドのナナがいる。
彼女は お姫様だから
彼女の姿が見えないと私は不安だし 
怪我しないか 今日はお腹痛くないか 
色々心配だし 食物&虫アレルギーもあるし
お世話もかかるし 
唯一室内暮らしの彼女を
綺麗にしてあげなきゃいけない。

アルトゥーロは 枯れ葉とか土とか
いつもあちこち付いてたし
どこでも寝てたし 
どこから持ってきたのか野生肉とか 
かじってたし(笑)
信頼してたし 愛情も溢れてたし 
心配も不安もなかった。

動物たちとは こういう関係でなければいけないんじゃないかなって 感じた。
感じたというよりも 知ったという感覚。
考え方が大きく変わる出来事だった。

だからってね… 
今日もナナの歯を磨きますよ(笑)

アルトゥーロの存在が大き過ぎて
不在感も大き過ぎて 森の田舎暮らしの中には
たくさんのアルトゥーロの影があって
なんだか寂しくて 思い出しては
涙が溢れることがまだまだある。
だけど アルトゥーロの影を見つけて 
微笑んでしまうことも増えてきた。
アルトゥーロと私は きっとまた逢える。

アルトゥーロの付き添いのない 森散策。



10月は 栗とキノコの季節。



かごいっぱいに収穫。



1人森の中 大きな声で叫んでみる。

アルトゥーロ!!
アルトゥーロ!!

しーんとする森の中。
多分来たよね。
のしのしと。