高槻天神先生のブログ

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学研JR高槻前天神教室で行っている科学実験教室のブログです
基本、毎月第4土曜日に教室を開いています

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炭を作ってみよう

2019年12月で学研の科学実験教室が終わってしまい、ブログも書いていませんでしたが、久しぶりに、個人的にやってみた実験の様子を伝えたいと思います。

炭を作る実験です。
木材などは加熱すると燃焼し酸素と結合し二酸化炭素となってしまいます。
しかし酸素を遮断した状態で加熱すると炭素化合物は分解し、個体の炭素分のみが残ります。
これを炭化といいます。

いわゆる炭は木材の炭化によって作られます。
石炭は古代の植物が土を被って酸素が遮断された状態で地熱によって加熱された事で炭化したものです。

有機物質(炭素を含んだ化合物)は空気を遮断した状態で加熱することによって、炭を作ることができます。
そこで、いろいろなもので炭を作ってみました。

家でやると煙がすごいので、家族で行った屋外でのバーベキューの時に炭作りをしました。

鉄の空き缶と炭にしたい材料、アルミホイル、針金を用意します。

空き缶に炭にしたいもの、まずはレンコンを入れて、アルミホイルでふたをして針金で軽く止めます。


アルミホイルのふたの真ん中につま楊枝で穴をあけておきます。



これをバーベキューのコンロの上で焼くだけです。

つま楊枝の穴から水蒸気、煙が出てきます。

煙が出なくなったら炭の出来上がりです。


酸素のない状態で蒸し焼きにされることで、レンコンの炭ができます。

他にもゴボウ、松ぼっくり、カボチャ、玉ねぎ、みかん、レモンも同じように蒸し焼きにしました。
竹や割りばしなど細長いものはアルミホイルをぐるぐる巻いて両端をねじって止めて、つまようじで両端に穴をあけて焼きます。

 

結果は、レンコン、ゴボウ、松ぼっくり、竹、割りばしの炭はできました。


レンコンはかすかすのとても軽い炭になりました。

松ぼっくりの炭

割りばしの炭

竹の炭

ごぼうの炭

カボチャ、玉ねぎ、みかん、レモンは水分が多いので4時間ほどの過熱では炭になりませんでした。

割りばし程度の炭づくりなら家でやっても大丈夫だと思いますので試してみてください。

今日は、視覚のふしぎ実験の2回目でした。

 
「百聞は一見に如かず」ということわざあがあります。
人から何度も聞くより、一度実際に自分の目で見るほうが確かであり、よくわかる。
ということですが、見えるものがすべて正しいというわけではありません。
 
動いていないものが動いて見える、という実験をします。
まず、みんなで1から20まで数えながら、回転する渦巻きをじっと見ます。

そのあと、壁や床、手のひらを見ます。
見たものから何か渦が湧き出したような感じでもわもわと動きます。
同じ方向に回転し続けるものを見ると目がその回転を静止させてみようとするため、ものを見る基準がおかしくなるようです。
 
回転台を使って渦巻きを書いてみましょう。
渦巻きを書くのはマジックをまっすぐ手前に引くだけで書けます。
直線を引いているのに渦巻きが書けるのはとても面白いのですが、まっすぐに線を引くのは結構むずかしくて、回転につられてどうしても腕が横に動いてしまいます。
次はベンハムのコマと呼ばれる不思議なコマの実験です。
白と黒だけの模様のコマなのですが、回転するといろいろな色があらわれます。
人によって見える色はさまざまなようです。
なぜこのように色があらわれるのか詳しくはわかっていないようですが、白と黒が点滅しているような状態では目が光を感じ取るのにかかる時間が色によって時間差があるそうです。

白は赤、青、緑の光が同時に目に入った時に感じますが、赤は青よりも反応が早いことがわかっています。
そのため目が反応する色に時間差があって、様々な色が見えるようです。
ベンハムのコマは白と黒だけの模様ですが、規則正しい模様では色があらわれません。

