こんにちは。

トレイルランナーズ大阪の安藤大です。

 

 

ランナーの皆さまはあまり信じたくない結論かもしれません。


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月の練習量が120km未満のランナーのケガのリスクは134%高い

2013年4月号のスポーツフィジカル・セラピー紙によると、「マラソン大会に備えて週に30km未満しか走っていなかったランナーは、レース後のランニングに起因するケガのリスクが134%増加した。」の結論がありました。("Weekly Running Volume and Risk of Running-Related Injuries Among Marathon Runners" )

 


練習量の少ないランナーほど故障しやすい。結論が出ていましたね。納得。僕もこれまで300人以上を個別指導してきた中で、仕事を抱える市民ランナーの皆さまの平均練習量は月に100km~120km程度(練習量の少ない方で80km)。この平均練習量は週に1時間以内程度のジョギングを3日、それを4週ですから、ランニングが習慣づいている人にとっては無理のない練習量です。それよりも少ない練習量で、上の結論からすれば「多くのランナーがマラソン大会を完走するにあたって基礎練習量が不足しており、ケガのリスクの可能性を抱えている」と言えます。

 


コーチとしての僕からのアドバイスは僕のアドバイスからであって、僕からのアドバイスではない。


 

「安藤さん、どういうこと?」と思われるかもしれませんが、僕の元には「◯◯が原因で故障を経験しました」という膨大なデータがあります。過去を繰り返さないために歴史から学ぶ。僕からのアドバイスはその背後にいる何百人というランナーの皆さまの「同じ失敗を犯して欲しくない」というメッセージなのです。

 


そのアドバイスを無視して、練習もせずにレースに臨んだり、身の丈以上のレースに参加したり、僕に内緒で立て続けにレースに参加したりすることは、大勢のランナーが経験してきた、歴史のアドバイスを無視したことになります。 結果、故障をして長期間走ることができなくなったランナーを多く見てきました。以下は、実際にあったランナーの故障例です。

 

K子さん。日ごろは週に1、2回、走ったり走らなかったりの週末ファンランナーで、月間練習量は80km未満。これまで故障はなし。フルマラソン大会に参加。→故障

 

Y子さん。7、8月は暑く9月は仕事が忙しくて走ることができず。10月にフルマラソン大会に参加。→故障

 

Tさん。暑さが苦手で7、8月の月間練習量は80km未満、神戸マラソンに当選したのを機に9、10月と練習量をいっきに160kmに増やした。→故障。練習量を増加させすぎた。


Kさん。日ごろは1回あたり5km未満を週に3回走る程度。マラソン大会が近づいているので30km走のイベントに参加。→故障。練習量を増加させすぎた。


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練習前のウォームアップも大事。僕も最近練習前に5分ほど丁寧にウォーアップしていますが、動きのキレが全然違います。

 

練習量の増加率が週あたり5~10%を超えるとケガのリスクが増す

スポーツ・メディスン紙2016年版によれば、練習量の増加率が週あたり5~10%を超えるとケガのリスクが増す」ことも研究で示されています("Injuly Prevention Paradox: Should Athletes Be Training Smarter and Harder?")。練習量にはレースで走った距離を含みますから、短期間で立て続けにレースを詰めこんだりすれば、ケガのリスクが大きく上昇してもそれは起こるべくして起こったケガ、厳しい言い方かもしれませんが、自分の選択が招いたケガ(回避できたケガ)とも言えます。

 

練習量は急には増やせない。100kmは半年前から100マイルレースは1年前から走りこみが必要

練習量は急には増やせない。100kmのウルトラマラソンにチャレンジするのであれば半年前、100マイルレースに参加するのであれば、一年前からトレーニングを始める必要があります。エントリー入金してから練習を始めたのでは遅すぎます。来年のSTYやウルトラ・トレイル・マウントフジ(UTMF)に当選された方、トレーニングは今からですよ。

 

100kmのウルトラマラソンを「完踏ではなく完走を目指す」のであれば少なくとも月に244km~320km。100マイルレースであれば月に188km~300kmからスタートし、最終的には月に360km~410kmが練習量の目安です。これは何も上位を狙うトップ選手の練習量ではなく、ケガなく当日無事に楽しくゴールするための練習量です。

 


多くのランナーはウルトラを完走するにあたっての基礎練習量が足りていないように思います。後半歩きが増えてしまったり足や腰のどこかが痛くなったりしても不思議はないでしょう。不良フォームをカイゼンして、練習を積んで、はじめて故障も少なくなってきます。

 


研究結果を踏まえると「私にはケガのリスクがある。予防のためにはどうすればいい?」と考えることから始まります。自分の中で何が最も重要で、どれを優先すべきなのかを考えることが重要です。優先順位づけも学ぶ必要のあるスキルの一つです。僕は選手には「目標レースに向けて週の練習頻度や一度に走る練習距離は段階的に増やしましょう。」とアドバイスをしています。

 

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