6ヶ月ぶりの競馬となったアイビスサマーダッシュで大敗したネロ。
休養明けと58キロがこたえたのは明らかで
陣営としては、それほど悲観する負けではなかった。
たた、正直に書いてしまうと、二歳夏の新馬勝ちから
丸4年間、使い詰めのネロ。
本当によく働いてくれている。
奇跡のような馬主孝行の馬。
しかし、昨年秋の京阪杯GⅢを優勝したところがピークだったか…
その後の脚部不安を考えると、そう思っても仕方がない。
あとはどこまで復活できるか?
その馬の持っているもので、もう神の世界だ。
アイビスサマーダッシュの後は、キーンランドカップとわしと森調教師の中では決まっていた。
「社長、たぶん洋芝合うと思いますよ。」
それは以前から聞かされていた。
昨年の体調ならたぶん勝ち負けだったが
昨年はアイビスサマーダッシュ2着の後は
セントウルSを選択し、こちらも2着だった。
「社長、ネロのキーンランドカップですが、戸崎も内田も乗れないそうです。どうしましょうか?」
まあ、この2戦着外の馬に一流騎手を頼むのは気が引ける。
一瞬、わしの頭をよぎったのは松田大作だ。
交通違反による騎乗停止は解けているはずで
西山茂行と妙に相性のいい騎手。
まだ、早いか…
しかし、ちょっとまてよ。
その週はたしか、ワールドスーパージョッキーがあり世界の名騎手が札幌にいるはず。
「ワールドスーパージョッキーに来ている騎手で誰かいますか?」
「モレイラはもう決まっています。社長、それなら地方競馬代表の中野省吾はどうですか?まだ若いけど乗れますよ。」
中野省吾?
地方競馬にうとい西山茂行はすぐに調べた。
なかなかの成績だ。
地方競馬に詳しい競馬友達たちもよく知っていた。
競馬オタクの大内和は
「中野省吾騎手は南関東若手のナンバーワンです。特に乗り替わりで真価を発揮します。」
4年間いろいろな騎手が乗ったネロ。
たまには地方競馬の若手に任せてみるか。
「では、森先生、中野省吾で行きましょう。」
で決まった。
見事に復活させることができるか?
以前にも書いたが、ネロはニシノフラワーの血を引く唯一の牡の重賞勝ち馬。
来年は種牡馬にする。
ニシノフラワーの母のデュプリシトのクロスを持った馬を作るのが西山茂行の夢のひとつだ。
そのためにももうひとつタイトルが欲しいところ。
中野省吾がどんな競馬を見せてくれるか?
ちょっと楽しみな週末です。