不規則な模様がよいようです。
みんなもベンハムのコマを作ってみました。
工作紙を正方形に切ったものに、半分だけ黒く塗りつぶしたものをみんなに配って、半分の白い部分に好きな模様を描いてもらいます。
それにつま楊枝をさしてコマを作って回してみると色があらわれました。

色がよくあらわれるものとそれほどでもないものなどいろいろですが、みんな色が出るのを確認できました。
 
次は、ストロボ効果の実験です。
ストロボ効果とは、連続的な動きが一連の短い瞬間的な標本列で見たときにおこる現象です。
車輪の上に、周囲に文字が書かれた紙をのせて回します。
そのままでは回転が速くて文字が読めませんが、前回の実験で使ったアニメーションのスリットを使って、回転するスリット越しに文字を見るとなんて書かれているかが読めます。
これがストロボ効果です。

スリットがなくても両手の指を広げて目の前で左右に指を動かすと指の間の隙間から文字が読めます。
 
プラコップの底に穴をあけて、水を落とします。
水流がでこぼこした感じで落ちていますが、回転するスリット越しに見ると、水流に見えていたのは、実は水滴が連続して落ちていることがわかります。
これもストロボ効果です。
こんどはまぼろしの炎の実験です。
コップの外側に黒い色紙が貼り付けてあります。
アルミ線にろうそくをつけて、ろうそくの炎をコップの中に入れます。
これを斜め上から見るとコップの上部に炎が見えます。
実際の炎はコップのもっと底の方にあるのに、炎が浮いて見えます。
コップの内側が鏡になって、コップの壁に反射した光が集まって炎が宙に浮いているように見えるのです。

これを利用したおもちゃもあります。
ドーム型の箱の中にテントウ虫の人形が入っているのですが、テントウ虫がドームの上の穴のところに浮いているように見えます。
目の錯覚ではなく、まぼろしの画像があらわれているのです。

蜃気楼は富山湾などが有名ですが、密度の異なる大気の中で光が屈折し、地上や水上の物体が浮き上がって見えたり、逆さまに見えたりする現象です。
空気ではなく真水と食塩水を使って、この蜃気楼と同じ現象を起こす実験をします。
水槽に真水を1/3程入れて、濃い食塩水をサイホンの原理を使って水槽の底に入れていきます。
真水に比べて食塩水は重いので水槽の下にたまります。
食塩水の上に真水がのっている状態になります。
水槽をよく見ると真水と食塩水の境目がよくわかります。
この水槽を通して向こう側に置いた人形を見ると伸びたり縮んだり、見る目の高さによっていろいろな形に歪んで見えます。
向こう側から覗いている生徒の顔も面白いようにゆがむので、みんなでげらげら笑いながら水槽を覗いていました。
ほかにも面白いものを用意しました。
へこんだ四角の形ですが、内側に白黒の市松模様が描かれています。
これを手に持って片目で見ると飛び出して見えます。
もう一つ
不可能立体というものです。
斜め上から見るのですが、実際に見えるものと、鏡に映ったものでは全く違う形に見えます。
四角の集まりが、鏡に映ると丸い輪の集まりに
右向きの矢印が鏡に映ると左向きの矢印に見えます。
これは目の錯覚ではなく計算されて作られた立体なのです。
見たものがすべて真実ではないということも覚えておきましょう。
 
 

今日は、視覚のふしぎ実験の1回目でした。

 
視覚とは目から見える感覚のことです。
人間の目はどのようになっているのでしょうか?
まず、自分の目をよく観察してみましょう。
鏡とルーペ(虫メガネ)を重ねて持って、鏡で自分の目を見てみます。
今までよく観察したことがなかったので、こんな風になっているのかと不思議な感じがします。

