高校の頃に不登校で悩み苦しんだ娘は
幼い頃からとても親思いの優しい子でした。
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娘がやっとヨチヨチ歩き始めた
一歳過ぎのことだろうか。
ある冬の夜のこと。
つまらないことで夫婦喧嘩した
私と妻は氷の冷戦状態。
リビングのこちらと、あちらの方へそれぞれ陣取り、
しばらく経っても二人の間に横たわる氷河は溶けない。
見るに見かねたか、一歳ちょっとの幼い娘は
母親のところにチョコチョコと歩いて行き
座っていた母親を優しく、じっと抱きしめた…
母親が泣きはらした目をあげてニッコリ笑うと
娘もニッコリと笑い返し
今度は私の方に向かって
覚束ない足下でチョコチョコと歩いてきた。
そしてソファに座っていた私の正面に来て
ジーっと私の目の奥を澄んだクリクリした目で見つめた。
咎めるでも、怒るでもなく、批判するでもない
無垢な黒い目でただジーっと見つ続けた…
幼い子の無垢な目に見つめられ続けた私は
たまらなく恥ずかしくなり
「○○ちゃん、ケンカしてゴメンね」と謝った。
私の目からは涙がこぼれそうになっていた。
そんな私に娘はニコっと笑い
私の頭を小さな胸にぎゅーっと抱きしめてくれた。
ふんわりと暖かい、とても柔らかな
心が包まれるようなハグだった…
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幼いながらも「大人の対応」を見せた娘が
小学生のころの夏休みに、川柳をつくる、
というのがありました。
で、娘がつくったのが ー
夏休み 父の財布も 軽くなり
親の心だけではなく
親の財布の中身もよく知る娘の
蝉が鳴き続ける真夏日の思い出話でした。
皆さんもお子さんとの幸せな思い出
色々とあるのではないでしょうか。
ご家族と集うこの時期に
過ぎ去り夏の思い出を振りかえるのも
楽しい一時かもしれませんね。