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下記記事が読売新聞 社説 監査法人課徴金 最大手でこの体たらくとは です。
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/20151225-OYT1T50147.html
何度も述べたように、現行の監査制度では、新日本以外のBIG3監査法人のあずさ、トーマツが東芝を担当していても同じ結果だっただろう。
現行の監査制度の問題点は、この記事にも書かれている点も含め記載すると
①被監査会社と監査契約を締結し、被監査会社から監査報酬をもらっており、厳しい指摘をしにくい。
②監査法人は被監査会社から与えられた資料と説明をもとに監査するだけで、強制調査権限はなく、監査で不正を発見するには限界がある。
③監査法人内の署名するパートナーのローテーションはあるが、監査法人間のローテーションはなく、クライアントとの緊張関係が生まれにく癒着しやすい。
④私が重要視しているのは、上記①~③以上に、監査法人内にクライアントや上司関係を円滑に進める公認会計士が評価を受け出世しやすく、不正等指摘事項を発見する公認会計士が評価されず、発見した不正事項を監査調書に記載しない等指摘事項をもみ消す業界風土にあることが一番の問題と思っています。
これは、わたしが所属したあずさ、トーマツともに共通でしたので、新日本含めこれが業界風土になって、公務員組織みたいになっているのが問題でしょう。
いずれにしても、新日本以外の監査法人もオリンパス、大王製紙等見ても同じ体たらくですので
どの監査法人も、どの公認会計士も世間の期待ギャップに近づくように変わらなきゃいけないし、公認会計士、監査法人の権限も強化しないと、期待ギャップは埋まらないでしょう。
(記事貼り付け)
企業と監査法人のなれ合いが不適切会計につながった。企業会計への信頼を損ねた監査法人の責任は重い。
東芝の不適切会計問題で、金融庁は会計監査を担当した新日本監査法人に対し、来月から3か月間、新規契約を禁じる一部業務停止を命じた。21億円の課徴金も科す。
監査法人が課徴金を支払うのは初めてだ。新日本の監査の実態について、金融庁は「東芝の説明や提出資料に対して、批判的な観点からの検証が十分に実施できなかった」と厳しく批判した。
企業の財務諸表は、投資家が金融取引をする際の重要な目安だ。監査法人は、その正確さを保証する業務を担っている。投資家保護の観点から、金融庁が異例の重い処分を下したのは当然だ。
東芝に対する監査が正常に機能し、不適切会計を早期に改めていれば、巨額の赤字や1万人超の人員削減という最悪の事態を避けられた可能性がある。
新日本は、オリンパスの粉飾決算で損失隠しを発見できず、2012年に業務改善命令を受けている。その際、再発防止の徹底を誓ったにもかかわらず、監査体制の見直しを怠っていた。
国内最大手の監査法人がこの体たらくとは、嘆かわしい。相次ぐ会計不正で、公認会計士の信頼度が低下していることへの危機感が乏しいと言わざるを得ない。
新日本は60年にわたり、東芝の監査を担当してきた。監査チームは、不正の兆候を見つけても、適切な改善指導をしなかった。
監査報告書をチェックする新日本の品質管理部門や審査部門も、不自然な会計操作を見逃した。二重の不作為が、東芝の問題を深刻化させたと言えよう。
監査法人は、顧客である企業と契約し、監査報酬を受け取る営利企業の側面を持つ。金融当局のような強制的な調査権限を持たないため、そもそも監査法人が不正を発見することは困難だ、と釈明する公認会計士は少なくない。
だが、粉飾決算の増加を背景に、経営実態を正確に反映した財務諸表を求める投資家のニーズは高まっている。時代の要請を踏まえ、公認会計士は意識を改革しなければならない。
海外の一部の監査法人は、外部の目で監査状況を監督する社外取締役のような役員を置いている。企業に監査法人の定期的な交代を義務づける国もある。金融庁は、現行の監査制度の問題点を精査し、改善に努めてもらいたい。