昨年4月15日の記事再掲です。
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先日、自動車専用道路の最高速度引き上げの
ニュースがありました。
今回は、一部の道路の一部の区間での試験
開始のアナウンスだけで、詳細はまだで
したが、全国1000万人のスピード大好き
人間は狂喜乱舞。
今後、しばらく経過観察し、一般道に
ついても速度引き上げの方向に流れるのは
確実です。
なので、このタイミングでとっておきの
お話をします。
ただ、スピードに対する恐怖心がない人向け
で、すでに知っている人にとっては、正直
「どうでもいい話」かもしれませんです。
それはクルマのスピードメーターの「誤差」
のお話しです。
「メーター読み」と呼ばれる速度表示と実際の
速度にかならず、かい離が起こる。
不確定性定理のどまんなか、を証明するお話です。
結論から言うと、クルマのスピードメーターの
速度表示は、かならずしも正確ではありません。
自動車の開発の世界でよく言われるのは、おおよそ
時速40kmから速度が上がるにつれて、メーター読み
よりもプラス側に15km程度
つまり、メーター計測で100kmの表示が出ていたら、
実際の速度は85km(程度)。
120kmだったら105km程度。
逆の見方をすると、実際には100km/hしか
出ていないのに、メーターには115km(程度)
の表示が出ているということになります。
メーカー、車種などによっても違いますが、
このくらいは「いつも」狂っているようです。
計測値と実測(この言葉がそもそも微妙ですが)が
ぴったり一致、正確というのは「ない」と思って間
違いありません。
逆に、低速域に落ちれば落ちるほど、
マイナス側に10%程度
の狂いがでます。
低めにも外れる話はあまり知られていま
せんが、じっさい低めに外れる分には、
特に運転に支障はないはずなので、きょ
うのところは「高め」に外れる方のお話に
絞ります。
速度表示を高めに外すのは、ドライバーへの
「あんまり飛ばしちゃだめよ」
という啓もうの意味があるようです。
速度を高めに表示することでドライバーの
「飛ばし過ぎ」を抑制させる意味があるそう
です。
そうですが、それでも飛ばす奴は飛ばしますねー。
この話、じつはわたしにも覚えがあり、
2007年春に環八の井荻トンネル(側道)
で速度超過で赤切符を切られたとき、
当時の愛車インプレッサのメーター読み
は目視で120kmほど(制限は60km)。
ところが警視庁の移動オービスの計測値は
なんと96kmでした。
また、雑誌「ベストカー」の4月10日号(4号前)の
巻頭特集
「最新車12台最高速テスト」
では、元GTドライバ-の山野哲也選手が乗った
GT-R(R35)のメーター読みが、301kmのところ、
外からのGPS計測で292.19kmと、およそ9.7パー
セントの誤差が出ていました。
(参考:この特集の計測場所は昔でいう「矢田部」に
あたるJARI城里テストコース)
以前、日産の開発ドライバーだった三好俊秀さんに
計測の誤差の話を聞いたところ
「昔は時速200kmを越えると20パーセントくらいの
誤差は普通に出ていたけど、今はたぶん精度が上
がってきて、(誤差は)縮小しているはず」
ということでした。
いまになって、計測結果を聞いてみるとたしかに
三好さんの言うとおり。
誤差は縮小していました。
誤差が出る理由はカンタンで、原因の9割はタイヤです。
とくにタイヤ幅(トレッド幅)に大いに
関係しています。
摩耗が進んだタイヤは単純に半径が小さく
なっていますから、速度のセンサーが新品
タイヤのときより、「高め」に出ます。
さらに、クルマの規格よりも外見重視で
やたら幅の太いタイヤに変えたりすると、
余計に計測値が上がったりするので、
注意が必要でしょう。