公務員からの独立 私の場合 | 札幌のNPO サポートシステム研究会 高橋 潤のブログ

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札幌の非営利団体のサポートシステム研究会代表理事の独り言です。
ソーシャルビジネス支援のNPOです。

私は現在は、一般社団法人代表理事で社会人大学院生でもあります。

前職は、東京消防庁消防官で、40歳の時に発作的に退職して、いろいろあり、NPO活動歴22年となりました。

消防には15年間在籍しました。

 

公務員から独立起業したいという人に参考になるかもしれないと思い、自分のケースをもとに書いてみたいと思います。

 

まず、公務員、特に消防分野からの独立起業は非常に困難です。

なぜか、それは公務員には失業手当がありません。さらに教育訓練給付金も支給対象外です。

辞めればそく収入の道はたたれ、路頭に迷い、まず公務員の経歴では中高年になると、どこにも採用されません。

 

地方公務員の多くは専門分野がなく、ゼネラリストとして異動しますので、売りとなるスキルがまずありません。福祉職や医療職以外は。

 

私は在職中から、パソコンが趣味で得意でした。職場でもその方面の仕事をまかされていました。ただ、資格を持っていなかったので、退職後、自費でパソコンスクールに通い、マイクロソフトのトレーナーの最高レベルの資格MOTを取りました。他にもたいていのパソコン関係の資格を取得しました。

 

そして、複数の起業塾に参加して、修了書をもらいました。

銀行系2つと商工会議所と市と大学等の公的機関開催のもの

に参加しました。

これは大変ためになりました。

まず金融機関系の起業塾は、人的ネットワークができます。

さらに、商工会議所の起業塾はかなりハイレベルで、参加者の意識も高く、有名な中小企業診断士が講師でしたので、ためになる実践的内容でした。

 

公務員でしたので、経理や簿記がわからないので、これも複数の公的機関のセミナーで税理士等に習いました。

 

ここ22年でかなりの専門的セミナーに参加しましたし、複数の経済団体の会員でもあります。

 

私は無借金経営ですし、金融機関から融資を受けたことはありません。すべて自己資金で経営しております。

長く個人事業主で活動し、三年前に法人化しました。ほぼ一人で経営して、理事のひとりは私の母親という典型的な中小企業です。

 

なぜここまで生き延びられたのか。

その理由は

1は東京消防庁での勤務歴です。法学部卒でしたので、法務部門歴がかなりあり、行政法規の解釈や各種許認可の経験があります。

これが民間でいきました。補助金や助成金の申請やソーシャルビジネス支援に行政側の立場を熟知しているので仕事をとることができました。

 

2つめは、消防で指揮隊という前線司令部のような部隊で、大隊長の補佐官の仕事をしていた経験です。最大で150名の消防部隊の指揮運用を補佐したことがあります。また首都東京の有数な災害件数の所属ばかり経験したので、危機管理、安全管理、消防戦術、作戦計画作成、報告書作成などの専門的知識があり、これはある程度は民間のビジネスの経営戦略とも通じるところがあります。

 

3つめはおじさん大学院生としてビジネススクールで勉強したこと。非常に厳しい学生生活でしたが、最新の経営学を知った上に、同期との人脈ができました。

 

4つめは、経産省系の助成金を取り、有名企業の社長のもとで数か月実習をしたことです。これでだいぶ自信がつきました。また非常に貴重な経験をつめました。

 

5つめは、積極的に異業種交流会や読書会、研究会、学会に参加して、広範な人的ネットワークをもったことです。仕事上に役立つうえ、学者との交流は視野が広くなりました。

 

6つめは、高度な実務書や学問的な本を多く読んだことです。古典といわれる経営学者の名著を多く読みました。

 

最後は一貫してNPOによるソーシャルビジネスをライフワークとして研究してきたのも差別化につながったのかもしれません。ライフワークがあると厳しい時でも、心の安定が保持できます。