和訳Queen『Bohemian Rhapsody』(ボヘミアンラプソディー) | タブンダブン

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流浪のライター、かげぎすのブログ。書評、映画感想、洋楽の和訳などいろいろとやっています。

さて今回の和訳はQueenBohemian Rhapsody(1975)。

 

 

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「母さん、僕は人を殺してしまった」

 

と、こんな衝撃的なフレーズが壮大な曲の幕を開ける『Bohemian Rhapsody』。

 

ロックの新境地を開拓した伝説であり、これを聴かずに洋楽は語れないだろ!と言われる名曲のひとつ。

 

 

 

 

かつて売れる前Queenは、

 

「ロックなんだかそれとも違うジャンルなのかよくわからん」

「存在が中途半端」

「クラシック音楽の要素をかけあわせた珍妙なバンド」

 

と酷評されていました。

 

つまり、「売れるわけがない」

 

当時はそう考えられていたのです。

 

じっさい、英国ロックが世界を席巻するシーンにおいても、Queenは見向きもされませんでした。

 

そのときはビートルズというモンスターが一線を退き、世代交代のさなかに入れ替わるかたちで帝王ツェッペリンが台頭した時代。一方でデヴィッド・ボウイのような前衛的な音楽(グラムロック)が一世を風靡していたりもしました。

 

フレディ? 誰それ? 状態です。

 

いまでは考えられませんね。

 

しかし時代というのはそういうものなのでしょう。どんなものでも、「新しさ」が根付くまでには時間が必要なのです。そういう意味では、フレディ・マーキュリーの感性はいくぶん時代の先を行き過ぎていたのかもしれません。

 

皮肉にも、なぜか本国では冷たくあしらわれていた(あくまで批評家集団に、という意味で。ファンからのプッシュはちゃんとありました)Queenは、一方では日本の猛烈なQueenブームと直面することになります。

 

それ以来、Queenは親日家となりました。これはけっこう有名なエピソードかもしれませんね。

 

そしてファンの援護を受けたQueenは、批評家たちの頭をおさえつけ破竹の勢いでロックシーンを駆け抜けます。生み出す曲は次々にアタリ、他の追随を許さないQueenロックのジャンルが浸透していきます。

 

そして絶頂期の1970年代中期、いよいよ満を持して『Bohemian Rhapsody』が世に送り出されます。

 

「THIS IS QUEEN!フレディ・マーキュリーの神髄ここにあり!」と言わんばかりの名曲が誕生した瞬間でした。

 

『Bohemian Rhapsody』は今日でも多くのアーティストに影響を与え続けています。

 

歌詞もまた文学的な趣があり、比べてみるとツェッペリンの『Stairway To Heaven』よりもずっと物語性がつよく、世界観に浸りやすくなっています。

 

ちなみに僕がはじめてこの曲に触れたのは、小学生のときでした。

 

なぜなら90年代生まれがもっとも親しみを抱いていた素敵なおじさん、グッチ祐三が『Bohemian Rhapsody』をパロっていたからです!

 

 

 

 

いま観かえすと、かなりのQueenリスペクトなパロであることがわかります。そしていまでもその面白さに笑っちゃいます。

 

 

 

 

Is this the real life?
これはほんとうに僕自身の人生なのか?

 

Is this just fantasy?
それとも幻?

 

Caught in a landslide,
世界は地すべりのように崩れて 僕は身動きがとれなくなった

 

No escape from reality.
そしてこの現実から逃れられないでいる

 


Open your eyes,
――目を背けてはいけない

 

Look up to the skies and see,
――空を見上げてごらん 

 

I'm just a poor boy, I need no sympathy,
僕はみじめな男さ だけど憐れみなんかいらない

 

Because I'm easy come, easy go,
もういいんだ すべてを失ったいまは後悔なんてないんだから

 

Little high, little low,
なにが起こっても同じことなんだ

 

Anyway the wind blows doesn't really matter to me, to me.
たとえ風が吹き荒れようとも僕はなにも感じないのさ

 


Mama, just killed a man,
母さん 僕は人を殺してしまった

 

Put a gun against his head,
銃口をやつの頭にむけて

 

