母の愛情は大きくて深い。
20歳の3月、
東京への進学が決定して、
母から言われた、
今でも忘れられない言葉がある。
『貴方の身体を病気にした。
病気だから短いかもしれない。
短くてもいいから、太く生きて欲しい。』
車のハンドルを持ちながら、
涙ながらに言う母の言葉に、
『うん』としか受け答えができなかった。
20歳の10月に、
クローン病が悪化して
12月末まで入院をしていた。
クローン病を発症してから
二度目の入院だった。
当時、ステロイドも飲んでいた。
貧血だったことから、
12月末に退院をしてからも
毎日のように注射を受けるために
車で通院をしていた。
現在、上京して丸19年になる。
身体の弱い息子を
東京に出すのは
とても勇気が要っただろう。
太い人生にして欲しくて
東京に出してくれたのだろう。
太い人生に、せにゃならん。
＜結婚式で読んだ両親への手紙＞
みっちゃん、なえちゃん へ
今日は、このように結婚式を挙げることができて、
二人に晴れ姿を見てもらえることがとても嬉しい。
みっちゃん、なえちゃん、本当にどうもありがとう。
僕は、幼い頃から、交通事故での内臓破裂による
小腸切除手術したり、17歳の時には、
難病のクローン病を発症して、
半年ちかい入院生活と、半年間の休学をして、
高校を4年もかけて卒業して、
就職をしてからも何度も入退院を繰り返して、
なえちゃんには、何度も上京して付き添いを
してもらったね。
クローン病を発症した時、
高校2年生で17歳だったけど、
なえちゃんが、病室のベッドの横の床に
座布団を敷いて、何か月もの間、
寝泊りをしてくれたこと。
屋上に上がって、なえちゃんと二人で
毎日泣いていたこと。
みっちゃんも面会時間を過ぎた夜中に
何度も病院まで足を運んで来てくれたこと。
手術後、僕が病室のベッドに寝たきりで、
二人が、僕のオムツ交換を何日もしてくれたこと。
社会人になってからも、僕が食事を
一切食べることができなくなり、
1年8ヵ月間、病院から処方される
栄養剤のみの食生活を強いられている時も、
僕が帰省した時には、僕も一緒になって
食卓を囲めるように、自分たちも、
なかなか食べないような伊勢海老や
カニといった高級食材を買ってきて、
汁しか飲めない僕に味噌汁を作ってくれたよね。
二人から沢山の愛情を受けて育ち、
そのおかげで、僕は、これまでの
数々の困難を乗り越えてこられました。
二人の子どもとして、生まれてこられたことを
とても感謝している。
僕がクローン病を克服して元氣になれた。
その原因は、
二人から受けた深い愛情のお陰だと思う。
みっちゃん、なえちゃん、
どうか二人とも、身体を大事にして元氣で
長生きしてね。
お正月は、ちーちゃんと一緒に帰省します。
帰省する機会も増やしていこうと思います。
感謝を込めて。
二人の宝 タッちゃんより。
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