ある中年男性がネットに投稿した「53歳独身だけどやる事なくて辛い」という記事が話題となっている。
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53歳独身だけどやる事なくて辛い
最寄り駅の立ち飲みやで軽く晩酌してつまみで腹を満たし8時頃帰宅した。
もう既にやる事が無い。
一時小説を読んでいたが目が疲れるのでやめた。
両親は共に他界してる。
本当にやる事がなくて暇だ。
会社ではそこそこのポジションにいて、それなりに給料を貰っているが使い道が無い。
同級生はほぼ所帯を持っているので平日の夜に呼び出すなんて事は出来ない。
そもそも家庭がある人間と話が合わなくなって来た。
子供の教育や進学の話なんぞ分かるはずが無い。
私が死ぬまであと40年程ある事に絶望してる。
毎日仕事して帰宅して起きてまた仕事しての繰り返し。
週末は本当に何をしていいか分からない。
趣味を持てなんて言われても正直めんどくさいしこの歳から何をすればいいんだよって思う。
一時寂しくてキャバクラに行ってた時期も合ったが相手が自分の金の事しか見てない事が分かりやめた。
結婚しておけば良かった。
少なくとも今よりは絶望を感じないだろう。
仕事に家族の為に働くという意味を見いだせるだけで御の字だ。
なんでこんな人生なんだ。
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端的に53歳独身男性の悲哀が表現されている良文だ。
何もやる事が無いとボヤキながらも、小説を読み、立ち飲みやで一杯引っ掛け、キャバクラに通うなど、中々に充実した日々を送っている。
「最寄り駅の立ち飲みやで軽く晩酌してつまみで腹を満たし8時頃帰宅した。
もう既にやる事が無い。」
「様々な事に挑戦するが、それでも上手くいかない。
なんでこんな人生なんだ。」
このあたりのボヤキ芸、ヒロシに通ずるセンスを感じる。
「俺のサドルがありません...ヒロシです...」
「今日は占いで思わぬ出会いがあると言われましたが、一日中家にいました...ヒロシです...」
「僕の知ってる女の子はみんな電波の悪いところに住んでいるとです...ヒロシです...」
「女の人と五分話をすると好きになります...ヒロシです...」
「僕と会う約束した女の人は当日風邪をひくとです...ヒロシです...」
私の敬愛するヒロシを髣髴とさせる、読めば読む程ジワジワ来るセンスの良い笑いだ。
しかもそれを「はてな匿名ダイアリー」なる日記にしたためる当たり、相当な笑いの切れ味と言わざるを得ない。
テレビでお笑い番組を見なくなって久しいが、新たな才能は確実に芽吹いている。
実に心強いモノだ。
更にはこの中年男性に対して、コメント欄に書かれたコメントも秀逸である。
「つらいが耐える」
「結婚してれば1人が良かったと思うよ」
「ぼくもこういう人になりそうだけど、この人とぼくが違うのは『金がない』というところだ」
「君ぃ、極真をやりなさい!」
「ソープに行け」
53歳独身、実に楽しそうでは無いか!
かとぅ