スティーブ・ジョブスとは技術者なのか?経営者なのか?どうしてカリスマなんだ?
そんな目線で見てみると、ジョブスの特性がよく判るのではないでしょうか?
確かにジョブスは技術者ではなく、天才的な経営者ですらないのです。

アップルを創業しましたが、技術系は共同経営者のウォズに全てを任せていました。
金銭的な問題はマイク・マークラが全て解決。
経営はペプシの社長だったジョン・スカリーが担当(笑)

ピクサー創業時もそうでした。
技術はキャットムルトが、資金やマーケティングはディズニーが支えていました。制作はジョン・ラセターに丸投げ(笑)

だけどそんなジョブスに優れたライバル企業が次々と先を越され続けている…。
例えばiPodはソニーかコンパックがつくってもおかしくなかった。

マッキントッシュは、ゼロックスのパロアルト研究所がその技術の殆どを開発したものでした。しかしゼロックスは技術を製品として結実できませんでした。

キャットムルトがピクサー創業以前、資金と器材、優秀な人材に恵まれた場にいたのに、ジョブスと出会うまでは優れた長編アニメーションがどうしても作れなかったことを振り返ってこう言っています。
「金だけでもダメ、良い器材だけでもダメ」

ジョブス自身は独創の秘密をこう語っています。
「多くの企業は優れた技術者や頭の切れる人材を大量に抱えている。でも最終的には、それを束ねる重力のようなものが必要になる」

重力とは才能や努力というよりも、生き方なのかもしれません。

ジョブスは才能や能力はなくても、時には暴君、時に救世主として君臨し、敗残にも絶対に屈しない。そんな生き方によって人を惹きつけ、知恵と情熱を引き出し、技術と資金と人材を、足し算ではなく掛け算にして世界を変えてしまえる人間なのです。だからカリスマなのでしょう。