『ハートブルー』 | やりすぎ限界映画入門

やりすぎ限界映画入門

ダイナマイト・ボンバー・ギャル @ パスタ功次郎

■「やりすぎ限界映画工房」
■「自称 “本物” のエド・ウッド」


■『ハートブルー』
やりすぎ限界映画:☆☆☆☆★★★[95]

1991年/アメリカ映画/121分
監督:キャスリン・ビグロー
出演:キアヌ・リーヴス/パトリック・スウェイジ/ロリ・ペティ/ゲイリー・ビジー/ジョン・C・マッギンレー/トム・サイズモア

1991年 第7回 やりすぎ限界映画祭
1991年 ベスト10 第7位:『ハートブルー』
やりすぎ限界女優賞/やりすぎ限界男優賞/やりすぎ限界監督賞/やりすぎ限界脚本賞:『ハートブルー』

D.B.G.生涯の映画ベスト100
第62位:『ハートブルー』


[ネタバレ注意!]※見終わった人が読んで下さい。



やりすぎ限界男優賞:パトリック・スウェイジ


やりすぎ限界男優賞:キアヌ・リーヴス


やりすぎ限界女優賞:ロリ・ペティ


[「こんな男この世に本当にいるのか?」]



■「究極のものが欲しけりゃ
  究極の代価を
  後悔のない死に方だ」


「こんな男この世に本当にいるのか?」 友情で結ばれたサーファー&銀行強盗ボーディ(パトリック・スウェイジ)とFBI捜査官ジョニー・ユタ(キアヌ・リーヴス)。また「早死にが 何だ!」と言う「イケメン」で「マッチョ」な男達。いくら「究極のものが欲しけりゃ」でも僕は死ぬのが怖い。こんなの「絶対ありえない」。



あまりに「カッコいい男」達の「絶対ありえない」「非現実」に見える『ハートブルー』が見せたものは「夢」ではない。何でここまで面白いのか? 『ハートブルー』が見せた極限のくそリアリズムに震撼せよ。

[「自分が女性だったらどんな男を好きになるか?」]



「女にもてたい」と苦しんだ僕が到達した「思考」。「自分が女性だったらどんな男を好きになるか?」 僕は「女性の思考」を知る努力をした。「女性作家」が描く創作物ほど「女性の思考」の「真実」はない。僕がたくさん「少女マンガ」を読んだ理由。『ハートブルー』こそ「女性作家」キャスリン・ビグロー監督の「思考」そのもの。「ビグロー監督だったらどんな男を好きになるか?」だ。全世界が「共感」した「女がカッコいいと思う男」の「現実」から目を背けることはできない。

[淀川長治「映画の命は “目” 」]


■淀川長治

■「いちばん大きく拍手したいその第一が目で見る映画だ。映画の命は “目” 」
(淀川長治『ハートブルー』プログラムより)



「映画の命は “目” 」。映画は目で見るもの。淀川先生の視点とは違うが、『ハートブルー』は僕の視点で「女性の思考」を「目で見る映画」。ボーディとジョニー達はビグロー監督が痺れる理想の「カッコいい男」だ!

[「女がカッコいいと思う男 7ヶ条」]



「男」は子供を産まない。生理もない。スカートもはかない。化粧もしない。「男」と「女」は全く違う生き物。絶対「完全共感」はできない。だが「全然違う」ことを「感じる」ことはできる。「どこが違うか?」「物事をどう考えるか?」 「ビグロー監督がカッコいいと思う男」から「女がカッコいいと思う男 7ヶ条」の「極限のくそリアリズム」を分析した。

[①「イケメン」&「マッチョ」]



「イケメン」&「マッチョ」は男の美女好きと全く同じ。だが「イケメン」でなくても、体鍛えて贅肉が落ちれば顔の形は締めれる。「マッチョ」の魅力でカバーできる可能性は高い。

[②「運動神経抜群」]



「サーフィン」「スカイダイビング」「フットボール」。そして「逃げる」「追う」の走る「持久力」。「運動神経抜群」な男はあらゆる能力が高く見える。

[③「女性を楽しませる会話」]



■「親の望む人生を
  歩んでいた事に気づいた
  自分のしたい事をするのが
  本当の人生だ
  1ヵ月前 オハイオから
  こっちへ来て初めて海を見た
  海に とりつかれた
  それで何とかサーフィンを-
  ものにしたい
  ウソじゃない」


50年間を一緒に過ごす生涯のパートナーは「いつも自分を楽しい気持ちにさせてくれる男」。「女性を楽しませる会話」ができる「気を遣える男」「やさしい男」かが重要。

[④「絶対くじけない」「絶対あきらめない」]



■「今朝 チューブを
  乗りこなしました」


どんなに叱られても「絶対くじけない」。マイナス思考にならない。いつ動かなくなるか不安な男と安心して「子育て」はできない。「後悔のない死に方」「ホシを挙げる」。「自分のすること」を「絶対あきらめない」最期までなし遂げられる「精神力」を女は見る。

[⑤「信念」「情熱」]



「女性を愛すること」から「自分のすること」「自分のやりたいこと」に命を懸ける「情熱」。「情熱」は生きる力のエネルギー。「15年周期の嵐」「ベルス・ビーチ」。「恋人を守る」「信念」があるか試される。

[⑥「女のために命を懸ける」「勇気」「犠牲心」「正義感」]



「女のために命を懸ける」。「絶対裏切らない」「信頼」を貫く「勇気」「犠牲心」「正義感」。ど根性とガッツで挑む「ナンパ」「ケンカ」。「女のために命を懸ける」パラシュートなしスカイダイビングの「勇気」におしっこ垂れ流し。

[「⑦「許し」「寛大」]



■「一生に一度のチャンスだ
  頼むよ 友達
  頼む」
 「神の救いを」


アンジェロ(ゲイリー・ビジー)を殺しタイラー(ロリ・ペティ)を誘拐した犯人。「手錠を外した」違法行為。“本物” の「親友」となった。「絶対あきらめない」「信念」「情熱」「勇気」を教えてくれた「親友」に魂を撃たれた。「バッジを捨てる」信念。「許し」「寛大」を貫いて生きれるか? これがビグロー監督が痺れる「カッコいい男」達だ!

[「僕が女性だったらどんな男を好きになるか?」]



「女がカッコいいと思う男 7ヶ条」の極限のくそリアリズム。「僕が女性だったらどんな男を好きになるか?」 僕もビグロー監督と同じことを考えるだろう。



「目で見る映画」。淀川先生の言葉を今は理解できる。「女にもてたい」なら、「カッコいい男」になるためいくつ自分を変えることができるか。変える努力に挑むか。「人間は絶対楽して得しない」。『ハートブルー』は「目で見る女がカッコいいと思う男」。「キャスリン・ビグロー監督がカッコいいと思う男」の「情熱」。




画像 2017年 4月