世界一美しいミイラの秘密、解明される。 | 道楽堂 店主の独り言。

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道楽堂 店主の独り言。-ロザリア・ロンバルド

世界一美しいミイラと呼ばれる、ロザリア・ロンバルドちゃん。
イタリアのシチリア島の教会の地下に1920年より眠っているのですが、アルフレッド・サラフィア氏がミイラ化した手法を明かさないで亡くなったため、今日までその技術が失われていたのですが、なんとそれが解明されたようで。
以下、転載。

ちょっと前にもちょうどこの子のコトを書いたけど、この子はイタリアのシチリア島の教会の地下に今も眠る世界一美しいとされるミイラで、名前はロザリア・ロンバルドちゃんって言います。1920年に肺炎によってわずか2歳の若さで亡くなり、その後にアルフレッド・サラフィアと言う科学者(はく製などを作る仕事をしていたらしい)によってミイラにされたそうですが、この80年以上たった今でもまるで眠っているかのような美しさの謎は今まで解明されていなかったのです。

このサラフィアさんは1933年に亡くなっているのですが、このミイラの作り方を誰にも言わずに亡くなってしまったためです。
今回、イタリアの生物人類学者であるDario Piombino-Mascali氏によって、このロザリアちゃんのミイラはどうのようにして作られたのか?ってことが明らかになりました。明らかになったというか、この作った張本人のサラフィアさんの書いた手書きの文章が発見されたそうです。

このMascali氏はイタリアでこのサラフィアさんの今でも生きている親類を捜し出し、そしてその人の協力の下でいろいろな文献を探すとこのミイラの作り方が書いてある文章が発見されたそうです。
その文章によると、サラフィアさんがロザリアちゃんをミイラにする際に使用した薬品は「ホルマリン」「亜鉛塩」「アルコール」「サリチル酸」「グリセリン」だったことがわかったらしい。

ホルマリンと言うのは現代でも聞きますが、これはホルムアルデヒトと水の混合物で、現代でも医学的な標本などの保存に使用されるように体の組織を腐敗されない性質がありますが、このサラフィアと言う人物はホルマリンを人間の体の保存に初めて使用した人物の一人と思われているそうです。
アルコールは地下墓地の乾燥した場所で遺体の乾燥を更に助け、グリセリンは逆にあまり乾燥し過ぎないようにする効果があるそうです。サリチル酸は菌類の繁殖を抑える効果があるとのこと。

そしてこのように一番美しい状態のまま保存された理由の一つが「亜鉛塩」であったそうです。
これはアメリカなどでは既に遺体の保存に使用されていないそうですが、これによってロザリアちゃんの体は「石化」したようになり美しいままの状態を保つことになったそうです。

今回この発見をしたMascali氏によると「サラフィアさんは独学のアーティストであり、そのレベルは最高の域に達していた」と言っているそうです。

・・・・・・・・・。
薬品とともに、このイタリアの気候なども深く関係していたんだと思いますけどネ。
今まで長い間謎とされてきたロザリアちゃんの秘密が一つわかったと言うことで・・・。


ちなみに元記事はこちら。
外国語なので読めないですが、一応転載。

Lost "Sleeping Beauty" Mummy Formula Found

January 26, 2009--She's one of the world's best-preserved bodies: Rosalia Lombardo, a two-year-old Sicilian girl who died of pneumonia in 1920. "Sleeping Beauty," as she's known, appears to be merely dozing beneath the glass front of her coffin in the Capuchin Catacombs of Palermo, Italy.

Now an Italian biological anthropologist, Dario Piombino-Mascali of the Institute for Mummies and the Iceman in Bolzano, has discovered the secret formula that preserved Rosalia's body so well. (Piombino-Mascali is funded by the National Geographic Society's Expeditions Council. National Geographic News is owned by the National Geographic Society.)

Piombino-Mascali tracked down living relatives of Alfredo Salafia, a Sicilian taxidermist and embalmer who died in 1933. A search of Salafia's papers revealed a handwritten memoir in which he recorded the chemicals he injected into Rosalia's body: formalin, zinc salts, alcohol, salicylic acid, and glycerin.

Formalin, now widely used by embalmers, is a mixture of formaldehyde and water that kills bacteria. Salafia was one of the first to use this for embalming bodies. Alcohol, along with the arid conditions in the catacombs, would have dried Rosalia's body and allowed it to mummify. Glycerin would have kept her body from drying out too much, and salicylic acid would have prevented the growth of fungi.

But it was the zinc salts, according to Melissa Johnson Williams, executive director of the American Society of Embalmers, that were most responsible for Rosalia's amazing state of preservation. Zinc, which is no longer used by embalmers in the United States, petrified Rosalia's body.

"[Zinc] gave her rigidity," Williams said. "You could take her out of the casket prop her up, and she would stand by herself."

Piombino-Mascali calls the self-taught Salafia an artist: "He elevated embalming to its highest level."

Learn more about Rosalia in National Geographic magazine's Sicily Crypts and on the National Geographic Channel documentary "Italy's Mystery Mummies."

—Karen Lange
Photograph by Vincent J. Musi



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