白目と黒目(虹彩)、虹彩の真ん中に瞳孔が見えます。
目の構造とカメラの構造は同じようにできています。
瞳孔はカメラの絞りと同じで明るいと小さくなり、暗いところでは光をよく取り込むように大きくなります。
次は工作紙に穴をあけたものを用意しました。
針の穴程度の小さな穴と千枚通しの先のほうの穴、千枚通しの真ん中くらいの大中小の穴が開いています。

実はこの穴がレンズになります。
何か文字を見て、字がぼやけるくらいまで目を近づけます。
そのあとこの小さな穴を通して見てみると、今までぼやけていた文字がはっきりと見えます。
穴の大きさで比べてみると小さな穴ほど近くまでよく見えることがわかります。
穴が小さければ小さいほど暗くなりますが、ぼやけ具合は少なくなります。
これをピンホール効果といいます。
入ってくる光を中心近くに制限したことで網膜上の画像のズレが少なくなりはっきりと見えるようになります。
ピンホールカメラ(針穴カメラ)というものが、レンズを使うカメラが作られる前にありました。
これは、被写体の各点において乱反射(散乱)した光のうち、ピンホールの1点に到達する光線のみを通すことで、被写体の像を得るという最も単純なカメラの方式です。
ピンホールメガネというものもあります。
レンズはなく、小さな穴を通してみることでよく見えるようになるというメガネです。
これは、視力回復というよりは目の疲労回復に役立つようです。
 
私たちの目には盲点というものがあります。
盲点は網膜上で視神経の集まるところでこの一点に映ったものは見えません。
まず盲点を確認しましょう。
10円玉2枚を10センチくらい離して机の上に置きます。
右目を手で隠して、左の目で右側の10円玉を見たまま、顔をゆっくり持ち上げていくと今まで見えていた左の10円玉が消えるところがあります。
 
これが盲点という見えない部分に左の10円玉があたったところです。
普通、両眼で見ていればお互いに補いあうので見えない点は発生しません。
次は、写真のような白紙にまん中が白く抜けた大きな黒丸があります。

右側に10円玉を置いて、先ほどの実験と同じように、右目を隠して10円玉を見たまま顔をお上げていくと左の黒い丸の中の白丸が消えてすべて黒丸に見えます。
先ほどのコインが消えたのと同じことなのですが、盲点に入ったところは脳がまわりの情報からそこも同じようになっているだろうと処理をしてしまうのです。
机の上で10円玉が消えたのも、机の模様がそこにもあるだろうと脳が勝手に処理したので10円玉が消えてしまいました。
 
コインが増える手品というものをしました。
2枚の10円玉を親指と人差し指ではさんで、二枚のコインを左右に早く動かします。
すると10円玉が3枚に見えます。

大きく動くコインと動かないコインがあり、動いているコインが右端と左端に行った時の止まった映像が頭に残っていて、右端のコインと左端のコインと動いていないコインの3枚のコインに見えるわけです。

この映像が頭に残っている、といことを残像現象といいます。
簡単なくるくる回る仕掛けを作って、工作紙に書いた絵を回します。
表と裏にそれぞれ描いた絵が、回転すると重なって見えます。
木とセミ、金魚と金魚鉢、漢字も重なって一つの文字に見えます。
この残像現象を利用しているのがアニメーションです。
1834年にイギリス人のウィリアム・ホーナーという人が作ったゾートロープというものを再現してみます。
車輪にスリットという細い縦穴の空いた枠をつけます。
その枠の内側にアニメーションのソフトとなる絵をつけます。
車輪を回して、スリットの隙間を通して見てみると馬が走っています。
もとは一枚一枚の画像なのに、スリットを通して見てみると普通に動いているように見えます。

アニメーションはこのようにして作られています。
映画は1秒間に24コマの画像で、人間には動いているように見えるわけです。
最後は、実験セットで自分たちでアニメーションを作りました。

