Petri忘れられた名レンズ達 その1Kuribayashi Orikkor 50mm F2 | シネレンズとオールドレンズで遊ぶ!

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カメラマンヨッピーのブログ。シネレンズやオールドレンズなどのマニュアルフォーカスレンズをミラーレスカメラに装着して遊び、試写を載せていきます。カメラ界でまことしやかに語られているうわさも再考察していきます。

Petri(ペトリ)と聞いてピントくる方はある程度年配の方ではないかと思う。かつて日本に存在していたカメラメーカPETRI CAMERA(ペトリ工業は現在も存続している) の交換レンズ達を何度かに分けて紹介していきたい。

僕にとってペトリカメラといえばレンズ固定式のレンジファインダーカメラというイメージが強い。蛍光イエローを使ったり指標がカラフルだったり面白いカメラだなーと思った思い出がある。

資料を紐解いて驚いたのがペトリカメラの歴史の長さ。1907年(明治40年)創業で、浅沼商会や小西商店(小西六/コニカ)に次ぐ老舗カメラメーカであったことだ。1918年(大正7年)にはカメラ製造をはじめている。戦前は皆川カメラ店や三栄堂本店などから販売されたカメラの製造を担当した。戦後に栗林写真機械製作所と改名してオリジナルカメラも手がけるようになる。

一眼レフカメラを発売したタイミングも早く1959年。PETRI PENTA(ペンタ)というカメラを発売している。この年はニコンFが発売された年と同じで日本の一眼レフカメラの黎明期にあたる。

そのカメラの標準レンズだったのがKuribayashi Petri Orikkor 50mm F2である。4群7枚の変形ガウスタイプで3群目の3枚張り合わせの一番後ろの凹レンズはバックフォーカスを稼ぐためであると推測される。

 

前ボケは非常に柔らかい

周辺部は甘くなるが雰囲気はいい

硬めだがきれいなボケだ

ポートレートにも向いているレンズだ Model:彩夏子

 

後ぼけに特徴がある写り。全体的にはクラシカルでネガプリントのような写りになる。硬目でざわついたボケは国産レンズでは珍しい。Meyer系のレンズみたいだ。

何を撮っても絵になるいいレンズだと思う。このレンズが1万円を切る価格ならコストパフォーマンスは非常に高い。

個人的にはレンズキャップのつくりが気に入っている。