マニー・パッキャオ(その1)~全階級を通じて最も強いボクサー~ | 10papaのボクシングブログ

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ボクシングには「パウンド・フォー・パウンド(英: Pound for pound)」という言葉があります。


この言葉は「全階級を通じて最も強いボクサー(現役選手)」という意味で、
ようは「階級とか抜きにして、とにかく今一番強いやつ」です。


パウンド・フォー・パウンド(以下、PFP)は、ボクシングの世界では公用語であり、リングマガジン(アメリカのボクシング専門誌)やBoxrec.com(ボクシング専門サイト)など様々な機関が独自にランキング付けをしていたりします。



しかし、そもそもボクシングとは、体重別にクラス分けをすることで、体格のハンディキャップを無くして争う競技です。そのため当然ながら、体重の軽い選手より体重の重い選手のほうが一般的には有利です。
それなのに全階級を通じて最も強い選手をランキング付けするって、ちょっと違和感がありませんか?



実はこのPFP、"全ての選手が同じ体重だと仮定したら"、という前提条件付きの仮想の評価になります。


実際にそんな事はありえないですし、50kg以下のミニマム級の選手と100kg以上のヘビー級の選手が戦うわけにもいきません。
ですから、これはあくまで想像の中で最強のボクサーを選んでいるわけです。
選ぶ側も、それぞれ基準も違うでしょうし、好き嫌いも含まれるかもしれません。


私は、このPFPを「人気・実力ともに現役最高のボクサー」くらいに捉えていますが、とにかく、いいオトナ達が空想の世界に身を投じ、実現しない戦いをあれこれ妄想しながら一番強い選手を決めているわけですから、ちょっとロマンティックなランキングといえるでしょう。



そして、このPFPランキングでここ数年ずっと1位に輝いている選手が、「マニー・パッキャオ」というフィリピンの選手です。(※主要機関の2012年4月時点の状況をベースに記載しております。)


日本ではあまり知られていませんが、母国フィリピンでは絶対的な英雄、超スーパースターです。もちろんボクシングファンで知らない人はいませんが。


ボクシングといえばアメリカがメッカですが、同じアジアからこのようなボクシングのスーパースター生まれるとはうれしい限りです。ちなみにマニー・パッキャオは「アジアの英雄」とも言われています(^^)



さて、このマニー・パッキャオ、どんな選手か簡単に紹介します。



【マニー・パッキャオ】
・現WBO世界ウェルター級チャンピオン
・59戦54勝(38KO)3負2分
・フィリピン ミンダナオ島出身の33歳
・貧しい農家に生まれ、幼い頃は路上生活を強いられることもあったほどであった。
・アマチュア経験を経て、16歳でプロデビュー。
・1998年12月、WBC世界フライ級王座を獲得。その後次々と階級を上げながらスーパーウェルター級まで活躍。
・好戦的なファイトスタイルで世界の強豪選手を次々と倒し、ボクシング史上最多の6階級制覇を達成。
・現在は政治家とボクサーの二束の草鞋を履きながら活躍するフィリピンのスーパースター




ちょっとこの紹介だけはなかなか伝わらないかもしれませんが、この選手、マジで凄いんです。


次回からは、マニー・パッキャオの魅力について少しずつ紐解いていきたいと思い、
まずはボクサーとしてボクシング史上最多の6階級制覇を達成するまでの軌跡を説明したいと思います。


そもそも6階級制覇といっても何が凄いのかピンと来ない人もいるかもしれません。
特に最近は、ボクシング団体の腐敗から世界チャンピオンが乱立し、チャンピオンそのものの権威が薄れつつあり、実力を伴わない○○階級制覇チャンピオンもたくさんいるのも事実。


※詳細は⇒亀田興毅について(その2)~世界チャンピオンが6人!?~



しかし、このマニー・パッキャオの6階級制覇は他のボクサーとは一味違います。


(つづく)




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