Pulled my trigger, now he's dead.
そのままトリガーを……そしてあいつは死んだ 

 

Mama, life had just begun,

母さん 人生はまだ始まったばかりだったのに
 

But now I've gone and thrown it all away.
いまなにもかも終わったよ すべてを台無しにしてしまった

 


Mama, ooh,
母さん

 

Didn't mean to make you cry,
悲しませるつもりはないんだ

 

If I'm not back again this time tomorrow,
もし僕が明日の今ごろに戻らなくても

 

Carry on, carry on as if nothing really matters.
なにも気にすることはない すべてがいつも通りだと思っていてほしい

 


Too late, my time has come,
すでに手遅れなんだ そのときが来てしまった

 

Sends shivers down my spine,
震えがとまらない

 

Body's aching all the time.
体中が痛む

 

Goodbye, everybody, I've got to go,
さようなら みんなを残して

 

Gotta leave you all behind and face the truth.
僕は行かなくちゃならない そして真実と向き合うことになるだろう

 


Mama, ooh (anyway the wind blows),
母さん(たとえ風が吹き荒れようとも)

 

I don't wanna die,
死にたくないよ

 

I sometimes wish I'd never been born at all.
ときどき思うんだ 僕は生まれてこなければよかったんだって

 


I see a little silhouetto of a man,
小さな男の影が視界にちらつく

 

Scaramouche, Scaramouche, will you do the Fandango?
――スカラムーシュ、スカラムーシュよ ファンダンゴを一曲いかが?

 

Thunderbolt and lightning,
雷鳴のとどろきと稲光

 

Very, very frightening me.
僕はすっかり怯えていた

 

(Galileo) Galileo.
――(ガリレオ)ガリレオ

 

(Galileo) Galileo,
――(ガリレオ)ガリレオ

 

Galileo Figaro
――ガリレオ・フィガロ

 

Magnifico-o-o-o-o.
かの麗しのベネツィア貴族たちよ

 


I'm just a poor boy, nobody loves me.
僕は誰からも愛されないみじめな男

 

He's just a poor boy from a poor family,
――そうですとも 彼はみじめな生まれのみじめな男

 

Spare him his life from this monstrosity.
――この災厄から彼を救いだしてほしいのです
 

Easy come, easy go, will you let me go?
すべてを失いました どうかこの僕を助けてください

 

Bismillah! No, we will not let you go. (Let him go!)
――神の名において許すわけにはいかぬ!(――どうか彼に慈悲を!)

 

Bismillah! We will not let you go. (Let him go!)
――神の名において許すわけにはいかぬ!(――どうか彼に慈悲を!)

 

Bismillah! We will not let you go. (Let me go!)
――神の名において許すわけにはいかぬ!(どうかこの僕に慈悲を!)

 

Will not let you go. (Let me go!)
――おまえは許されぬ!(僕に救いを与えてください!)

 

Never let you go (Never, never, never, never let me go)
――もはや断罪は免れぬ!(いやだ いやだ いやだ 僕を助けて)

 

Oh oh oh oh
No, no, no, no, no, no, no
Oh, mama mia, mama mia (Mama mia, let me go.)

母さん ああいやだ 母さん(僕を助けてよ)

 

Beelzebub has a devil put aside for me, for me, for me.
魔王ベルゼブブは手下を使って連れ去ろうとするんだ 僕を この僕を……
 

 

So you think you can stone me and spit in my eye?
なんだあんたたちは 僕に石を投げつけて軽蔑するのか?

 

So you think you can love me and leave me to die?
僕を愛するっていうのか? それとも見殺しにするのか?

 

Oh, baby, can't do this to me, baby,
できっこない なにもできっこないのさあんたたちには

 

Just gotta get out, just gotta get right outta here.
いますぐここから消え失せろ 目ざわりなんだ いなくなってしまえ
(Ooooh, ooh yeah, ooh yeah)
 


Nothing really matters,
これでよかったんだ

 

Anyone can see,
わかるだろう

 

Nothing really matters,
なにも憂うことなんてないんだ

 

Nothing really matters to me.
僕にはこれでよかったんだよ
 

Anyway the wind blows.

たとえ風が吹き荒れようとも