生活保護受給者の多くが、医療費を全額免除されているのだそうです。
誰でも病気になり得るのだから、まともな医療を受ける権利は当然にあるでしょう。
しかし、自己負担なく医療を受けられるのが果たして本当に正しいことでしょうか。

参考↓『生活保護受給者の医療費無料は不公平か 医師の7割以上が医療費の一部負担に賛成』
http://moneyzine.jp/article/detail/206258

(以下、記事の一部)
生活保護受給者の・・・医療費の一部負担を導入するべきとの意見もあるが、賛否両論あるようだ。
・・・多くが国民健康保険の被保険者から除外されており・・・1人当たりの医療費についてみると、市町村国保の被保険者などと比べて、生活保護受給者のほうが高く、適正化のための取り組みを強化すべきだという声が上がっている。
・・・生活保護の医療扶助の悪用で逮捕者も出ている。大阪市は今年7月、生活保護受給者の処方箋を複製して、複数の薬局から向精神薬を不正に入手した罪で・・・逮捕者が出たことを明らかにした。・・・生活保護受給者が受け取った処方箋をカラーコピーし、複数の薬局に提出して、各薬局から向精神薬である「ハルシオン」などを入手していた。
このような現状について・・・実際に診察している医師は、どのように感じているのだろうか。
・・・医師1,000名を対象に、10月26日に実施した「生活保護受給者の医療扶助に関する意識調査」によると、医療費適正化のために生活保護の医療費の一部を受給者に負担させることをどう考えるか聞いたところ、全体の73.1%の医師が、医療費一部負担案に賛成した。
その理由として、「年金生活者や、働きながら保険料を納め医療費の一部負担をしている低所得者がいることを考えると、生活保護受給者のみ全て無料というのは不公平」などといった意見が寄せられた。
・・・「現状のままで良い」と答えた医師は、「生活保護の本質まで変えるべきではない」「受給認定を厳格にすることで対応すべき」などの理由を上げたほか、「支払いができなければ病院の負担になるのが見えている」といった意見が寄せられた。
・・・三井辨雄厚生労働相は、生活保護受給者の医療費一部負担・・・を導入すれば、必要な受診を抑制する恐れがあり、慎重な検討が必要と述べている。
生活保護受給者の医療費の一部負担については賛否両論あるが、不正が行われないような仕組みづくりが期待される。


自己負担がないというのは、無駄な医療費を増やす要因になるでしょう。
普通は、病院へ行く前にわざわざ行くべきかどうかを考える人が多いと思います。
しかし自己負担がなければ、とりあえず行ってみようと考えてしまうかも知れません。
何も負担しないというのは、何の歯止めもないのと同じようなものです。

一方、生活保護が受給できないが生活保護受給者より厳しい低所得者も存在しています。
そういう人は、保険料も自己負担、医療費も当然に自己負担しています。
病院へ行けばすぐ治る病気を、負担を考えて放置しているケースも多々あるでしょう。
そういった人たちは、制度の隙間から見放されてしまっている訳です。
かなり不公平な印象があります。

何が正しいやり方なのか、明確な答えはなかなか出てこないとは思います。
ただ少なくとも、医療費の全額免除はちょっとよろしくないでしょう。
こういった甘い汁を与えてしまうと、生活保護からの脱却も難しくなります。
過保護にすることで、結果的に生活保護受給者を増やしているような気がします。
すべて公平にするのは難しいにしても、極端な不公平感は排除すべきでしょう。