横山玲奈(モーニング娘。’20)と「仮面ライダーゼロワン」について。 | …

i am so disapointed.

明け方にradikoプレミアムのエリアフリー、さらにはタイムフリーで、先週の「ヤングタウン土曜日」を聴いていた。「ヤングタウン土曜日」は大阪のMBSラジオで、毎週土曜日の午後10時から90分にわたって放送されているラジオ番組である。メインパーソナリティーの明石家さんまはまだ若手で、全国的にそれほどブレイクしてもいなかったであろう1976年から「ヤングタウン」に出演し、1992年からは「ヤングタウン土曜日」となっている。この番組にはヤン娘と呼ばれるアシスタントがレギュラー出演していて、現在は飯窪春菜とモーニング娘。’20の横山玲奈が務めている。

横山玲奈といえば私が昨年の12月5日、T・ジョイPRINCE品川に「モーニング娘。’19コンサートツアー秋〜KOKORO & KARADA〜FINAL」のライブビューイングを観に行った際、途中から目が離せなくなったメンバーである。どこが良かったかというと、表情や動きといったところだろうか。

吉川友をゲストに迎え、番組はいつものように進行していたのだが、横山玲奈の誕生日が2月に迫っているという話の流れから、明石家さんまが誕生日に何をプレゼントするかという話題になった。この番組ではよく、ヤン娘やゲストが欲しいと言ったものを、明石家さんまが家にあるから持ってくるわ、などと言うのだが、忘れて持って来ないということが度々起こり、恒例のパターンになっているようなところがある。昨年は美顔器をあげるなどと言っていたことをぼんやりと覚えているのだが、結末がどうなったのかは忘れてしまった。

それでも今年は何が欲しいかという話題で、横山玲奈は「仮面ライダーゼロワン」の変身ベルトだと答えた。横山玲奈は「仮面ライダー」のようなものも好きだったのか。ここ数週間での浅くて薄いリサーチでは、そこまで捉えきれていなかった。「仮面ライダー」シリーズは私も小学生の頃に観ていたが、元号はまだ昭和の大昔の話である。当時、「仮面ライダー」シリーズを観ていたのは、男の子のせいぜい小学生ぐらいまでではなかっただろうか。

当時はアニメや特撮のようなものは小学校低学年ぐらいで卒業するものとなんとなく認識されていて、私などは小学校高学年で講談社の「テレビマガジン」を買うのを親にやめさせられたのだが、それでも読みたくて何号かは内緒で買っていた。しかし、親に隠れて買っていることに対する罪悪感の方が強くなり、そのうち買わなくなったのだった。それから再び興味を持つようなこともなかった。

最近の、というかある時期以降の「仮面ライダー」シリーズが大人にも楽しめるような作品になっていて、ファン層も幅広いという話はなんとなく知っているつもりだったのだが、観るきっかけもなかったし、これからもずっと縁は無いのだろうなと思っていた。

しかし、なんだかマイルドな胸騒ぎがして、なんとなく調べてみたところ、これがなかなか面白そうなのである。AI(人工知能)と人間社会との関係性という、近い将来に身近な問題になるだろうといわれていて、何となく気にはなっているにだがそれほど実感は湧かない問題がテーマになっているという。主人公である仮面ライダーゼロワンが変身していない時の仕事は売れないお笑い芸人で、社長でもあるという。AIを搭載したアンドロイドはヒューマギアと呼ばれ、主人公の祖父の会社であった飛電インテリジェンスが製造し、人間の様々な仕事の現場に派遣しているという。これが人間にとって善なのか悪なのかという、SF作品では昔からテーマになっていた問題とも共通するところがあるのだが、AIや派遣と労働現場との関係性というのは、今日においてより身近に感じたりもする。

