ゴリラの食性からDNA鑑定を考える | 横山歯科医院

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[ゴリラの食性からDNA鑑定を考える]

(ナショナルジオグラフィック公式日本語サイト2010年3月8日)
「ゴリラがサルを食べる、証拠発見か?」


ベジタリアンでもハンバーガーの魅力に抵抗できない時があるが、草食の
ゴリラも近縁種への強烈な食欲に屈する場合があるかもしれないという研究が
発表された。

従来、飼育下で肉を食べることがあっても、野生のゴリラはもっぱら植物や
果実を主食とし、たまに口にするとしても昆虫ぐらいだと考えられてきた。

しかし、アフリカのガボンにあるロアンゴ国立公園に生息する野生の
マウンテンゴリラの排泄物から、サルのDNAと、森林に生息する小型
レイヨウの一種、ダイカーのDNAが見つかった。
今回の発見により、腐肉をあさったり狩りを行うなどして、密かに肉食生活を
送っている可能性が浮上してきた。


研究チームの一員で、ドイツのライプチヒにあるマックス・プランク進化
人類学研究所の霊長類学者グリット・シューベルト氏は次のように話す。
「驚くべき発見だが、もっと常識的な説明もできる。ゴリラを肉食動物として
再分類する前に、あらゆる可能性を考察する必要があるだろう」

例えば、ゴリラはアリを食べるが、アリはサルなど哺乳類の死骸や骨をあさる
ことがある。
そのようなアリを食べれば、アリの消化管に残っていた哺乳類DNAが取り
込まれて排泄される可能性がある。

また、ゴリラの排泄物に残った植物の種などをあさっていたサルやダイカーの
DNAである可能性もある。
「サルやダイカーが、ゴリラの排泄物をなめたり、においをかいだり、尿を
かけただけかもしれない」とシューベルト氏は付け加える。
「ゴリラの排泄後に、哺乳類のDNAが加わる可能性はいくらでもある。肉食の
野生ゴリラなんて、私にはどうも合点がいかない」


ゴリラが肉食だとしても、“肉を食べる初の大型類人猿”というわけではない。
チンパンジーやその類縁にあたるボノボは、サルを含めほかの哺乳類を
狩って、その肉を食べることが知られている。

研究チームの一員で同じくマックス・プランク進化人類学研究所の遺伝学者
ミヒャエル・ホフライター氏は、「たいていの場合、草食動物は肉の消化に
困ることはない。逆だとそうはいかないが」とコメントした。


今回の研究成果はオンラインジャーナル「PLoS ONE」に2月25日付で掲載
されている。

http://news.goo.ne.jp/article/nationalgeographic/life/20100308001-ng.html
http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=20100308001&expand&source=gnews


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「DNA調査鑑定」というものは、2検体が別の物由来であることを証明する
のには非常に優れている。

一方、2検体が同一の物由来であることを証明するのがいかに困難かという
ことが、上記記事は示している。

事件現場で採取したはずのDNAが、必ずしも事件現場由来の検体であるとは
限らないことを、上記記事は示している。

「事件は会議室で起きてるんじゃない、現場で起きてるんだ!」とは青島刑事
(青島新係長)の名セリフであるが、実験室での実験を除き「DNAの混入を
封鎖できません!」


被害者と被害者とのDNAを比較すれば同一人物:
  犯人が落とした遺留品だと思ったが、被害者の持ち物だった
青島刑事と青島刑事とのDNAを比較すれば同一人物:
  犯人の物と思った毛髪が、青島刑事が落とした物だった
  犯人の遺留品を見つけたが、怪我していた青島刑事のDNAが
  付着してしまった、あるいは汗が付着してしまった


(横山歯科医院)

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