夏の甲子園、今まさに真っ盛りです。
力の差を見せつけるような試合、
滑りこんで泥だらけになったユニホームの胸
指の間からこぼれて落ちてしまった、目の前の勝利。
◇
プロ野球だとそうはいきません。
どんなに弱くても、横浜ベイスターズを応援しています。
差が少しでも縮まるようにと、
そのすぐ上の順ににいるチームの黒星を望んだり、
鼻もちならないチームの負けを祈ってしまいます。
どこか計算高い目で見ています。
◇
体格や技術が向上したとはいえ、
高校生の試合はプロに比べれば、成熟しているとは言えません。
それでも私が高校野球が気になってしまうのは、
あの、おもいきり勝負にぶつかっていく闘志、
思わぬ失敗にうなだれる野手の表情、
緊張に制球が上ずる投手に、かけよる捕手、
試合結果が決まった瞬間に抱きあって踊る選手たちに
心ひかれるからです。
地元チーム以外なら、
どちらも勝たせたいと願いながら観る試合です。
◇
炎天下にくりひろげられる試合のなかに、
おとなになるにつれ、私が失っていったひたむきさ、
自分の失敗を前にした、潔い謙虚さ、
高校生最後の瞬間を少しでも後おくりにしようとする必死さ、
自分の若い頃に、何かに打ち込みきれなかった少々の後悔が、
混ぜこぜになって、私の心の奥に眠っていた部分をゆすります。
自分がなくしてたもの、手にし損ねたものが、そこにあります。
ガンバレ!! 夏の陽ざしより眩しい球児たち。
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