生きておりますよ、ええ
昨年、秋よりコロナ&多忙なため、琵琶湖にも行けずモジモジした日々を送っております。
桜もとうに散り、ハナミズキやモッコウバラが満開な折、「謝罪文が掲載されたようです」
と小耳にした。
タイトルにある通り、滋賀県の某旅館がロシア、ベラルーシ国籍の方の宿泊を拒否し、法令(旅館業法)違反により行政指導されたということです。
その旅館とは長浜、尾上にある、高級旅館・紅鮎さん。
すでに紅鮎さん側は公式HP上にて謝罪文を出し、その経緯と今後についても語られています。
気持ちは解らなくもないが...
何故、受け入れ拒否したのかの経緯はHP上の謝罪文からうかがい知ることが出来るのだけども、気になるのは、「ロシアの指導者を止めるのはロシアの国民でしかなく、ロシア国民に具体的な不利益が及ばなければ国家を変える行動につながらない」という考え。
確かに選挙(ロシアという国における選挙システムがどれほどの公平性があるのか疑問ですが)において国民が選択したという点においてはそうかも知れませんが、逆に言えば、「(プーチンではない)違う指導者に投票した」という国民も多くいるはずです。
それをひとくくりに、「ロシア国民」と片づけるのはちょっと乱暴な気がします(無論、紅鮎さんもロシア・ベラルーシ国民に罪はないと仰っています)。
謝罪文では、内戦状態(ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争?)であった旧ユーゴスラビア在住時に戦争の悲惨さを身をもって感じたと述べられているが、そもそも社会主義を掲げる国においては、戦争抑止の意味もあるシビリアンコントロールというものは機能しない。
オジサンも昔、内戦状態であった国で働いたことがあるから、そういった戦闘が国民に何をもたらすのかを見ている。
だから、そういった気持を抱くのも解らなくもないが、だからと言ってひとくくりにしてしまっては、新たな偏見や意識が芽生えかねない。また、そういう小さな事から新たな火種が生まれる可能性もなくはない。
行政指導が行われなかったとしたら?
今回、行政指導が入ったことで謝罪文を掲載したようですが、では、指導されなかったとしたら、どうだったのでしょうか?
そのまま宿泊拒否を続けていたのでしょうか?
後日、掲載された、今後の活動でも、「いかなる理由があろうとも旅館業法に定められた規定を遵守すべきであることを再認識」と書かれていますが、裏を返せば、「旅館業法に定められていなければ宿泊拒否します」とも取られかねません。
仮にロシア国籍の方が宿泊に来ても、「現在は満室で...」とか、「コロナの影響で...」とか、やんわりとお断りをすれば良かったと思うのだけども、公式HP上で、「ロシア、ベラルーシ国籍の方の宿泊を拒否します」ではあからさま過ぎるのではなかろうか。
日本一の湖、琵琶湖。その懐の深さを知る者の対応としては、少々残念な気もしますが...。
日本人だからこそ
確かに今回のロシア軍によるウクライナ侵攻は許されるものではありません。
如何なる理由があろうとも、他国に武力を持って一方的に踏み入るなど間違っていますし、ロシア(国民を含めた)に対して嫌悪感を持つ方がいても当然だと思います。
ですが、そういった嫌悪する気持ちも含めてより弱者(ロシア・ベラルーシ国民含め)に手を差し伸べることが出来るのが日本人だと思っています。
地球上でもっとも歴史のある国家の民族として、また先の戦争で悲惨な経験を積んだ国民として、削除され、受け入れ再開したとはいえ、だからこそ、そういった言動・行動を行ってしまった紅鮎さんの対応は非常に残念でなりません。
※あえてリンクは貼っていません。