尖閣問題 〜正面衝突では能がない〜 | 池内昭夫の読書録

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裏表に戸締りもなくして家内狼藉なる其家の門前に、二十「インチ」の大砲一坐を備るも盗賊の防禦に適す可らざるが如し。武力偏重なる国に於ては、動(やや)もすれば前後の勘弁もなくして、妄(みだり)に兵備に銭を費し、借金のために自から国を倒すものなきに非ず。蓋(けだ)し巨艦大砲は以て巨艦大砲の敵に敵す可くして、借金の敵には敵す可らざるなり。
(福澤諭吉『文明論之概略』巻之六)


そこで面白いのが,29日に米下院において可決された中国政府に通貨、人民元の切り上げを促す対中制裁決議である。

 国際ルールに則って人民元を切り上げれば,中国経済が失速することは間違いない。

 石原慎太郎都知事のように勇ましく「日本も核武装するしかない」と正面からぶつかるよりも,背後に回って,国際ルールに従わない中国の為替施策を非難することの方が,間接的ではあるけれども,確実にボディーブローとして利いてくるのではないだろうか。