この番組ではメインの視聴者層であろう子供に労働の価値や夢や情熱の素晴らしさをメッセージとして伝えるのと同時に、一緒に観る可能性が高い親の世代にはAIについてより身近に知ってもらおうという意図もあるようだ。最近はインターネットの見逃し配信というのもあるので、取り敢えずちょっと観てみようかと思い、軽く調べてみたのだが、最新話だけが無料で観られるサービスがいくつかあるようなのだが、東映特撮ファンクラブというやつで月額960円を払えば、第1話から全てが観られるということである。それだけではなく、私が子供の頃に親しんだ昔の「仮面ライダー」シリーズ等も全部が観られるようである。実際に観るかどうかは別として、それならば安いものではないかと思い、アプリをダウンロードして登録した。

映像が新しく、CG等も駆使されていて、とてもカッコいい。主人公だと思われる若者は、いわゆるいまどきのイケメン俳優のようだが、確かに遊園地のステージで営業をしてウケていないお笑い芸人を演じている。飛電インテリジェンスの社長であった祖父の死により、副社長が2代目社長に就任するだろうと確信しているのだが、これを演じているのがアンジャッシュの児嶋一哉である。しかし、遺言状で次期社長に任命されたのは、売れないお笑い芸人である孫の飛電或人であった。

飛電インテリジェンスではAIのテクノロジーを人間の生活をより豊かにするために使おうとするが、これを悪用しようとする闇の組織が搭乗する。このリーダー格の若者がサイコパス的なキャラクター設定のようで、なかなか興味深い。そして、飛電インテリジェンスの目的を疑問視する対人工知能特務機関A.I.M.S.というのも登場するが、隊長のこれもまたイケメンの若者はヒューマギアに対してトラウマをかかえているようだ。彼もまたゼロワンとはまた別の仮面ライダーに変身する技術を持っている。1話と2話だけしかまだ観ていないので、詳しいことはよく分からないのだが、なんだか魅力的な設定である。A.I.M.S.には重要な任務をあたえられている女性隊員も登場し、男女共同参画社会を反映しているようにも思える。

子供の頃に観ていた「仮面ライダー」シリーズにもおそらくテーマがあったのだろうが、子供にとっては仮面ライダーと悪の組織が送り込んだ怪人との対決シーンこそがお目当てであった。私もいまでは大人になったため、まさかこんなものでは喜ばないだろうと思ったのだが、かつての感覚が無意識レベルで残存しているのだろうか、それを十分に楽しむことができたのと同時に、なんだかとても懐かしい気持ちにもなった。

或人は売れないお笑い芸人でもあるので、シリアスな状況でも持ち前のサービス精神で、身も蓋もない駄洒落を言ったり、「アルトじゃないと」という渾身のギャグを披露する。すると、秘書のイズがそれを冷静に解説し、それに対して或一人が「お願いだからギャグを解説しないで〜」と懇願するというオチが付く。この辺りのセンスも絶妙である。

「仮面ライダーゼロワン」の「ゼロワン」とは「01」であり、レイワンと読むこともできる。これは元号が令和になってから最初の「仮面ライダー」シリーズという意味合いをも含んでいるようだ。

私が最後に観た「仮面ライダー」シリーズは小学生だった昭和に放送されていたものであり、平成を飛び越えて、令和のシリーズを観ることになったのである。変身シーンもCGを駆使したカッコいいものになっていて、途中でバッタのようなフォルムのものが登場するのだが、そういえば初代の仮面ライダーもバッタをモチーフにしていると、「テレビマガジン」か何かで読んだような気がする。そして、「ライダー」というからにはバイクなのだが、第2話でちゃんと出てきて感激した。

テクノロジーをテーマにしているが、ストーリーやキャラクター設定においては、人間味とでもいうようなものが肯定されているように思え、それがこの作品のメッセージであるようにも思える。

そして、それはEDMなどの手法を用いながらも、きわめて人間的な内容を歌った、モーニング娘‘20の、たとえば「KOKORO&KARADA」などに通じる感覚なのではないだろうか。

「仮面ライダーゼロワン」とシリーズ前作である「仮面ライダージオウ」とをメインにした劇場作品、「仮面ライダー令和 ザ・ファースト・ジェネレーション」が昨年末から公開されていて、横山玲奈はこれを弟と一緒に観に行ったようだ。また、昨年のクリスマスイブには例年と同じように、仮面ライダーのクリスマスケーキを食べたということである。