【中野剛志】ピーター・テミンを詐欺まがいの誤用をした疑い【TPP】 | rxtypeのブログ since 2012

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日本経済の一番の問題はデフレ予想です。

中野剛志関連でまた気になる記事を見つけました。
中野剛志を信用していたころであれば見向きもしなかったであろうブログ記事です。

中野剛志著『TPP亡国論』の詐欺的記述
http://ameblo.jp/tilleulenspiegel/entry-11518873396.html

一部抜粋して引用
--------引用ここから--------
以下は、中野剛志著、『TPP亡国論』(集英社新書)からの引用です。
(中略)
テミンは、世界恐慌を深刻化させたのは保護貿易ではなく、各国の指導者や政策担当者たちが断行した緊縮財政と高金利政策であったと結論しています。
 ですから、「保護貿易はやってはいけないというのが、世界恐慌という歴史の教訓だ」という話は正しくないのです。(『TPP亡国論』pp.137-138)

(中略)
この中で唯一、邦訳されたことがあるピーター・テミン著、猪木武徳ほか訳、『大恐慌の教訓』(東洋経済新報社)から、保護貿易について書かれた箇所を紹介しましょう。
(中略)
数量制限と関税によって窒息した需要は、ただ単に消えてしまったわけではない。それらは国内需要に転換されたのだ。しかし資産の転換は即時的でも無費用でもない。したがって転換された需要は、これまで馴染みのパターンに対して完全に代替的なのではなかった。貿易制限は有害であり、ただ通常考えられているほど悪いものではなかっただけのことである。(『大恐慌の教訓』pp.107-108)
(中略)
ちゃんと、「貿易制限は有害である」と明記しているのです。
ただ単にテミンは、従来の論文で貿易制限の弊害が強調されすぎていたことと、あたかもそれが世界大恐慌の主たる原因であるかのように扱われていたことを非難しているのであって、保護貿易を正当化はしていません。

こうしてみると、中野剛志氏は、読者がこういった絶版となっている専門書に手を伸ばさないのをいいことに、間違った過去の文献紹介をしているとしか思えないのです。

なお、テミンも指摘しているように「資産の転換は即時的でも無費用でもない」という点について。
経済理論を離れて、政治に目を移すと1930年代に各国が採った貿易制限政策が国際関係を悪化させたことは間違いありません。

例えば、日本は金本位制からの離脱によってデフレ政策から脱却し、円安で輸出増加と不況脱出を達成しました。
だが、欧米諸国は金融政策による日本の輸出増加について

「非人間的な安い賃金で生産された、不当に安価なモノの輸出をやっている」

として非難し、報復的な関税や数量制限を続けたのです。
特にアメリカはそれが顕著で、やがて反日運動や日本バッシングに発展し、戦争の原因とまでなりました。
関税などの貿易制限は、時として戦争という、とてつもなく高い費用を国々にもたらすというのが歴史の教訓なのです。
なお、この貿易制限と戦争についての考察をしているのは、他ならぬ『大恐慌の教訓』の翻訳者に名を連ねた経済学者・猪木武徳氏だということも明記しておきましょう(『経済学に何ができるか』中公新書)。

いずれにせよ、中野剛志氏が、とんでもない詐欺まがいの記述をしたことは間違いありません。
--------引用ここまで--------

大恐慌の教訓/東洋経済新報社

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絶版本なので入手困難ですが、amazonのユーザーθ氏のコメントにはこう書かれています。
本書は、そうした金融的な要因を認めつつも、マネタリズムのように単にマネーの量に原因を求めるのではなく、真の原因は金本位制に固執した政治体制にあるとしている。

どうやら、ピーターテミンのこの本では、金本位制への固執が原因と結論しているようです。

中野氏が書いた「緊縮財政と高金利政策であったと結論しています。」というのも本当かどうか疑わしいです。

金本位制からの離脱を現在の経済に置き換えると、大規模な金融緩和による通貨切り下げということになるでしょう。
ですから、テミンも大規模な金融緩和が必要だと主張しているものと思われます。
アベノミクスによる大胆な金融緩和はピーター・テミンも賛成する政策なのです。
しかし、今、中野剛志がやっていることは何でしょうか?
保護貿易の推進と金融政策の否定です。
デフレ不況を長引かせるようなことを彼はやっているわけです。非常に問題です。

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