手塚治虫総監督「千夜一夜物語」 | 映画屋のおすすめ 山田秀哉

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古今東西、映画のトピックあれこれ。

手塚治虫氏が大手映画配給会社から「大人向けの劇場用アニメを!」の要望に、十分応えた2時間を超える、一代「出世絵巻」

しがない「水売り青年・アラディン」が、富と欲を求めてジワジワと

権力を手にしていく。

そのサクセスストーリーには「色気たっぷり」のラブシーンも盛り込まれ、全てを手に入れたと思ったが、「まだ太陽を手に入れていない」と、アラディンは「バベルの塔」の建設までに及ぶ。

山場は、天空にまで建設されたバベルの塔が、物の見事に倒壊する、一大スペクタクルシーン。

全くの更地になった自分の「帝国のサマ」を見て、「俺の夢なんかまだまだちっちゃいんだな!」と笑顔で吐き捨て、再び水売りの袋を下げて旅立つアラディン。

手塚治虫氏実験作とも言える「秀作スペクタクル」です。

 

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