ASBJ繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針公表 | 日米公認会計士・日米税理士・公認不正検査士・行政書士·国家公務員1種試験経済職合格者福留聡のブログ

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ASBJから繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針が公表されました。
下記リンクを参照ください。
https://www.asb.or.jp/asb/asb_j/documents/docs/zeikouka2015/
解説は下記を参照ください。
ASBJ来週28日繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針公表、公開草案からの変更点解説
http://ameblo.jp/satoshifukudome/entry-12110298498.html
(公開草案からの変更 適用初年度の影響額に係る会計処理を見直しており、剰余金調整とする範囲を特定、それ以外は損益で処理)
本 公開草案の適用における会計方針の変更の範囲を特定し、当該特定した条項を変更 した場合に適用初年度の期首の影響額を利益剰余金に計上するものとしている
49. (略)
(3) 本適用指針の適用初年度においては、以下の項目については、本適用指針を
適用することにより、これまでの会計処理と異なることとなる場合には、会
計基準等の改正に伴う会計方針の変更として取り扱う。
① (分類 2)に該当する企業において、スケジューリング不能な将来減算一時
差異について回収可能であることを合理的に説明できる場合には回収可
能性があるとする取扱い(第 21 項参照)
② (分類 3)に該当する企業において、おおむね 5 年を明らかに超える見積
可能期間(例えば 7 年超など)においてスケジューリングされた一時差異
等に係る繰延税金資産が回収可能であることを合理的に説明できる場合
には回収可能性があるとする取扱い(第 24 項参照)
③(分類 4)の要件に該当する企業であっても、将来において一時差異等加
減算前課税所得が生じることを合理的に説明できる場合には(分類 2)に
該当するものとする取扱い(第 28 項参照)
(4) 本適用指針の適用初年度においては、当該年度の期首時点で新たな会計方針
を適用した場合の繰延税金資産及び繰延税金負債の額と、前年度末の繰延税
金資産及び繰延税金負債の額との差額を、適用初年度の期首の利益剰余金に
加減する。

適用は、平成28年4月1日以後開始する連結会計年度および事業年度の期首から。早期適用も可。

 適用指針は、従来の日本公認会計士協会・監査委員会報告第66号における企業の分類(5分類)に応じて繰延税金資産の計上額を見積る枠組みを維持。その上で分類の要件と繰延税金資産の計上額の取扱いを見直し。特に、(分類2)、(分類3)および(分類4)に該当する企業には、少なからぬ影響がありそう。例えば、次の取扱いがそうだ。

イ)(分類2)に該当する企業において、一部のスケジューリング不能な将来減算一時差異について繰延税金資産の回収可能性があるものとする。

ロ)(分類3)に該当する企業において、5年を超える見積可能期間においてスケジューリングされた一時差異等に係る繰延税金資産が回収可能であることを合理的に説明できる場合には回収可能性があるものとする。

ハ)(分類4)の要件に該当する企業であっても、「将来において5年超にわたり一時差異等加減算前課税所得が安定的に生じることが合理的に説明できる場合には(分類2)」、「将来においておおむね3年から5年程度は、一時差異等加減算前課税所得が生じることが合理的に説明できる場合には(分類3)」に該当するものとして取り扱う。


「繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針(案)」の公開草案の5分類も解説した本が来年2月くらいに発売されます。以下参照ください。
(私の本の近刊について)

税効果会計完全版の本の初校すべてを出版社から受け取りました。来年2月から3月上旬の発売予定です。全部で400ページくらいになりそうです。
値段もその分3500円~4000円くらいになりそうです。

校正の1回目が年内に終わり、校正2回目が1月、2月に出版になります。

内容は以前お伝えした通り、税効果のテーマ全てになります。前回は入門編で売上数10億円程度の上場企業想定ですが、今回は数100億円程度の中規模の上場企業想定した設例、内容で実務に最も近い内容と思われます。
申告書、ワークシート盛りだくさんで出版されている税効果の本で最も税効果会計実務に近い本だと思います。

ぜひ購入ください。

章の構成は下記通りです。


1章個別財務諸表税効果会計 設例1つ
2章連結財務諸表税効果会計&持分法税効果会計 設例1つ
3章四半期財務諸表税効果会計&中間財務諸表税効果会計 設例1つ
4章組織再編会計 税効果会計  分離元 分離先 株主 合計で設例16
5章連結納税税効果会計 個別財務諸表&連結財務諸表 設例1つ
6章IFRS連結財務諸表税効果会計 設例1つ
また、繰延税金資産回収可能性の公開草案の内容も設例を用いて実践的に解説してあります。

この本が出たら次はIFRS実務に最も近いIFRS実務書を出したいと思ってます。



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目次 : そもそも税効果会計とは何なのか/ 税効果会計の概要/ 法人税申告書及び地方税申告書の作成方法/ 税効果会計基準の実務上のポイント/ 一時差異を把握する/ 法定実効率を算定する/ 回収可能性考慮前の繰延税金資産及び税金負債を確定する/ 繰延税金資産の回収可能性の区分判定/ 一時差異解消のスケジューリング/ 回収可能性考慮後の繰延税金資産及び繰延税金負債を算定する/ 税金費用のプルーフテストを行い、税金費用の妥当性を検証する