LEAF APTUSⅡ-7 Hasselblad F110mm F2 珍しくカメラの話 | シネレンズとオールドレンズで遊ぶ!

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カメラマンヨッピーのブログ。シネレンズやオールドレンズなどのマニュアルフォーカスレンズをミラーレスカメラに装着して遊び、試写を載せていきます。カメラ界でまことしやかに語られているうわさも再考察していきます。

知人からLEAF APTUSⅡ-7を借りた。というのも16bitという世界に興味があったからだ。

通常国産のデジカメのほとんどは14bitを採用している。分かりやすく言うと

12bit=4,096階調

14bit=16,384階調

16bit=65,536階調

階調がまったく違う。

もちろん16bitを再生できる環境などそうそう無いはずである。

通常のパソコンモニターの端子が10bit対応だからだ。

しかしそこが重要ではないということをなんとなくではあるが感じていた。たとえば車で高速道路を走るとき法定速度80kmだったとしても軽自動車とポルシェでは走りの質が違うように上限が定められていても質の差が生まれるはずである。

そして人は本能的にそれを見抜けるのではないかと思ったのだ。

ちなみに今回お借りしたAPTUSⅡはLEAF社の製品だ。LEAF社はデジタルカメラバックのさきがけで1992年に世界初のデジタルカメラバックを発売している。

主な仕様は以下のとおり

 

CCDサイズ 48mm×36mm

画素数 3300万画素

16bit RAW

ダイナミックレンジ 12段

 

センサーサイズはフルサイズのちょうど2倍、画素数は現行のハイスペック機並、センサーはなんとCCDでダイナミックレンジは12段。こちらも最近のハイスペック機並。発売が2010年ごろであることを考えると当時はぶっちぎりのスペックだったはずだ。

ちなみに当時はCMOSで16bit機を作るのは困難だったらしく、CCD機が主流だった。最近ではLeicaS(007)など16bitのCMOS機も出てきた。

 

と、スペック解説が長くなったが、肝心の写りはどうなのか?

 

Hasselblad F Planar 110mm F2

 

Hasselblad F Planar 110mm F2

 

すばらしい諧調、色再現。もちろんF Planar110 mmの描写力もあいまってだが、今までのデジカメのイメージを一新するくらいの写りだ。特に2枚目の木漏れ日の描写は本当に秀逸。ライトはピーカンで完全に木漏れ日のみ、ディフューズをしたわけではなく撮影後も標準的な現像のみ。なのに写っている。スキントーン、髪の質感、ニットの質感、ハイライト部、シャドー部のトーンすべて再現されている。

僕の想像を遥かに超えた写に驚愕する。通常この明るさの髪で直の太陽光だったとき髪のハイライト部の描写はあきらめる。しかしハイライト部はもちろん手の影になったシャドウ部の髪でさえしっかり描写している。左手のハイライト部の描写もあきらめるところだがしっかりスキントーンが出て手のふっくらした感じも伝わってくる。

これが16bitの力か!!

もちろんその他様々な要因がかかわっているのだとおもうが、この写りは僕が知る限り最強だ。

ただしこのカメラ実用感度がISO50~200

秒間1コマ

重量が2kg超(レンズ込み)

の恐竜カメラ。

 

しかしそんなマイナス面をかかえてでも手にしたいカメラだ。