これは画像を回して、隙間から鏡に映ったものを見ると動いて見えます。
 

今日は、回転びっくり実験の2回目でした。

 
最初は不思議ゴマの実験です。
イギリスの物理学者マクスウェルが考案した不思議なコマです。
コマは普通、軸が傾くと首振り運動をします。
ところがマクスウェルのコマは傾いたまま回り続けます。

このコマはロートと鉛筆で作ります。
鉛筆にティッシュペーパを巻いてロートに差し込みます。
傾いたまま回るようにするには調整が必要です。
このコマはコマの重心とコマの回転の支点が同じ位置になるように調整します。
鉛筆を上下に動かして調整します。
うまく重心と支点が重なると、傾いたまま回転し続けます。
コマがロートでできているので鉛筆の上やボールペンのお尻の部分で回します。
コマは鉛筆の上で回します。支点(回転軸の先)のあたる鉛筆の部分を少しくぼませておくとうまく回せます。
このコマは傾いたまま常に同じ方向を向いて回転しつづけます。
このコマを手に持って体をぐるっと一回転しても同じ方向を指したままです。

もし永遠に回るマクスウェルのコマを最初、北極星に向けて回転させるとずっと北極星を指し続けるコマになります。
このコマの回転軸(鉛筆)の上部に指を軽くあてると、指のまわりをぐるぐる回ります。
ふれたものの表面をたどって回転軸がお散歩します。
みんなもこのコマを作ってもらいました。鉛筆の調整に苦労しましたが、うまくできました。指のまわりをお散歩することも確認できました。
 
こんども変わったコマの実験です。
普通、コマは同じ方向に回転するものですが、このコマは、最初、右回転させてまわすとしばらくしてガタガタと揺れて、反対側(左回転)に回り始めます。
ラトルバックと呼ばれるコマです。
石器時代の遺跡から発見された石がこのような不思議な動きをすることからセルト石とも呼ばれています。
今回は、百円ショップに売っているスチールソープを使って作りました。
(スチールソープというのは泡の出るせっけんのように汚れを落とすものではなく、魚のにおいや玉ねぎのにおいなどをイオンの力で消してくれるというものです)
このスチールソープに鉛筆を斜めにセロテープでとめます。

ラトルバックの動きをするように、鉛筆の角度や取り付ける場所を調整する必要があります。
他にもスプーンの柄をちぎってセロテープではったものや、プラスチック製のトングの先の部分にナットをつけておもりにしたものなどを作りました。
どれも途中でガタガタと揺れて反対向きに回りますが、スチールソープと鉛筆で作ったものが一番よく反対向きに回転しました。
しかもこのラトルバックだけが、右回りにまわしても、左回りにまわしても反対側に回りました。
ほかのものは、右回りの時だけ反対に回りますが、左回りにまわすとずっと左回りのままです。
 
こんどはおむすび車輪の実験です。
おむすび車輪というのは、ルーローの三角形を使った車輪です。
重いものを運ぶときに丸い棒を下に敷いてその上を転がしますね。転がすからコロといいます。
コロが丸いのは納得がいきますが、これが三角なら不思議ですね。
三角といってもちょっと変わったおむすび型です。

このおむすび型の車輪でも上に置いた本をスムースに運ぶことができます。
このおむすび三角性はルーローの三角形と呼ばれるものです。
今回作ったものは半径10cmの円弧でできた三角形です。
この三角形は、10cm四方の正方形の中にすっぽりと収まり、どの方向でも常に三点が正方形に接しています。
この形はロータリーエンジンのローターの形に利用されていましたが、ロータリーエンジンの自動車の生産はもう終了してしまったので、今では知っている人も少なくなりました。
今この形は、お掃除ロボットの形に利用されています。
 
次は「遠心力」の実験です。
プラコップに紐をつけて、コップの1/3くらいの水を入れます。

この水の入ったコップを回転させるとどうなるでしょうか?
コップが真上に来た時に水はこぼれるかな?
さあやってみましょう。
最初はゆっくり振り子運動をして、一気に回転させます。
大丈夫!
水はこぼれません。
頭の上で水平にぐるぐる回したりもできます。

