ギャラガ大百科 002 『Galaga (アーケード北米版)』編 | 月面基地開拓史

ギャラガ大百科 002 『Galaga (アーケード北米版)』編

 

 

 

アーケード版の『ギャラガ』は北米にて1981年10月に『Galaga』としてリリースされた。日本版と1ヶ月しか差がないので、おそらくソフトウェア(プログラム部分)は少し前に完成していて基板や筐体等のハードウェア部分は日本と北米でそれぞれ並行で開発していたのものと思われる。

 

販売はMIDWAY(ミッドウェイ)社。親会社であるBally(バリー)社とともに元はピンボールマシンの大手メーカーであった。

ビデオゲーム参入直後は日本メーカーの内では特にタイトーと懇意にして相互にタイトルのライセンス許諾をしあっていたが、タイトーがスペースインベーダーのヒット後に北米に自社系列の販売会社を設立したため、タイトーのライセンス中心からナムコのライセンス中心へと方針を変更し、「ギャラクシアン」「パックマン」「ラリーX」に続いてのリリースとなった。

 

   

     (右はnamco製の日本版)

『(c) 1981 MIDWAY MFG.CO.』の白文字が表示されているのが、MIDWAY版。MFG.は"Manufacturing"の略で当時は"Midway Manufacturing"が正式社名であった。

筐体のマーキー部には"LICENSED FROM namco LTD."とナムコからのライセンス品であると明記されてはいるが、文字が小さいので大多数のアーケードキッズ(アメリカンゲーセン小僧)は、長らくギャラガとパックマンが日本製であるとは気づいていなかったらしい。

  

 

マニュアルのDIPスィッチ表にはデフォルト設定値の記載が見当たらないが、日本版と同じで【RANK A】、3機スタート、ボーナスエクステンドは2万/7万/以降7万毎だったという説が多いようだ。

 

そしてMIDWAY版最大の特徴は、このサブボード「RAPID FIRE P.C.」が最初から付属していること。

その名のとおりの連射基板で、工場出荷時から機能するようになっていて、"不要なときはコネクタを差し替えろ"とマニュアル上に記載されている。パックマンにもゲーム全体のスピードをアップさせる改造基板があり、MIDWAY社が自ら扱っていたようなので、"ナムコのライセンスをそのまま使うのではなく独自機能を盛ってもよい"という契約だったのかも知れない。(それが同じ年に「Ms.パックマン」を生み出し後年の因縁に続くとはこの時点では誰も予測できていない。)

そして、あまり知られていないもう1つの特長が、"自機マシマシ(?)"モード。

通常だと日本版と同じく"1コイン投入→1Pスタートでデフォルト3機持ちでの1Pプレイ、2コイン投入→2Pスタートでデフォルト3機ずつ持ちの2P交代プレイ"が始まるのだが、DIPスイッチの変更で"2コイン投入→2Pスタートでデフォルト7機での1Pプレイが可能になるのだ。「倍の金を出すんで倍のファイターよこせ。ついでにオマケも1機よこせ!」という、乱暴なやり口w

ただ、実際にこのモードで稼働させていたアーケードがどれくらいあったかは分からない。