勝手なことをいうシナ | 池内昭夫の読書録

池内昭夫の読書録

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シナ人はいまに至るも国境という意識がわれわれの使う意味とは異なる。中世ヨーロッパでカトリックの普及したところが西ヨーロッパととらえられたごとく,漢字が広がったところはすべてシナだと思っているのではないかと思う。

 私はしばしば「万里の長城より北はシナではない」といってきた。万里の長城は北方の異民族に対して「ここから南はシナだ」と示し,侵入させないためにつくられた。いわば国境として機能させたのだから,満洲はシナの固有の領土ではない。これは普通ならば通用する話だけれども,シナ人は「満洲はシナである」と信じて疑わない。漢字を使っていれば自分たちに所属するという感じでとらえているからだろう。

 当たり前の論理を受け付けないのは,シナ人の特徴の一つである。自分の主張において客観的な論理性をあまり問わず,歴史的に間違っていても気にしないうえに検証は不要という,妙な立場を固持していることも関係するように思う。要するに,彼らは「自分はつねに正しい」という立場から主張するのである。だから,とにかく勝手なことをいう。
(渡部昇一『日本とシナ』(PHP)pp. 22-23)

尖閣事件も然(しか)りであろう。

 シナ人とはどういう人たちなのかを理解した上で事に望むことが必要なのではないか。