3月28日 科学実験教室(冷え冷え大実験1) | 高槻天神先生のブログ

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学研JR高槻前天神教室で行っている科学実験教室のブログです
基本、毎月第4土曜日に教室を開いています

今日は冷え冷え大実験の1回目でした。

 

最初は、「混ぜると冷える?」という実験をしました。
ポリ袋に少し水を入れます。
まず、その水の温度を測ってみましょう。
実験セットの温度計で測ります。
温度計の正しい見方を確認しましょう。

 

温度計は、斜めから見てはだめですよ。
正面から見て、メモリを読みます。


次に、このポリ袋に不思議な粉をスプーン1杯入れます。
指で押さえていると、なんか、冷やっとしてきますね。
温度はいくらになりましたか?
16度の水が8度になりました。

すごいですね。




このように、混ぜ合わせると温度を下げるものを「寒剤」といいます。
寒剤をうまく使うと冷蔵庫や氷のないところでも温度を下げることができるので便利です。

 

今日使った、不思議な粉は、尿素というものです。
尿素の尿とは、おしっこの尿のことですが、汚いものではありません。
化粧品にも使われています。肌をしっとりさせる効能があるそうです。

 

尿素以外にも混ぜると温度を下げるものがあります。


代表的なものは氷と塩です。

これを使って、グラスの周りに霜をつける実験をします。
2つのグラスに氷を入れます。
この時の氷の温度は、0度ですね。


1つは氷だけを入れたグラス。
もう一つのグラスには氷の3分の1程度の塩を入れます。
塩を入れたほうは、何度まで温度が下がるでしょうか?
温度計で測ってみました。
-10度ですね。

 

氷と塩は代表的な寒剤です。

 

水が、零度で凍りますから、これだけ低い温度を作れれば、
空気中の水蒸気も凍って、グラスにつきます。
だから、グラスは水蒸気が凍った霜で白くなったのですね。
塩を入れなかった方のグラスは、それほど白くはなりませんね。


では、いろいろなものを凍らせてみましょう。

大きな洗面器に氷と塩と少しの水を入れて、洗面器の水の温度を下げます。
-12°位まで温度が下がりました。




この上にジュースを少し入れたアルミ鍋を置いて冷やします。

 

この後、とても面白い実験ができます。
よく冷えたアルミ鍋のジュースにへらで、しゅうと線を引くと
そこから、突然凍っていきます。
おもしろい!!
しゅーーーーと線を引くとまたそこから凍っていきます。
字が書ける感じです。

 


こうして、シャーベットができたので、みんなでおいしく食べました。


 

このように、走る結晶ができるのはどうしてでしょう?

 


実は、アルミ鍋の中のジュースは、0度より低い温度になっています。
0度以下なのに凍っていない状態なのです。
これを過冷却の状態といいます。

 

過冷却とは、水は0度で凍るはずですが、0度以下でも凍らない状態のことを言います。
凍りたいのに凍るきっかけがない、状態です。
この時、ちょっとした刺激があると一気に凍り始めます。
へらでなべの底をこすった時の衝撃がきっかけになって、凍り始めたのです。
こするほかにも、鍋のふちをたたくなどの衝撃でも凍り始めます。

 

 

おもしろいのは、凍り始めると温度が上がるということです。
過冷却の水(ジュース)は-10度だったのに凍ると0度になります。
つまり10度も温度が上がっています。

 

 

なんか、納得がいかない感じですが、逆に、溶けると温度は下がります。
氷に塩を入れると塩が氷を溶かして、-10度まで温度を下げます。
最適に行えば、-21度まで温度を下げることができるそうです。

 

溶かすということは、凍り始める温度が下がるということです。

道路や橋の凍結防止剤や融雪剤は、主に塩です。
凍り始める温度を下げることで、0度で凍るのを防止しているわけです。

 

最後は、先ほど作ったシャーベットの代わりにアイスクリームを作りました。
使った道具はジュースの時と同じです。
-10度まで温度を下げた氷の上にアルミ鍋を置いて作ります。
あらかじめ先生が作ってきたアイスクリームの素を入れて、冷やしていきます。

 




しばらくすると、とてもおいしい、アイスクリームができました。




アイスクリームの素は、生クリームと牛乳と卵の黄身、砂糖で作ります。


少しづつでしたが、みんなでおいしくアイスクリームを食べました。