麻糸産み講習で、幻の日本大麻布を触らせてもらったことがあります。
「麻はひんやり涼しい」誰もがそう思っていますよね。
ところが!
麻がひんやり涼しいと思っていたのは苧麻(ちょま)の生地だからで、大麻の布は触ると暖かいのです。
何度も出してますが、この違い。 ↓
もう、触ってびっくりですよ。しかも、綿のように柔らかいではないですか。
これも、シャリシャリするリネンやラミーを麻だと思ってたから驚くんですね。
日本大麻布の特性を挙げます。
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①柔らかい。
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綿ほどではないものの、ある程度使い込むと綿と見分けの付かない質感になる。
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②洗いやすい。
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丈夫なので、昔の洗濯板にゴシゴシこすり付けて洗えて、普段使いできる特徴がある。
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③驚くほど速く乾く布である。
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昔の農作業で、昼飯時に洗って干しておくと、食べ終えた頃には乾いていたという証言も残っています。絞った段階で乾き始め、室内にほしても相当早く乾く性質があります。ジーンズなどと比べるとその乾きの速さに驚かれると思います。
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④蒸れない。
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どんな細い糸でも中空構造であるため、繊維内に水分を保持し、蒸気として発散します。
このため、濡れた大麻布をつけていてもさらさらしているので肌にストレスがなく、気がついたら乾いている。
大麻博物館で実演してもらったのは、大麻ストール(すごい貴重品です!)を水に濡らし、絞って首に掛けると、涼しいのですが下の服は濡れないんですよ。
綿のハンカチと、大麻の布を同じように水に濡らし、軽くしぼってティッシュの上におくと、大麻の方はティッシュが濡れないんです。目の前で実験してもらったんだから、間違いなしです。
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⑤強靭である
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摩擦や引っ張りにきわめて強く、乾燥時で綿の3~4倍、湿潤時は10倍の強度があります。耐候性や耐水性もあるため、船の係留ロープ、帆布、魚網や釣り糸、たこ糸、弓の弦などに使われていました。また、刀を通さないと言い伝えられ、元服の際には大麻の衣を新調し、戦の陣幕も大麻製でした。
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⑥夏涼しく、冬暖かい。
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麻が冬暖かいなんて、信じられませんね。でもそれは、違う植物の「麻」を「麻」だと思い込んでいたからで、大麻布は厳冬期に山に入るマタギの服に使われていました。日本には日本の気候にあった大麻が育っていたということです。
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⑦火に強い。
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江戸時代の火事場装束など、火に関わる仕事着はすべて大麻製でした。大麻の糸を燃やしてみれば分かるのですが、すぐに火が消えます。類焼しない性質がまず第一にあります。濡れた大麻繊維は猛烈な勢いで水分を蒸気に変えて気化熱を奪い、水を戻さない、蒸れない性質と相まって着ている者の身体を守ってくれます。
時代劇であるような、火に包まれた家屋に水をかぶって飛び込むなどは大麻の性質があればこそ。今の耐火繊維を除いた一般の服では不可能な性能があります。
(ザ・フナイ 2012年11月号 「日本の心、日本古来の麻・大麻」より転載)
※「大麻が火に強い」に関する私の体験談:フリース素材の服をうっかり焦がしてしまったことがあります。燃え方は、まさにビニールと同じでした。下の服に一瞬で溶けて貼り付き、素肌だったら大やけどだったと思います。
もし避けられない火事にあったら・・・大麻の服を着ているか、化繊の服を着ているかで生死が分かれることがあるかもしれません。
広島に原爆が落とされたとき、爆心地にほど近い場所で被爆しても助かった人が「多分、麻の服(大麻服を指す)を着ていたからだろう」と語った話があります。大麻の燃え方を見てみると、そういうこともあるだろう、と思えます。
あと、本には載っていませんがもう2つあると思います。
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⑧無農薬の布であること
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オーガニックではないコットンは、大量の農薬で育てている場合がありますが、
大麻の場合は農薬は必要ありません。輝く繊維にするためにはまったくの無施肥という
わけにはいかないと、栃木の栽培農家さんが語っていましたが、無農薬であるのは
間違いないです。
皮膚からの経皮毒というのがありますが、肌は良い波動、悪い波動も吸収してると
思われます。良い服を着るということは、医食同源という言葉があるように、衣服もまた
同じではないかと思います。
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⑨静電気が起きない
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昔は「雷がなったら大麻畑へ逃げ込め」とか、「雷がなったら蚊帳の下に入れ」とか言われていたそうです。
科学的根拠は分かりませんが。
言えるとしたら、天然繊維のため、静電気が起きにくいのでは?ということです。
冬のアクリルセーター、フリース素材のパチパチ、不快ですよね・・・
実家で絹のはんてんを作ってもらった時、静電気の起きなさにびっくりした覚えがあります。
冬になったら、大麻布でも実験してみますね。
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布の良さだけとっても、これだけの利点があるんですね~
こんなに良い、日本の伝統が風前の灯火のごとく、消えかかっている・・・・
それに、私も大麻布欲しいです。
市場に流通していないなら。
作って見せよう、大麻布。
ということで、まずは後継者がいない糸づくりから・・・
自由が丘のアンジェリさんで講習をやっています。
麻の良さでは布だけではありません。これはほんの序の口です。
次々紹介していきます。