水がこぼれないのは遠心力によるものです。
回転するものには、回転の中心から外に向かう力が働きます。
これが遠心力です。
遠心力によってコップの中に水は回転の外側(コップの底側)に押されているので水がコップの底にくっついた状態になります。
ハンマー投げという競技も鉄の球をぐるぐる振り回して、遠心力で遠くに飛ばす競技ですね。
昔の宇宙科学の未来図では、大きなドーナッツ型の宇宙ステーションが描かれていました。

なぜドーナッツ型かというと、宇宙空間では無重力なので人は空中にぷかぷか浮いてしまいます。
そこで、このドーナッツ型の宇宙ステーションを回転させ、遠心力によって人工的に重力を作ることができるので、この宇宙ステーションの中では人は地上にいるときと同じように生活ができる、という考えでした。

しかし、実際にはこのような宇宙ステーションはいまだに実現していません。
あまりに巨大な構造物を宇宙空間に作る必要があり、まだむずかしいようです。
生徒達には、コップの水を回してもらうのは危険なので(最初と最後をうまくしないと水をこぼしてしまうので)ペットボトルに水を入れて、ふたをした状態で紐をつけてぐるぐる回してもらいました。

確かに外側に引っ張られる力が働くことを実感できたようです。
 
最後は、自転車の車輪を宇宙ステーションに見立てて、回転させたとき、ろうそくの炎はどちらに向くかという実験をします。
車輪の上にプラコップに入れたろうそくに火をつけて、車輪をぐるぐる回します。

遠心力で炎は外に向くと思われますが、
実際にやってみると、コップの内側(車輪の中心側)に炎でコップに穴が開きました。
巨大宇宙ステーションでは、回転する外側が地面になり、回転の中心が頭上になるわけです。
ろうそくの炎は普通、上昇気流で上に伸びます。
宇宙ステーションの中の上は、回転の中心ですから、炎は内側に向かうわけです。
ちなみに、重力のない状態(無重力)では、ろうそくの炎は上昇気流が起こらないので、まん丸の炎になるそうです。
そして、炭酸ガスが炎のまわりにたまってしまうのでろうそくはすぐに消えてしまうそうです。
宇宙飛行士になって、宇宙で実験してみたいですね。
 

今日は回転運動びっくり実験の1回目でした。

 

最初は卵を使います。
生卵とゆで卵があります。
見た目は全く同じですね。

卵を割らずに、どちらが生卵でどちらがゆで卵か見分けることができますか?
「振れば分かる」とか「回せば分かる」という応えが上がりました。
振ってみましたが、ちょっと分かりそうもないですね。
「回してみて、よく回るのが生卵だ。」という生徒がいましたがはたしてそうでしょうか?
確かに回してみると、1つはよく回りますが、もう一つはあまり回りません。
よく回る方か、回らない方かどちらが生卵でしょうか?
もう一つおもしろい実験があります。
回っている卵を指で一瞬押さえると、卵の回転は止まります。
しかし、1つは止まったままですが、もう一つは一瞬止まった後、指を離すとまた回りだします。
また回りだしたのは、あまりよく回らない卵の方でした。
さて、どちらが生卵でしょう?
では、答えです。
よく回る方の卵を割ってみます。
はい。こちらがゆで卵でした。、
ゆで卵は卵の中が固まっているので、よく回転します。
生卵のほうは、中身が殻の回転について行けなくてゆっくり回っています。
生卵は一瞬止めても、すぐに放すと中身の回転がまだ続いているので、再び回り始めるわけです。
また、ゆで卵のほうは勢いよく回すと卵が立って回ります。
生卵ではこれができません。
次は、みんなで皿まわしに挑戦です。
いくつか皿まわしのお皿を用意しました。
お盆の裏にペットボトルのキャップをつけたもの、紙皿1枚と紙皿3枚重ねのものにキャップをつけたもの、工作紙を円形に切り出してキャップをつけたものなどです。
皿まわしの棒には植木用の支柱を使いました。
生徒のみんなはあまり皿まわしなどしたことがないので、最初はなかなかうまく回せませんでしたが、慣れてくるとコツをつかんで何とか回すことができるようになります。

