新しい機材 Hasselblad 2000FCW + F110mm F2 | シネレンズとオールドレンズで遊ぶ!

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カメラマンヨッピーのブログ。シネレンズやオールドレンズなどのマニュアルフォーカスレンズをミラーレスカメラに装着して遊び、試写を載せていきます。カメラ界でまことしやかに語られているうわさも再考察していきます。

新しくHasselblad 2000FCW + F110mm F2がレギュラーレンズの仲間入りを果たした。

僕はレンズを趣味用と仕事用に分けていて仕事用レンズのことをレギュラーと呼んでいる。

Hasselblad 2000FCW

もちろんHasselblad本体は今のところ趣味用である。2000シリーズは1600Fから続くハッセルブラッドの正当継承フォーカルプレーンカメラである。実はハッセルブラッドの初代は1949年の1600Fである。レンズシャッター機の500シリーズが有名だが初代はフォーカルプレーンシャッター機だったのだ。F110mmF2は1977年に2000FCシリーズと合わせて発売されたF2の大口径レンズでハッセルブラッドレンズで最も明るい。その極薄のピント面は薄氷のようで感覚では35mm判のF1.2クラスのレンズを思わせる。あまりにもピント面がシビアなので通常のスクリーンではピントが合わない。そこで『オプトファイバースクリーン』という特殊なスクリーンが入っている。

通常形態

正直プリズムファインダーではピント合わせできなかった(笑)

このカメラ実はカメラ学校時代の恩師から譲っていただいたものだ。その先生から引き継いだ大切なレンズが今回のレンズだ。もちろんだからレギュラー入りというわけではなくこのレンズ本当に恐ろしくよく写るのだ。

Hasselblad 2000FCW F110mm F2 F2にて撮影

フィルムからスキャンした。圧倒的な被写界深度の薄さだ。撮影時はフィルムということもあって久々の緊張感だった。もちろん普段の撮影も緊張感を持ってやっているが耳がキーンとなる感じは久しぶりだった。

このレンズの構成は7群7枚の変形ガウスタイプ。紛れもない前群分割タイプだ。前群分割構成は一眼レフカメラ用大口径標準レンズ黎明期に姿をあらわしたものの、後群分割に敗れ姿を消したレンズ構成だ。自由度が高い反面収差を抱えやすく被写界深度も浅くなりがちなナイーブな設計だ。とはいえプロミネントノクトンや凹みウルトロン、ウルトロン、ローライプラナー、CFプラナー80mmF2.8、Planar80mmF1.2などドイツ系の名レンズが数多く採用している型でもある。しかもこのレンズは全て分割の7群7枚。設計の自由度がめいっぱいあるのが特徴だ。ドイツの前群分割型変形ガウスタイプの真骨頂がこのレンズといっても過言ではない。

F110mm F2 F4 にて撮影 SONY α7R

薄いピント面はF4まで絞ると圧倒的な解像力を見せる。この写真車窓から一瞬見えるスカイツリーを撮ったものだが、塔のてっぺんの着雪防護ネットまではっきりと写っている。 

α7Rと合わせるとこんなにメカメカしくなる。

Hasselblad使用時の深度を再現したくてPentax645Zで撮影もしてみた。

35mm判より深度の浅さは出てる気がする。

しかしフィルムのほうが量感出がでている。そもそもフィルムと比べることがナンセンスだと思うが、このレンズのポテンシャルをフルで活かせるボディーは欲しい。
SONY α7Rでのスナップ

拡大画像

見事な写りだと言わざるをえない。

ZeissIkonは1971年に写真機生産から撤退した。1974年にCarleissはヤシカ(後に京セラ)と提携して新生コンタックスが誕生する。

それを境にレンズ生産もそのほとんどが日本に移行してゆく。その中でHasselbladやRolleiflex用などの中判スチール、Arriflex用などの一部の業務用カメラAniversaryモデル、などの特別なレンズはCarlZeissがドイツ本国で生産していた。F110mmもその時代のMade in West Germanyだ。F110mm F2は当時50万円以上した超高級レンズなのである。圧倒的な写りもそれを聞くと納得がいく。

今後僕のレギュラーレンズの中核を担っていくであろうレンズである。