6.23英国EU離脱 前編 | キャプテン 出口

キャプテン 出口

人はどうしたら動く、会社はどうしたらまとまる?
私、出口晃司が小・中・高と没頭した野球部の経験をもとに人の育成、組織マネジメント関する秘訣を、キャプテンという立場になって教えます。


今月に入り世界では英国のEU離脱懸念に注目が集まり、その是非を問う国民投票が今まさに行われている。

そもそも何故、英国でEU離脱論が浮上したのか。
英国は2000年代にEUの新規加盟国から労働力として積極的に移民を受け入れた。英国の労働者層を中心に、職や社会福祉を奪われたという不満の矛先が、この移民に向けられた為だ。
また、移民の増加が英国でのテロの可能性を高めるとか、EUによる規制が厳しい為、離脱して英議会で自ら法律を決められると言った意見も上がっている。
この離脱を支持するのは金融危機や移民増加の煽りを受けた低賃金の労働者層や伝統的な英国を懐古する白人の高齢者層と言われている。

一方、キャメロン首相を筆頭にEU加盟の恩恵を享受している若年層や産業界では残留を支持している。残留支持派は経済的メリットを主にイスラム国(IS)などによるテロ防止策等の安全保障面や移民の人達も社会保障を支えているので財政面でも有益な事を訴えている。

もし国民投票で英国がEUを離脱した場合どうなるか?
英国の国内総生産(GDP)が残留の場合より3.6%低くなるとみている。失業率も急上昇する恐れがあり50~80万人が雇用を失うリスクがあり、不動産価格も1割以上下落する懸念がある。英ポンド相場ぼ急落し金融市場での混乱も避けられない。

この経済的影響は英国内に留まらず、世界のマーケットで株や社債などに売り圧力が高まり、世界的な金融危機を引き起こすリスクが考えられる。

この投稿を書いている23日の23時現在、英国残留が優勢との見方が広がり、為替で1ドル106円台と2円近く円安に振れ、英ポンドとユーロも上昇し欧州株も全面高と早くも世界のマーケットは動き始めている。
このまま残留で終わるのか、はたまた一転して離脱するのか、投票は日本時間の24日朝6時に終わり、投票結果が分かるのは明日の昼過ぎと思われる。