では、どのお皿が一番回しやすかったでしょうか?
工作紙で作った丸いお皿が回しやすいようでした。
ほかにも軽いお皿よりも重いお皿のほうが回しやすいことがわかりました。
工作紙で作ったお皿は、実は中心がはっきりわかっているのでペットボトルのキャップがちょうどお皿の中心についていますが、紙皿につけたキャップは中心がはっきりとしないのでおよその目分量でつけているので正確に中心についていない可能性があります。
 
このことより、お皿は中心にキャップがついているとまわしやすいこと。
軽いお皿よりも少し重みのある方が回しやすいことがわかります。
また、工作紙のお皿は、お皿に高さがないので回しやすくなっています。
 
こんどは工作紙で作った正方形のコマの実験です。
工作紙を10cm四方に切って真ん中につま楊枝をさしてコマを作ります。
つま楊枝をさす真ん中は、裏にガムテープを切ったものをはっておきます。
(そうすることで、つまようじがしっかりとコマに付きます。)
そこで3種類のコマを作ります。
1つはコマに何もついていないもの。
もう一つは50円玉がコマの中央についているもの。
3つ目は1円玉がコマの4隅についているものです。

50円玉は重さが4グラムです。1円玉は1グラムなので4つで4グラムになります。
50円玉のコマと1円玉のコマは同じ重さのコマです。
さて、どのコマが一番長く回るかの実験をします。
生徒に聞いてみると、50円玉が中心についているコマが一番長く回るという意見が一番多くありました。
同じ力加減でコマを回して、止まるまでの時間をストップウォッチで測ってもらいました。
結果をホワイトボードに書き出しましたが、結果は1円玉のコマがダントツに長く回ることがわかりました。
このことからコマは周辺が重いもののほうが長く回るということがわかりました。

自転車の車輪は外側にタイヤという重いものがついているのでよく回るコマになりそうです。
車輪に取っ手をつけてコマを作りました。
ゴミ箱を裏返しにおいて、そのうえでこの車輪を回します。
かなり安定したコマになります。
回転する車輪コマの軸を傾けると首振り運動をします。
倒れそうでなかなか倒れませんね。
回転していなければバタンと倒れますが、回転していることで倒れずに首振りをしながら回っています。
こんどは車輪を空中で回して片側に紐をかけてぶら下げます。
どうなると思いますか?
車輪が回っていなければ落ちてしまいますが、車輪が回っていると、、、
とても不思議です。
車輪は傾かずにまっすぐ回転しながら紐にぶら下がっています。
そして、紐のまわりを車輪が回ろうとします。(旋回します)
紐ではなく片方の軸を手で支えても同じことができます。
回っている車輪は旋回するので手で支えている先生はそれに合わせて回らないといけません。
生徒のみんなに車輪の軸を両手で持ってもらって、勢いよく車輪を回しました。
この車輪を傾けようとしても容易に傾けられません。
強い力が働いていることがわかります。
簡単には傾けたり横に倒して持つことがむずかしいことがとて強く感じられます。
回転する車輪は回転軸の方向を保とうとしています(ジャイロ効果といいます)。
そのため、無理に軸の方向を変えようとするには大きな力が必要になります。
このジャイロ効果によって、2輪の自転車やバイクが倒れずにまっすぐ走れるわけです。
 
最後は、今日の実験セットを組み立ててCDコマを回しました。

このCDコマでも自転車の車輪でやった首振り実験や片側だけ紐でぶら下げて回転させる実験も同じようにできます。

おまけでは、地球ゴマや永久に回り続ける永久ゴマなどをみんなにも見てもらいました。